丸善日本橋で骨董品入札、400点出品

【銀座新聞ニュース=2019年6月30日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は7月3日から9日まで3階ギャラリーで「第17回日本橋骨董入札会」を開く。

丸善・日本橋店で7月3日から9日まで開かれる「第17回日本橋骨董入札会」に出品される4代三浦竹泉(みうら・ちくせん、1911-1976)の「万暦五彩菊花牡丹文花生」。

古美術の「小野静観堂(おのせいかんどう)」(岐阜県大垣市東外側街1-2、0584-78-4492)が主催する骨董品のオークションで、江戸期から現代までの古美術、茶道具、書画、工芸、近代絵画、現代美術など骨董品、美術品400点以上を出品し、5000円から入札できる。来場して希望の商品に金額を書いて、入札するもので、イベント終了後に落札者が決まる。

「小野静観堂」は1912年に関が原の合戦(1600年)で知られる岐阜県大垣市で創業し、古陶器、茶道具、煎茶道具、郷土ゆかりの掛軸など美術全般を扱っている。現在の店主の小野由孝(おの・よしたか)さんは4代目。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)。入場は無料。

丸善丸の内で草間弥生、元永定正ら現代美術家展

【銀座新聞ニュース=2019年6月29日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は7月3日から9日まで4階ギャラリーで「草間弥生&元永定正特集 現代美術巨匠・人気作家展」を開く。

丸善・丸の内本店で7月3日から9日まで開かれる「草間弥生&元永定正特集 現代美術巨匠・人気作家展」に出品される草間弥生さんの「帽子」(シルクスクリーン、1986年)。

今回は、「現代美術が新たな視点や思考を生み出すツールとなり、人種、国境を越えて世界の共通認識を創り出すもっとも重要な芸術」として発展しており、その代表として、国際的に評価の高い草間弥生(くさま・やよい)さんと前衛画家の元永定正(もとなが・さだまさ、1922-2011)を中心に、世界の巨匠や現代作家の作品約50点を展示する。

今回、出品するのは、アメリカの画家、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol、1928-1987)やキース・ヘリング(Keith Haring、1958-1990)、ドイツの現代美術家、ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys、1921-1986)、現代美術家、彫刻家の関根伸夫(せきね・のぶお、1942-2019)、画家、彫刻家の奈良美智(なら・よしとも、1959年生まれ)さん、現代美術家、ポップアーティストの村上隆(むらかみ・たかし、1962年生まれ)さんら。

ウイキペディアなどによると、草間弥生さんは1929年長野県松本市生まれ、1945年に大戦下に疎開してきた画家たちが立ち上げた「第1回全信州美術展覧会」に16歳で入選、松本高等女学校(現長野県松本蟻ヶ崎高校)を卒業、京都市立美術工芸学校(現京都市立銅駝美術工芸高校)の4年生最終課程に編入して日本画を学び、翌年卒業、絵画技法を身につけるも、旧弊な日本画壇に失望し、松本の実家で毎日数十枚以上を描いた。

1957年にアメリカにわたり、ニューヨークを中心に活動、ハプニングと称される過激なパフォーマンスを実施し、ベネチア・ビエンナーレにも参加し、1960年代には「前衛の女王」の異名をとり、平和・反戦運動にも携わった。1968年に自作自演の映画「草間の自己消滅」で第4回ベルギー国際短編映画祭に入賞、第2回アン・アーバー映画祭で銀賞、第2回メリーランド映画祭でも受賞した。

1973年に体調を崩し日本へ帰国、入院し、1978年に処女小説「マンハッタン自殺未遂常習犯」を発表、1983年に小説「クリストファー男娼窟」で第10回野性時代新人文学賞を受賞、1993年にベネチア・ビエンナーレに日本代表として参加、2000年に第50回芸術選奨文部大臣賞、2001年に朝日賞、2002年に紺綬褒章、2006年に旭日小綬章、ライフタイムアチーブメント賞、高松宮殿下記念世界文化賞、2009年に文化功労者、2013年に東京都新宿区に個人美術館を建て、2014年に安吾賞、2016年に文化勲章を受章している。

