キヤノン銀座で持田昭俊「消え行くカシオペア」展、トークも

【銀座新聞ニュース=2016年3月22日】大手映像機器・事務機器などのメーカー、キヤノン(大田区下丸子3-30-2、03-3542-1860)グループのキヤノンマーケティングジャパン(港区港南2-16-6)は3月24日から30日までキヤノンギャラリー銀座(中央区銀座3-9-7、トレランス銀座ビルディング、03-3542-1860)で持田昭俊さんによる写真展「星空列車-輝きの瞬間」を開く。

3月24日から30日までキヤノンギャラリー銀座で開かれる持田昭俊さんの写真展「星空列車-輝きの瞬間」のフライヤー。

3月24日から30日までキヤノンギャラリー銀座で開かれる持田昭俊さんの写真展「星空列車-輝きの瞬間」のフライヤー。

鉄道写真家の持田昭俊(もちだ・あきとし)さんが「満天の星空の下、北を目指す寝台特急カシオペア。月明かりやテールライトに照らされ輝くレールとまばゆい星空、その光跡は北への憧れを誘」(キヤノンマーケティングジャパン)う作品を展示する。

寝台特急カシオペアは3月26日の北海道新幹線開業により、歴史に幕を閉じることになっている。カシオペアをはじめとする寝台特急の栄光の日々に思いをはせ、38年撮影を続けた持田昭俊さんが寝台特急の輝きの瞬間をよみがえらせる。

ウイキペディアなどによると、寝台特急カシオペアはJR東日本が全客室を2人用A寝台個室とするなど、新規に製造した「E26系客車」を投入し、1999年7月16日から運行開始し、上野と札幌間を週3回程度往復していた臨時列車だ。他の寝台特急列車よりも高額な本列車専用の寝台料金がかかるにもかかわらず、人気が高く、毎日運行ではなく、臨時列車扱いになっている。

定員は174人、寝台車10両、食堂車1両、ラウンジ車1両、客室はスイート、デラックス、ツインと分かれている。上野駅を起点・終点とする唯一の寝台特急で、2016年3月20日の札幌発を最後に、上野と札幌間の寝台特急としての運行を終了するため、日本の寝台特急で一般利用の列車では最後の機関車牽引の列車となった。2017年春から「トランスイート(TRAIN SUITE)四季島(しきしまは日本の古い国名)」がクルーズトレインとしての役割を引き継ぐ。

2016年3月26日の北海道新幹線(東京と新函館北斗間で最速4時間2分、1日10往復)開業により青函トンネル(53.85キロ)を含む約82キロが新幹線と在来線の共用走行区間となり、架線電圧が在来線用の2万ボルトから新幹線用の2万5000ボルトへと変更されるため、従来の電気機関車は使えなくなり、走行できるのが新型JR貨物「EH800形」電気機関車しかなく、JR東日本は車両の老朽化や北海道新幹線の走行試験が始まることなどを理由に、2015年3月13日で「北斗星」の定期運行を終了し(同年8月22日で完全廃止)、カシオペアも3月20日に運行を終了することになった。

ただ、2016年6月以降、「カシオペア」の列車名のままで、北海道方面への団体ツアー列車として復活する。すでに「カシオペアクルーズ」として団体旅行ツアーでの販売もしており、JR東日本とびゅうトラベルサービスでの団体旅行ツアーとして2012年10月12日始発で日本海ルートを運行している。そこでJR東日本がツアー専用列車として再び北海道に乗り入れを行う方向でJR貨物などと協議し、JR貨物から「EH800形」電気機関車を借り受け、農産物の輸送需要が高まる秋などを避けて運行スケジュールを立てる予定となっている。

持田昭俊さんは1960年東京墨田区東向島生まれ、子どもの頃、東武鉄道との出逢いがきっかけで鉄道大好き少年となり、筑波大学付属聾学校高等部専攻科デザイン科を卒業、小学6年より鉄道写真を撮りはじめ、1987年にキヤノンサロンで初個展、鉄道写真家としてデビューし、鉄道のもつ躍動感を独特の作風により発表している。

現在、鉄道会社やカメラの広告写真、雑誌のグラビア撮影、写真コンクールの審査員として活動している。公益社団法人「日本写真家協会」会員、「日本鉄道写真作家協会」会員。

26日14時から持田昭俊さんによるギャラリートークを開く。持田昭俊さんが展示作品の解説や、撮影時のエピソードなどについて話す。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日は15時)まで。入場は無料。日曜日、祝日は休み。ギャラリートークも無料。