Sony Parkでソニーアワード展、250点、S・グレイ解説も

【銀座新聞ニュース=2019年5月31日】国内家電業界第2位のソニーグループのソニー企業(中央区銀座4-2-11、ヒューリック銀座数寄屋橋ビル、03-5159-2211)は6月1日から23日まで「Ginza Sony Park」(中央区銀座5-3-1)で「#008 Sony World Photography Awards 2019 世界の写真が交差するところ。」を開く。

6月1日から23日まで「銀座ソニーパーク(Ginza Sony Park)」で開かれる「#008 ソニーワールドフォトグラフィーアワード(Sony World Photography Awards)2019」に展示される入賞作品。

2007年よりソニーが支援する写真コンテストで、今回が12回目となる「ソニーワールドフォトグラフィーアワード(Sony World Photography Awards)2019」は、世界最大規模となる195の国と地域から約33万点におよぶ応募があり、250点の入賞者の作品を展示する。

ジャンルは「プロフェッショナル」(10カテゴリー)、「一般公募」(10カテゴリー)、「ユース」(12歳から19歳)、「学生」の4部門に分かれており、応募カテゴリーが建築、ドキュメンタリー、風景、ポートレート、スポーツ、ストリート、野生生物、旅行、文化などがあり、規模や知名度だけでなく「多様性」という面においても世界屈指としている。入賞者には賞金(プロフェッショナル部門の最優秀者には2万5000米ドル、約250万円、一般公募部門の最優秀者には5000米ドル、約50万円)や賞品をはじめ、英国ロンドンでの展示、年間図録への掲載、世界規模でのメディア露出などの機会が与えられる。

会場のイメージ図。

展示フロアは地下1階から3階までの3部構成で、地下1階では、スライド映写機で「ソニーワールドフォトグラフィーアワード 2019」の受賞作品の概要について説明し、地下2階ではプロフェッショナル部門、一般公募部門の作品を展示、地下3階では、学生部門、日本部門、ユース部門の作品、歴代特別功労賞受賞者をピックアップする。

また、ソニーイメージングギャラリー 銀座(中央区銀座5-8-1、銀座プレイス)では、7日から20日まで「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2019」学生部門の作品展を開く。

今回、日本人として唯一受賞した上野公平(うえの・こうへい)さんの「ビニス・ザ・サーフェイス・オブ・コンペティティブ・フリーダイビング(Beneath the Surface of Competitive Freediving)」 (プロフェッショナル部門スポーツカテゴリー2位)と、日本でのみ展示される日本部門賞優秀作品6点を含む約250点の作品、受賞者のインタビュー動画なども上映する。

期間中、展示会場の地下3階でトークイベントを開く。参加費は無料。

6月1日14時と16時から、主催団体の「ワールドフォトグラフィオーガニゼーション(World Photography Organisation)」の創設者で、CEOのスコット・グレイ(Scott Gray)さんによるトーク&ガイドツアーイベントをく。作品に込められたメッセージや、授賞理由を説明する。日本語通訳がつく。

また、「月刊カドカワ」(角川書店)編集部、「カット」(ロッキグンオン)編集部、「エスクァイア日本版」編集部を経て「コンポジット」や「インビテーション」、さらに「エココロ」の編集長を務め、「有限会社菅付事務所」(現「グーテンベルクオーケストラ」)を設立、出版からウェブ、広告、展覧会までを編集する菅付雅信(すがつけ・まさのぶ)さんが「聞き手」となって、写真家の鈴木親(すずき・ちかし)さん、滝本幹也(たきもと・みきや)さんをゲストに、トークイベントを開く。

16日15時から滝本幹也さんと菅付雅信さんが「写真をクロスオーバーさせること」というテーマで、トークイベントを開く。

22日15時から鈴木親さんと菅付雅信さんが「「写真という世界の共通語」というテーマで、トークイベントを開く。

23日14時から国際フォトフェスティバル「T3 フォトフェスティバルトウキョウ(PHOTO FESTIVAL TOKYO)」ファウンダーの速水惟広(はやみ・いひろ)さん、「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2019」日本部門賞1位の石戸俊夫(いしど・としお)さん、「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2017」一般公募部門入選ストリートフォトグラファーの川音真矢(かわおと・しんや)さんが、「ソニーワールドフォトグラフィーアワード」を通じて広がる世界への道のりについて話しあう。

