中央の百貨店10月、日本橋2店減、ほか3店増、外国客需要好調

【銀座新聞ニュース=2017年11月2日】中央区とその周辺の主要百貨店の10月売上高(速報値、店頭ベース)は日本橋三越と日本橋高島屋の日本橋の2店舗がマイナスだったが、銀座三越、松屋銀座店、大丸東京店の3店がプラスだった。

大丸東京店は依然として好調で、10月の売上高で1年2カ月もの間、プラスを持続している。

10月は土曜日が前年10月より1日少なく、「例年にない長雨と2度の台風が入店客数に影響した」(三越伊勢丹ホールディングス)り、「降雨日数増によるマイナス影響があった」(J・フロントリテイリング)ものの、「急激な気温の低下を受けてコートなどの冬物衣料が好調」(三越伊勢丹ホールディングス)、「高額品や免税売り上げが伸長したほか、コートなど防寒衣料にも動きが見られた」(高島屋)ことや「月中旬からの冷え込みにより、衣料品の売上高が店全体を牽引し」(松屋)た。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比3.7%減(9月速報値7.8%増、確定値1.8%減の108億円、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む)と店頭ベースでは7カ月ぶりに前年を下回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同13.1%増(同速報値19.0%増、確定値19.0%増の67億円、但し空港型免税店の売り上げを除く)と7カ月続けてプラスだった。

高額品や化粧品などのカテゴリーも引き続き売り上げを牽引し、コートを中心とした冬物衣料の動きも堅調で、訪日外国人観光客需要(免税売り上げ、インバウンド)は、9月からの好調トレンドが国慶節期間中と期間後を含めて継続し、基幹3店では、勢いのあった2015年10月の実績も上回ったとしている。また、高額品や化粧品等のカテゴリーも引き続き売上を牽引した。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同2.7%減(同速報値6.5%増、確定値6.3%増)と2カ月ぶり前年を下回った。17店舗ベースの商品別では、紳士雑貨、婦人服、子ども服ホビー、リビング用品、食料品 などが前年を下回った一方で、特選衣料雑貨、宝飾品などの高額品のほか、紳士服、婦人雑貨が前年比プラスとなった。また、訪日外国人観光客需要は前年比62.2%増だった。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同7.5%増(同速報値7.6%増、確定値7.8%増)と14カ月続けてプラスとなった。全体では、気温の低下に伴い、婦人、紳士ともにコートが活発に動いたほか、化粧品、ラグジュアリーブランド、宝飾品が好調に推移し、訪日外国人観光客需要(速報値)は、前年比104%増(客数66%増、客単価23%増)だった。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、9月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」などの家賃収入は同181.6%増だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同8.7%増(同速報値14.2%増、確定値14.2%増)と4カ月続けて前年を上回った。

銀座店は、婦人服においてジャケットやロングコートが好調に推移し、加えて、紳士服も前年を超えるなど衣料品の売上高が店全体を牽引した。また、訪日外国人観光客需要については引き続きラグジュアリーブランド、化粧品、時計が大幅に前年を上回るなど全体の売り上げ伸長に貢献した。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、柳屋ビル、03-3272-1666)によると、国内80社226店舗(総従業員7万1519人)の9月売上高(店舗調整後)は前年同月比4.4%増の4351億6200万円だった。

国内93店舗の訪日外国人観光客需要(インバウンド)の免税売上高は同86.4%増の約232億円で、10か月連続のプラス、単月としては過去最高を記録し、国内の百貨店に占めるシェアが5.3%としている。

このうち、一般物品売上高は同52.5%増の123億7000万円で、7カ月続けて前年を上回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同149.9%増の108億3000万円、購買客数が同53.4%増の約33万人と2013年2月から56カ月続けてプラスとなり、1人あたりの購買単価が同21.6%増の7万円で、5カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(12月から8月まで1位)、2位にはハイエンドブランド(12月2位、1月、2月4位、3月2位、4月4位、5月3位、6月2位、7月3位、8月2位)、3位に婦人服飾雑貨(12月3位、1月2位、2月、3月3位、4月2位、5月2位、6月3位、7月2位、8月3位)、4位の食品(12月4位、1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月3位、6月4位、7月、8月4位)、5位の婦人服(4月は6位以下、5月、6月、7月、8月5位)は前月と同じだった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(12月から8月まで1位)、2位に香港(12月から7月まで2位、8月3位)、3位に台湾(12月から7月まで3位、8月4位)がランクを上げ、4位に韓国(12月から7月まで4位、8月2位)が2位からふたつ落とした。

5位がタイ(12月6位、1月から8月まで5位)、6位がシンガポール(12月5位、1月から8月まで6位)、7位がマレーシア(12月から8月まで7位)だった。