元永定正は1922(大正11)年三重県生まれ、1938(昭和13)年に三重県上野商業学校(現三重県立上野商業高校)を卒業、大阪に転居し、機械工具店に就職、当初はマンガ家を志し、当時からマンガ作品の投稿をはじめ、その後、国鉄に転職、同社の関西各営業所で勤務、1944(昭和19)年に地元の三重県上野町に帰郷し、同郷の洋画家、浜辺万吉(はまべ・まんきち、1902-1998)に師事し、1946年に浜辺万吉が局長を務めていた上野愛宕町郵便局に就職、それをきっかけに本格的な油彩画を開始、これに先立ち、1940年に大阪市の中之島洋画研究所(現専門学校中の島美術学院)で洋画を学んでいた。

帰郷時に地元で開催されていた各種文化活動にも参加、入選し、同時期に雑誌などにマンガの連載を持し、1950年に郵便局を辞し、転職した山東林業も1952年に退職、弟のいた兵庫県神戸市に転居した。神戸に移ってからも転職を繰り返す一方で、西宮美術教室に通学、西宮市の美術展に出品していたが、その後、芦屋市の芦屋市展に出品し、絵画分野のほかに、彫刻、写真などを出品した。

当時の芦屋市展(1953年、1955年にホルベイン賞、1955年に日本油絵具賞(彫刻)では多くの抽象画が出品されており、元永定正も抽象画家に転向し、8回展に出品した抽象画「宝がある」は同展主催の吉原治良(よしはら・じろう、1905-1972)に絶賛された。1955年に具体美術協会に入会した(1971年に脱会)。芦屋市展には渡米中の1967年、阪神淡路大震災による影響で中止となった1995年の2回を除き、2002年の第55回展まで連続出品を続けた。

関西を主軸に活動していたことから、前例のない絵本づくりを志し、活動初期は抽象画を用いた絵本に対し、抗議の手紙が多かったことも2011年のインタビューで述懐している。1957年に後に妻となる造形作家の中辻悦子(なかつじ・えつこ、1937年生まれ)さんと西宮美術教室で出会い、1958年より日本画のたらし込み技法にヒントを得、キャンバス上に絵の具を流した絵作りをはじめている。

1960年からアメリカ・ニューヨークの画廊やイタリアのトリノにある国際美学研究センターと契約を結び、1961年に東京の画廊で個展を開いたことをきっかけとして東京の作家および評論家と交流した。1964年第6回現代日本美術展で優秀賞(1966年も優秀賞)、1966年にジャパン・ソサエティの招聘により妻の中辻悦子さんを伴ってニューヨークに渡米し、その際に同じく招聘された谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう、1931年生まれ)さんと知り合う。1967年に帰国するまでにニューヨークで絵画技法に試行錯誤を重ね、新たな作風を確立した。

帰国後、1970年に大阪万国博覧会の具体美術祭りに参加するも、新規参加メンバーを多く加えた同協会に違和感を覚え、1971年10月に具体美術協会(1972年に解散)を脱退した。1970年より絵本の制作をはじめ、1973年に初の絵本(英文)「ポアン・ホワンけのくもたち」(アクリルとエアブラシを用いたユーモラスな画風)を刊行した。

1980年代以降は具体美術協会の再評価に伴い、国内外を問わず開催された関連展覧会に参加、絵本原画展も数多く開催し、2001年に中辻悦子さんと共作として、全長30メートルの巨大アスレチック遊具型阪神淡路大震災復興モニュメント「ゆめ・きずな」を制作した。2007年以降は中辻悦子さんの作品も展覧した「もーやん えっちゃん ええほんのえ」展を各地で巡回した。1991年と2009年に三重県立美術館で大規模な回顧展を開催、2011年10月3日に前立腺がんのため、兵庫県宝塚市の病院で死去した。享年88歳。

開場時間は9時から21時(最終日は16時)。入場は無料。

注:「草間弥生」の「弥」、「浜辺万吉」の「浜辺万」は正しくは旧漢字です。原則として名詞は常用漢字を使用しています。

ホットペッパー調べ5月外食1.5%増、2カ月連続、10連休効果

【銀座新聞ニュース=2019年6月28日】大手情報会社のリクルートグループの旅行、レジャー、飲食などの情報サービス会社、リクルートライフスタイル(千代田区丸の内1-9-2、03-6835-1000)の「食」に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は6月28日に5月の「外食市場調査」を発表した。