銀座ソニーパークは変わり続ける実験的な「公園」をコンセプトとし、東京オリンピックの終了後の2020年秋まで、年間を通して「驚きや遊び心を感じられる」さまざまな体験型イベントやライブなどを開く。

銀座ソニーパークは約707平方メートルのフラットな地上部と、地下4階の「ローワーパーク(Lower Park)」で構成されており、旧ソニービルの特徴的な構造は残しつつ、地下に吹き抜けがあるオープンな垂直立体公園になっている。

約2年間、「変わり続ける公園」として、実験的な試みをし、2020年秋からビルの建設に着手し、2022年に「公園」のコンセプトは変えずに拡張させる形で新しいソニービルを竣工する。公園は地下3階から地下1階が吹き抜け構造、地下5階が機械室・管理室になっている。

開場時間は10時から20時。入場は無料。

注:「滝本幹也」の「滝」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として常用漢字を使用しています。

「コンフィデンスマン」ヒットで東出昌大、小日向文世ら御礼挨拶

【銀座新聞ニュース=2019年5月31日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)は6月8日にTOHOシネマズ日比谷(スクリーン12、千代田区有楽町1-1-3、東京宝塚ビル)で「コンフィデンスマンJP」の大ヒットを記念して、東出昌大さん、小日向文世さんらによる御礼の舞台あいさつを開く。

現在、一般公開中の「コンフィデンスマンJP」((C)2019「コンフィデンスマンJP」製作委員会)。

「コンフィデンスマンJP」は5月17日から一般公開され、映画興行ランキングによると、18日、19日の土日曜日2日間で動員28万4000人、興収3億8600万円をあげ初登場1位、初日から3日間の累計では動員35万7000人、興収4億8000万円を突破した。25日、26日の2週目も土日曜日2日間で動員25万8000人、興収3億5100万円をあげ2週連続1位となった。累計では動員91万人、興収12億円を突破している。

この大ヒットを記念して、6日18時20分の回上映前に、監督の田中亮(たなか・りょう)さんをはじめ、主人公のコンフィデンスマン(信用詐欺師)のダー子とリチャードと共に行動するコンフィデンスマン(信用詐欺師)「ボクちゃん」役の東出昌大(ひがしで・まさひろ)さん、ダー子とボクちゃんと共に行動する詐欺師「リチャード」役の小日向文世(こひなた・ふみよ)さん、詐欺師「五十嵐」役の小手伸也(こて・しんや)さんが舞台に登場して御礼のあいさつをする。

「コンフィデンスマンJP」は古沢良太(こさわ・りょうた)さんが脚本を手がけて、2018年4月9日から6月11日までフジテレビ系「月9」枠にて放送されたテレビドラマで、「ダー子」役の長沢(ながさわ)まさみさんと、東出昌大さん、小日向文世さんが共演した。今回の劇場版でも、3人がそのまま出演している。テレビドラマで演出を担当した田中亮さんがそのまま劇場版「コンフィデンスマンJP」でも監督を務め、映画監督としてデビューした。

物語は天才的な知能を持つが、詰めの甘いダー子、彼女に振り回されてばかりのお人よしなボクちゃん、百戦錬磨のベテラン詐欺師のリチャードの3人の信用詐欺師が、香港マフィアの女帝ラン・リウ(竹内結子=たけうち・ゆうこ=さん)が持つと言われる伝説のパープルダイヤを狙い、香港へ飛ぶところからはじまる。

3人がランに取り入るべくさまざまな策を講じる中、天才詐欺師ジェシー(三浦春馬=みうら・はるま=さん)も彼女を狙っていることが判明する。さらに以前ダー子たちに騙された日本のヤクザ・赤星(江口洋介=えぐち・ようすけ=さん)の影もちらつきはじめ、事態は予測不可能な方向へ展開していく。

チケットはチケットぴあを通じて先行抽選を販売中で、3日11時締め切り。料金は一般2100円、大学生・専門学校生1700円、高校生・ジュニア(3歳から中学生)、障がい者1200円、シニア(60歳以上)1400円。

注:「長沢まさみ」の「沢」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として常用漢字を使用しています。

サニーヘルス、抹茶のカテキンとカフェインがダイエット、美肌に

【銀座新聞ニュース=2019年5月31日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「日本発のスーパーフード『抹茶』のダイエット&美容効果」を発表した。

抹茶に含まれている、美肌に有効な「ビタミンC」は一般に水に溶けやすく、熱に弱いとされているが、抹茶のビタミンCは熱に強く、80度でも壊れない。

今や、日本の抹茶が世界でも注目を集めている。抹茶は海外でも「Matcha(マッチャ)」の名で知られ、「抹茶カフェ」が次々とオープンしているという。そのまま抹茶として飲まれるほか、抹茶ラテ、抹茶スムージー、抹茶が生地に混ぜ込まれたパンケーキやスコーン、抹茶味のお菓子などとして親しまれている。

なぜ、ここまで抹茶が浸透したのか。その理由のひとつに、抹茶がスーパーフードとして認知されていることが挙げられるという。スーパーフードといえば、チアシード、アサイー、キヌアなど日本人にはあまり馴染みのなかったものが多いが、日本発の抹茶もヘルシーなスーパーフードとして扱われている。

茶葉にお湯を注いで飲む緑茶と違い、茶葉を粉にした抹茶は栄養を余すことなくまるごと取り入れることができる。緑茶では水に溶けやすい成分しか摂取することができないため、有効成分の多くは茶葉に残ったままになる。

それでは、抹茶にはどのような効果が期待できるのだろうか。まずは「ダイエット効果」という。抹茶に含まれている成分でダイエット効果が期待できるのは「カテキン」と「カフェイン」だ。

抹茶と粉末緑茶では生育方法が異なるため、栄養成分にも違いがあり、抹茶には旨み成分の「テアニン」がたくさん含まれ、粉末緑茶にはダイエット効果で注目されている「カテキン」が多く含まれている。

「カテキン」はポリフェノールの一種で、糖質や脂肪の吸収を抑える働きがあることが知られている。「カフェイン」には、「リパーゼ」という脂肪の分解を促進する酵素の働きを活性化させる要素がある。その働きにより体内の脂肪が分解され、エネルギーとして消費されるし、利尿作用もあり、むくみの解消にも有効としている。

また、「美肌」にも期待できる。美肌に有効な成分は「ビタミンC」で、ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱いという特性があるが、抹茶のビタミンCは熱に強く、80度でも壊れないという。シミやそばかすの原因になるメラニン色素の生成を抑え、美白効果が期待できる。コラーゲンの生成にもビタミンCが必要となる。

抹茶には「β-カロテン(体内で必要量がビタミンAに変換)」も含まれている。ビタミンAは肌の潤いや弾力を保つ作用や、粘膜を健康に保つために重要な栄養素で、βカロテン、ビタミンC、カテキンには抗酸化作用があるので、美肌の相乗効果が期待できるとしている。

「エイジングケア」効果も期待される。体内の活性酸素を除去し、老化を防止するのに必要なのが抗酸化作用を持つ成分で、抹茶には、カテキン、βカロテン、ビタミンCなど複数の強力な抗酸化物質が含まれている。抗酸化作用によって、紫外線やストレスなどによる細胞へのダメージを修復し、肌をはじめ全身の細胞の錆びつきを防ぎ、体を若々しく保つことができる。

「デトックス効果」も期待できる。茶葉をまるごと粉末にした抹茶には、食物繊維もたくさん含まれている。抹茶1杯でおよそさつまいも35グラム分ともいわれる含有量で、腸内環境を整え、デトックス効果、便秘解消にもつながる。

「生活習慣病のケア」の面も期待される。緑茶特有の成分であるカテキンは、特定保健用食品にも利用されている成分で、生活習慣病の予防に有効という研究もある。血中脂質である悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させる作用があるほか、血圧や血糖値の上昇を抑える作用があり、高脂血症、糖尿病、動脈硬化、肥満症、高血圧などの生活習慣病のケアに役立つという。

「リラックス効果」としては、抹茶に含まれているうまみ成分「テアニン」にリラックス作用があり、ストレス緩和や睡眠の質を改善する効果なども期待できるといわれている。

「消臭・抗菌」作用の点でも、カテキンの持つ殺菌作用がよく知られている。サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌など、食中毒の原因となるほとんどの菌を殺菌する力があり、感染力の強い病原性大腸菌「Oー157」に対しても殺菌効果があることが実験で分かっている。食後に緑茶を飲むことによって、口臭予防にも効果がある。緑茶にはフッ素も含まれていて、虫歯予防にも効果的とされている。

抹茶の代わりに粉末緑茶も活用したい。抹茶=茶道というイメージが強く、日本でも日常的に抹茶を立てて飲む人はそう多くない。普段飲むのは、茶葉にお湯を注いで淹れる緑茶という場合がほとんどで、抹茶を自宅で飲むのは少しハードルが高いし、価格も安くはない。しかし、粉末緑茶なら抹茶と同様に余すことなく栄養素を摂ることができる。