スリーハンドレッドバー(中央区銀座5-9-11、ファゼンダビル、03-3572-6300)は現在、「銀座スリーハンドレッドバー」の「NEXT店」(千代田区有楽町1-2-14、紫ビル、03-3593-8300)、「8丁目店」(中央区銀座8-3-12、須賀ビル、03-3571-8300)、「5丁目店」(中央区銀座5-9-11ファゼンダビル、03-3572-6300)の3店で、直営の東北牧場で育てたオーガニック野草、野菜、ハーブを使った、スミレのカクテル「スミレ・ダイキリ」、タンポポのトマトカクテル「ワイルド・メアリー」、笹の薫りのジントニック「バンブー・ジントニック」など10種類のカクテルを1杯300円(税別)で味わえる。

それによると、5月の首都圏・関西圏・東海圏(東名阪)の3圏域の外食市場規模は前年同月比1.5%増の3238億円と2カ月続けて前年を上回り、5月としては2017年、2018年の市場規模を上回ったが、2016年の市場規模を下回った。首都圏が70億円のプラス(3.6%増、5カ月ぶり増)で、関西圏が25億円のマイナス(3.0%減、3カ月ぶり減)、東海圏が3億円のプラス(0.8%増、3カ月ぶり増)と関西のみが前年を下回った。

外食単価は前年比30円マイナスの2444円と2カ月ぶりの減、外食頻度(外食回数)が4.21回で同0.12回増え、2カ月続けて上回り、外食実施率は同0.4ポイントアップの76.5%と3カ月ぶりに上回った。

ホットペッパーグルメ外食総研では、「GW10連休の影響で前年に比べて祝日が2日多く、有利に働いたことも考えられる」としている。ただし、本調査では居住圏域外の旅行先での飲食は各圏域の市場規模に集計されないため、実際の外食消費はさらに大きかった可能性もある、としている。

主要16業種(調査は25分類)を対象とした外食市場規模は、「居酒屋(焼鳥、串焼き、串揚げなどを含む)」が19億円増の740億円、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」が13億円増の339億円、「フレンチ、イタリアン料理店(ファミリーレストランを除く)」が14億円増の240億円などプラスが11業種だった、

これに対して、「和食料理店(すし、割烹、料亭、郷土料理専門店等)」が20億円減の447億円、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」が25億円減の93億円など5業種がマイナスだった。

外食単価は「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」が1097円高の7649円、「フレンチ、イタリアン料理店(ファミリーレストランを除く)」が218円高の4044円などプラスが8業種だった。

これに対して、「和食料理店(すし、割烹、料亭、郷土料理専門店等)」が34円安の3711円、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」が220円安の3624円、「アジアン料理店」が42円安の2660円など7業種が下がった(1業種は横ばい)。

調査は首都圏、関西圏、東海圏の各圏域中心部からの鉄道距離が、おおむね首都圏90分圏、関西圏80分圏、東海圏60分圏の市区町村に住む20歳から69歳までの男女約1万2000人を対象にインターネットによって実施した。

実施時期は事前調査が4月18日から5月7日まで47万5794件を対象に行い、回収数が3万3124件(回収率は7.0%)、本調査は5月31日から6月7日まで1万7090件を対象に実施し、有効回答数が9483件、回収率は55.9%だった。本調査での「外食」とは、夕方以降の時間帯で店で食事した場合を対象とし、1日2回までの外食を含んでいる。また、4月から調査対象に「イートイン」の選択肢を追加している。

「乃木坂46」秋元真夏、斎藤飛鳥、桜井玲香ら初日挨拶

【銀座新聞ニュース=2019年6月28日】阪急阪神東宝グループで、映画の制作配給、演劇の興行などの国内最大手、東宝(千代田区有楽町1-2-2、東宝日比谷ビル、03-3591-1221)内で映像ソフトなどの制作・販売を手掛ける東宝映像事業部(同)は7月5日からTOHOシネマズ日比谷(千代田区有楽町1-1-2、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068)で一般公開される「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」の初日に秋元真夏さん、斎藤飛鳥さん、桜井玲香さんらによる舞台あいさつを開く。

7月5日から一般公開される「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」((C)2019「DOCUMENTARY of 乃木坂46」製作委員会)。

5日15時35分の回上映終了後と19時の回上映前に、監督の岩下力(いわした・つとむ)さんをはじめ、秋元真夏(あきもと・まなつ)さん、斎藤飛鳥(さいとう・あすか)さん、桜井玲香(さくらい・れいか)さん、白石麻衣(しらいし・まい)さん、堀未央奈(ほり・みおな)さん、与田祐希(よだ・ゆうき)さんが舞台に登場してあいさつする。