抹茶も粉末緑茶もどちらも粉末状ではあるが、お湯で簡単に溶かすことができるのは粉末緑茶だし、手軽さ、取り入れやすさは粉末緑茶のほうが優れている。また、抹茶と粉末緑茶では生育方法が異なるため、栄養成分には違いがある。

抹茶には旨み成分のテアニンがたくさん含まれ、粉末緑茶にはダイエット効果で注目の成分であるカテキンが多く含まれている。カフェイン量も異なり、抹茶はコーヒーと同等量だが、カフェインが苦手な人には粉末緑茶のほうが体に優しいといえる。

粉末緑茶はお湯に溶かしてそのまま緑茶として飲むほか、多くの料理やお菓子に加えることができる。例えば、パンケーキやクッキーなどの生地に混ぜ込む、スムージーやカルピスなどの飲み物に入れる、牛乳に入れて抹茶オレ風にして飲む。

あるいはヨーグルトに混ぜる、オイルソースのパスタにかけてお茶のジェノベーゼ風として食べる、トーストにバターと粉末緑茶をひと振りする、塩と合わせて緑茶塩にする、など粉末緑茶の活用方法はアイデア次第でたくさんある。茶葉の栄養素を無駄なく取り込むことができるので、ぜひ試してほしいとしている。

抹茶よりも少ないとはいえ、粉末緑茶にもカフェインは含まれており、有効成分の摂取量が多ければ多いほどよいというわけではないので、お茶として飲むのであれば1日3杯から4杯程度を目安にしてほしいとしている。

ウイキペディアによると、「抹茶」は緑茶の一種で、てん茶を粉末にしたもの、またそれに湯を加えかく拌した飲料だ。日本茶業中央会では「覆い下で栽培された生葉を揉まないで乾燥したてん茶を茶臼で挽いて微粉状に製造したもの」と定義している。ただし、「『茶臼で挽いて』という表現は粉砕の代表例を示したもので、他の方法で微粉末にしても「抹茶」といえる」としている。

粉末茶の中には定義に関係なく「加工用抹茶」や「工業用抹茶」、あるいは「食品用抹茶」という名称で流通しているものがあり、てん茶の生産量と抹茶の流通量を比較すると、世間で流通している抹茶の3分の2は本来の意味の抹茶ではないとみられている。

黒味を帯びた濃緑色の「濃茶(こいちゃ)」と鮮やかな青緑色の「薄茶(うすちゃ)」があり、茶道では、濃茶は茶杓(ちゃしゃく)に山3杯を1人分として、たっぷりの抹茶に少量の湯を注ぎ、茶せん(ちゃせん)で練ったものを供する。

薄茶は茶杓1杯半を1人分として、柄杓半杯の湯を入れ茶せんでかく拌する。茶道では茶を「点(た)てる」(点茶=てんちゃ)というが、濃茶は特に「練る」と表現する。現在の茶道では、濃茶を「主」、薄茶を「副(そえ)」や「略式」と捉えている。

茶せんでかく拌する際に、流派によって点てかたが異なる。三千家では、たっぷりと泡を立てるのが裏千家、うっすらと泡立てるのが表千家、もっとも泡が少ないのが武者小路千家といわれている。

現在では一般的な飲料としては煎茶(緑茶飲料を含む)の方が需要が多いものの、地域によっては農作業の間の休憩などに抹茶を飲用する習慣が残されている。

ピカデリ「町田の世界」細田佳央太、関水渚ら挨拶

【銀座新聞ニュース=2019年5月30日】アメリカ映画業界第3位、ワーナー・ブラザースグループの日本の映画配給会社、ワーナー・エンターテイメント・ジャパン(港区西新橋1-2-9、日比谷セントラルビル)の「ワーナー・ブラザース映画」は6月8日に丸の内ピカデリー(千代田区有楽町2-5-1、有楽町マリオン、03-3201-2881)で「町田くんの世界」に出演している細田佳央太さん、関水渚さんらによる舞台あいさつを開く。

6月7日から一般公開される「町田くんの世界」((C)安藤ゆき/集英社(C)2019 映画「町田くんの世界」製作委員会)。

8日9時40分の回上映終了後、12時55分の回上映前に、監督の石井裕也(いしい・ゆうや)さんをはじめ、主人公の高校生「町田一」役の細田佳央太(ほそだ・かなた)さん、一の同級生「猪原奈々」役の関水渚(せきみず・なぎさ)さん、一の同級生「氷室雄」役の岩田剛典(いわた・たかのり)さん。

一の後輩「高嶋さくら」役の高畑充希(たかはた・みつき)さん(9時40分の回のみ)、一の同級生「西野亮太」役の太賀(たいが)さん、週刊誌記者「吉高洋平」役の池松壮亮(いけまつ・そうすけ)さん、一の母親「町田百香」役の松嶋菜々子(まつしま・ななこ)さんが舞台に登場してあいさつする。

「町田くんの世界」はマンガ家の安藤(あんどう)ゆきさんが「別冊マーガレット」(集英社)に2015年4月号から2018年5月号まで連載された同じ題名の作品が原作で、第19回文化庁メディア芸術祭でマンガ部門の新人賞に選ばれ、第20回手塚治虫(てづか・おさむ)文化賞で新生賞を受賞している。2018年5月25日に発売された単行本最終7巻の帯で映画化が発表された。

石井裕也さんにとっては初の少女マンガの原作となり、主人公の2人には、1000人のオーディションの中から、演技経験がほとんどない新人の細田佳央太さんと関水渚さんが抜てきされている。

物語は運動も勉強も苦手で、見た目も地味で、何も取り柄がなさそうに見える町田くんが主人公で、町田くんには人を愛することにかけてズバ抜けた才能があった。困った人のことは絶対に見逃さず、接した人々の心を癒し、世界を変えてしまう不思議な力をもつ町田くん。しかし、そんな彼の前に現れた女の子・猪原さんは、これまでの人々とは違っていた。

初めてのことに戸惑い、自分でも「わからない感情」が胸に渦巻く町田くんだったが、「わからないことから目を背けてはいけない」という父親の言葉を胸に、「わからない」の答えを求めていく。

ウイキペディアなどによると、石井裕也さんは1983年埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ、大阪芸術大学芸術学部映像学科を卒業、2005年に卒業制作として「剥き出しにっぽん」を監督、第24回そつせい祭グランプリを受賞し、2007年に第29回ぴあフィルムフェスティバルでグランプリを受賞している。日本大学大学院芸術学研究科映像芸術専攻修士課程を修了、「ブレス」のチャベス事業部に所属している。

2008年の第37回ロッテルダム国際映画祭では「剥き出しにっぽん」をはじめ、低予算映画「反逆次郎の恋」、大阪市より助成金が給付された2007年の「ガール・スパークス」と「ばけもの模様」の4作品が特集上映された。続けて第32回香港国際映画祭では長編4作が特集上映され、アジア・フィルム・アワードで第1回「エドワード・ヤン記念」アジア新人監督大賞を受賞した。

2009年に第19回PFFスカラシップ作品として制作された長編「川の底からこんにちは」」が第60回ベルリン国際映画祭正式出品され、モントリオールファンタジア映画祭では作品賞、商業映画デビュー作となり、第53回ブルーリボン賞監督賞を受賞した。2013年9月に映画「舟を編む」が史上最年少(30歳)で第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表作品に選出され、第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞や最優秀監督賞、芸術選奨新人賞(映画部門)などを受賞した。

2014年にカナダに実在した日系人野球チームを描いた映画「バンクーバーの朝日」を制作、2017年に「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」が第91回キネマ旬報ベストテン 日本映画ベスト・テン第1位を獲得し、9月に舞台「宇宙船ドリーム号」で演出を担当した。また、女優の満島(みつしま)ひかりさんと2010年10月25日に結婚(2016年1月に離婚)、2018年春に女優の相楽樹(さがら・いつき)さんと再婚、同年に第1子が誕生した。

チケットはすでにチケットぴあを通じて最速抽選・プレミアムを発売中で、最速抽選・プレミアムは30日11時締め切り。先行抽選は31日11時締め切り、6月1日10時から一般発売する。料金は全席指定で2100円均一。

命を大事にする自衛隊の「戦い」を描いた「いぶき」(264)

【ケイシーの映画冗報=2019年5月30日】筆者の周辺には、現役、OBもふくめて公務員が大勢おります。そのなかで一番深く長い付き合いのある自衛官の方と同行した会合で、談たまたま、「自衛隊はなんのためにあるのか?」という会話になりました。