ウイキペディアによると、「いつのまにか、ここにいるドキュメンタリー・オブ(Documentary of)乃木坂46」は2015年に「乃木坂46」の姿を追ったドキュメンタリー映画「悲しみの忘れ方ドキュメンタリー・オブ(Documentary of)乃木坂46」以来4年ぶりとなるドキュメンタリー映画で、結成から7年目の2018年9月から密着をはじめ、メンバーには同年12月4日に行われた若月佑美(わかづき・ゆみ)さんの卒業セレモニーの後に映画の制作が知らされた。

内容は初のシングルミリオンセールスや日本レコード大賞受賞を果たした2017年、史上初の明治神宮球場と秩父宮ラグビー場での2会場同時ライブや日本レコード大賞2連覇を成し遂げた2018年、メンバーの西野七瀬(いしの・ななせ)さんが卒業し、新たな時代を迎えた2019年と、近年のグループの歩みをメンバーたちの証言を元につなげ、少女たちが抱える心の葛藤や成長を親密な距離感で描き出している。

「乃木坂46」は秋元康(あきもと・やすし)さんのプロデュースにより2011年8月21日に誕生した女性アイドルグループで、オーディションの結果、3万8934人の中から36人が選ばれた。「乃木坂」はプロデュース会社のソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)が当時、所有していた港区赤坂の「SME乃木坂ビル」を由来とし、同ビルは「乃木坂46」結成メンバーの最終オーディション会場として使用された。

当初、ソニー側は「六番町」を提案したが、秋元康さんが「乃木坂」を提案、議論の末に「乃木坂」に決まった。「46」という数字は、「公式ライバル」と位置付ける「AKB48」より人数が少なくても負けないという意気込みを込めてプロデューサーの秋元康さんが命名した。

2006年からSMEグループのデフスターレコーズに所属していた「AKB48」が2008年にキングレコードへ移籍後にヒットしたことから、SMEの担当者が「逃した魚は大きかった」と語るなど、ソニーに大きな影響を与えた。これを背景として、2011年にSMEと秋元康さんの合同プロデュースによる新たな女性アイドルグループとして「乃木坂46」が結成された。

このため、結成時のメンバーにはモデル、日テレジェニック2011候補生、ミスマガジン2011、元ももいろクローバー、青春女子学園、スプラッシュ(SPLASH)など多くの芸能活動経験者が名を連ねた。

「乃木坂46」は「AKB48」グループと異なり、専用劇場を持たず、「AKB48」グループが例年選抜総選挙を実施しているのに対し、「16人のプリンシパル」という舞台公演における配役決定において投票を実施するなど、差別化を図っている。音楽面では、フレンチ・ポップスが採用され、最初のシングルから3枚目のシングルまで続いたが、4枚目シングルから路線が変更された。

2017年に17枚目のシングル「インフルエンサー」が初のミリオンセールスを達成し、第59回日本レコード大賞で大賞を受賞した。2018年の第60回日本レコード大賞でも20枚目のシングル「シンクロニシティ」が大賞を受賞し、女性グループとしては2011年、2012年の「AKB48」に続く史上2組目の大賞連覇を達成した。

岩下力さんは1983年生まれ、2005年に早稲田大学第一文学部演劇映像専修を卒業、テレビCM制作会社に入社、退社後、広告映像の制作に携わる傍ら、自主映像を制作している。2008年にディレクターとしてデビューしている。主なCM作品に、ポカリスエット、午後の紅茶、ニッサン(NISSAN)、グリコなどがある。

チケットはチケットぴあを通じて先行抽選を販売中で、30日23時59分締め切り。料金は全席指定で2100円均一。

注:「斎藤飛鳥」の「斎」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として常用漢字を使用しています。

実写のエイリアンが魅力的な新「MIB」(266)

【ケイシーの映画冗報=2019年6月27日】本作「メン・イン・ブラックインターナショナル」(Men in Black:International、2019年)で、幼き日、偶然エイリアンと遭遇した少女モリーは、地球にひそむエイリアンを追跡する謎の組織「メン・イン・ブラック(MIB)」の存在を知り、あこがれるようになります。FBI捜査官に合格しながら、MIBへの情熱を捨てられないモリーは、ついにニューヨークのMIB秘密基地にもぐり込みますが、アッサリと見破られてしまいました。

現在、一般公開中の「メン・イン・ブラック:インターナショナル」。制作費が1億1000万ドル(約110億円)で、興行収入は世界で1億8209万ドル(約182億900万円)。

対面したエージェントO(演じるのはエマ・トンプソン= Emma Thompson)に熱意を認められたモリーは、「エージェントM」(演じるのはテッサ・トンプソン=Tessa Thompson)として、仮採用となります。

Mのはじめての任務は、ロンドン支部への応援でした。現地で出迎えたのはエージェントH(演じるのはクリス・ヘムズワース=Chris Hemsworth)と支部長のエージェントハイT(演じるのはリーアム・ニーソン=Liam Neeson)で、ふたりはかつて地球の危機を救った伝説のコンビで、MはHと組んで、最初の任務に就きますが、守るべき宇宙からのVIPが殺されてしまいます。

「MIB内にスパイがいる」、MとHは世界各地に捜査の手を広げていきますが、一連の事件はHの過去に絡んだものだったのです。

「UFOや宇宙人に関わる人物には、全身黒ずくめの男が訪れ、詳細をきいたり、忠告・警告をおこなう」

このフォークロア(都市伝説)を原型に、スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)が製作総指揮についた「メン・イン・ブラック」(Men in Black)は1997年から2012年にかけて3作がつくられ、興収の合計が15億ドル(約1500億円)という、大ヒットとなりました。

刑事モノの定番中の定番である“バディ(相棒)・ムービー”は、主人公コンビのキャラクターの違いが作品の成否を決めると個人的には考えています。

1作目でコンビを結成したベテランの白人捜査官Kと、かれにスカウトされた若いパワフルな黒人捜査官Jは、寡黙と雄弁、思慮深さと瞬発力というおたがいの差異を魅力的に表現していました。

本作でも、情熱と努力でMIBエージェントとなったMは黒人女性で、ハンサムながら、どこか軽薄なHは白人男性となっており、マジメと愛嬌、知識と経験という、両者の対比は見ていても楽しいものがありました。

本作と同様におおくのエイリアンが登場するのが、1977年に第1作が公開され、本年の12月に本編の9作目が公開される「スター・ウォーズ」(Star Wars)です。

第1作を監督したジョージ・ルーカス(George Lucas)が創造した「スター・ウォーズ」の世界は「遠い昔、はるかかなたの銀河系」の物語で、現代の地球を舞台とした「MIB」と場面設定はことなりますが、「多種類のエイリアンが人間と同居している」という世界観は相通ずるものといえるでしょう。

スピルバーグ、ルーカスはともに、映画ファンの少年という位置からスタートし、1970年代からハリウッドで映画監督として活躍しており、決して王道ではなかったSF映画を「世界で大ヒットする映画」に変換していったという共通点があります。

「MIB」の世界観も、アイディアだけなら、インパクトはありますが、大きなヒットには結びつかなかったのではないでしょうか?エイリアン事件の目撃者の記憶を消してしまうという「ニューラライザー」や各種のビームガンといったMIB装備品も楽しいですが、ここはやはり「エイリアン」のキャラクターが魅力的であることが重要でしょう。

もちろん、現在では一般化したコンピュータ・グラフィックスによるキャラクターも多いのですが、一方で実写のキャラクターも少なくありません。本作でも、エイリアンが変身した双子の暗殺者が登場し、見事なダンスと身体能力を披露しますが、実際に双子の天才ダンサーであるレ・トゥインズ(Les Twins)が演じています。

現在の技術ならひとりをふたりに、時には無数にすることも可能ですが、双子に実演させるほうが、やはり映像的インパクトでは効果的なのは確かです。

なお、ほとんどのフォークロアは無害なものですが、マスメディアや権力とむすびつくと恐ろしい結果を生み出した事例は歴史に散見しています。民族学の大家であった折口信夫(おりくち・しのぶ、1887-1953)は、「フォークロアはナチズムにつながる」という一文を残しています。

フォークロアは、本作のような明るく楽しいエンターティンメントの源泉ぐらいであってほしいです。次回は「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」を予定しています(敬称略。【ケイシーの映画冗報】は映画通のケイシーさんが映画をテーマにして自由に書きます。時には最新作の紹介になることや、過去の作品に言及することもあります。当分の間、隔週木曜日に掲載します。また、画像の説明、編集注は著者と関係ありません)。