現在、一般公開されている「空母いぶき」((C)かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/「空母いぶき」フィルムパートナーズ)。

かれは即座にこう応じました。
「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえること(を誓います)」

これは「服務の宣誓」の末尾で、自衛隊員は全員、この宣誓をして、職務につくのだそうです。

本作「空母いぶき」(2019年)は近未来の日本が舞台です。日本の最南端に近い初島が、過激な対外政策で知られる新興国家「東亜連邦」によって占領されてしまいます。

海上自衛隊は訓練中だった第5護衛隊群に初島へと向かわせます。潜水艦やイージス護衛艦などの艦隊の中心は、自衛隊初の航空機搭載護衛艦「いぶき」で、最新鋭のステルス戦闘機を飛ばすことのできる「いぶき」は、計画から完成するまで、議論されつづけたフネでした。

「いぶき」の艦長は航空自衛隊の戦闘機パイロットだった秋津(あきつ。演じるのは西島秀俊=にしじま・ひでとし)、副長は海上自衛隊の新波(にいなみ。演じるのは佐々木蔵之介=ささき・くらのすけ)で、2人は防衛大学校の同期でもありました。

現場海域へ向かう護衛艦隊は、潜水艦からのミサイル攻撃を受けます。たたみかけるように、初島への針路上に「東亜連邦」の大艦隊が出撃してきました。防御に徹していた自衛隊艦隊でしたが、1隻の護衛艦が被害を受け、炎に包まれます。

「いぶき」に乗っていたネットニュースの女性記者、本多(ほんだ。演じるのは本田翼=ほんだ・つばさ)によって公開された映像により、総理大臣の垂水(たるみ。演じるのは佐藤浩市=さとう・こういち)は、日本が他国との「戦争状態」にあることを発表する記者会見にのぞみます。

損害を受けながら、当初の目的地をめざす「いぶき」と艦隊には、さらなる脅威が迫ってくるのでした。

原作は重厚な作風でしられる、かわぐちかいじのコミック作品で、かわぐちには、日本で極秘に建造された原子力潜水艦によって世界秩序が再構築される「沈黙の艦隊」という作品もあり、日本の国会でもとりあげられる話題作でした。

じつは日本の映画界において、自衛隊という国家組織は、「どこか扱いが難しい」存在なのです。これまでも複数の作品で、原作や翻案では実在の国家や団体となっている「敵対勢力」が、映画化については架空化されています。

「日本映画で一番活躍している自衛隊は東宝自衛隊」という表現がありますし、過去には現役自衛官の「僕らが戦っていいのは怪獣だけですよ」というコメントも見たことがあります。

専門誌にも寄稿経験のある友人によると、
「過去の時代ならいざしらず、現代の国家の軍事組織は、その政府の指揮下にあるので、独断専行や命令無視はそのまま反乱、反逆となるので、どこの国でも重罪となる」そうです。

フィクションでは「血気にはやった威勢のいい指揮官が勝手にしでかしてしまう」という状況は少なくありません。エンターティンメントとして避けられない部分です。さらには、戦うということは敵味方に犠牲者が出ることに直結します。

英国の政治家、ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill、1874ー1965)によれば、「有能な軍人ほど、実戦に臆するようになる」のだそうです。そういえば、ある自衛官もこうおっしゃっていました。
「危険な職場ですから、覚悟はしていますが、つらいですよ。大切な部下の葬儀に出るのは」

本作の監督、若松節朗(わかまつ・せつろう)はこう述べています。「どうしたら戦闘を回避できるか、自衛隊員らはものすごいエネルギーを使っている。最終的に、命を大事にしてきた人たちの話なんだと思ってほしい」(2019年5月17日付「読売新聞」夕刊)

なお、先出の「服務の宣誓」については、本作でも触れられています。個人的なエピソードなのですが、夭逝(ようせつ)した自衛隊員の葬儀に関わったことがあります。

弔辞にて「勝手に死ぬな。それでは国民の付託にこたえていない」という一文が読まれたとき、制服姿の参列者を一抹の悲しみがおおったのです。「国民の付託にこたえる」ことが「自衛隊員の本分」であることを願います。次回は「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を予定しています(敬称略。【ケイシーの映画冗報】は映画通のケイシーさんが映画をテーマにして自由に書きます。時には最新作の紹介になることや、過去の作品に言及することもあります。当分の間、隔週木曜日に掲載します。また、画像の説明、編集注は著者と関係ありません)。