ポーラ銀座でオルビス30年、日常の中の「美」、佐藤卓がディレクター

【銀座新聞ニュース=2017年11月16日】大手化粧品メーカーのポーラ・オルビスホールディングス(中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビル、03-3563-5517)傘下で、化粧品、栄養補助食品、ボディウェアの企画・開発、通信販売・店舗販売を主とするオルビス(品川区平塚2-1-14、03-3788-1711)は11月17日から12月24日までポーラミュージアムアネックス(ポーラ銀座ビル3階、03-3563-5501)で「ケの美」展を開く。

オルビスが11月17日から12月24日までポーラミュージアムアネックスで開かれる「ケの美」展のフライヤー。

1984年に設立され、1987年から事業をはじめたオルビスが創業30周年を記念して、グラフィックデザイナーの佐藤卓(さとう・たく)さんをディレクターに起用して、日本人の伝統的な日常観である「ハレ」と「ケ」の「ケ」に着目し、あたりまえの日常を意味する「ケ」の中にある「美」について、14人のデザイナーが「ケ」の中の美をテーマに制作した作品を展示する。

また、会場では、一般の人に朝食、場所、漢字の3テーマ別に、自分の「ケ」と考える写真を投稿してもらい、集まった写真を飾る。

今回、作品を出品するのは、石村由起子(いしむら・ゆきこ)さん、緒方慎一郎(おがた・しんいちろう)さん、小川糸(おがわ・いと)さん、隈研吾(くま・けんご)さん、小山薫堂(こやま・くんどう)さん、塩川(しおかわ)いづみ、柴田文江(しばた・ふみえ)さん。

千宗屋(せん・そうおく)さん、土井善晴(どい・よしはる)さん、原田郁子(はらだ・いくこ)さん、松場登美(まつば・とみ)さん、皆川明(みながわ・とみ)さん、柳家花緑(やなぎや・かろく)さん、横尾香央留(よこお・かおる)さん。

ウイキペディアによると、「ハレ」と「ケ」とは、柳田国男(やなぎだ・くにお、1875-1962)によって見い出された、時間論をともなう日本人の伝統的な世界観のひとつで、民俗学や文化人類学において「ハレとケ」という場合、「ハレ(晴れ)」は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、「ケ(褻)」は普段の生活である「日常」を表している。「ハレ」の場においては、衣食住や振る舞い、言葉づかいなどを「ケ」とは画然と区別した。

もともと「ハレ」とは、折り目・節目を指す概念で、語源の「晴れ」は「晴れの舞台」(=生涯に一度ほどの大事な場面)、「晴れ着」(=折り目・節目の儀礼で着用する衣服)などの言い回しで使用されている。これ対し、普段着を「ケ着」と言ったが明治以降から言葉として使用されなくなった。

また、現代では単に天気がよいことを「晴れ」というが、江戸時代では長雨が続いた後に天気が回復し、晴れ間がさしたような節目に当たる日についてのみ「晴れ」と記した記録がある。1603年にイエズス会が刊行した「日葡辞書」には、「ハレ」は「Fare」と表記され、「表立ったこと、または、人々がたくさん集まった所」と説明され、「ケ」は「Qe」と表記され、「普通の、または、日常の(もの)」と説明されている。

ハレの日には、餅、赤飯、白米、尾頭つきの魚、酒などが飲食されたが、これらはかつて日常的に飲食されたものではなかった。また、そのための器もハレの日用であり、日常的には用いられなかった。

「ハレとケ」という概念関係の捉え方は、柳田国男が近代化による民俗の変容を指摘する一つの論拠として、ハレとケの区別の曖昧化が進行していること(例えば、ハレの儀礼時にのみ行っていた特別な飲食が日常的に行われるなど)を提示したのが始まりとされている。

柳田国男は、何世代か前の人々の「ハレとケ」の区別の仕方と、自らの同時代の人々の「ハレとケ」の区別の仕方を比較し、そこから未来への潮流を読みとろうとした。当初「ハレとケ」という捉え方はそれほど注目を集めなかったが、和歌森太郎(わかもり・たろう、1915-1977)が着目してから後、広く学界内で知られるようになった。

オルビスは1984年6月にポーラ化粧品本舗(現ポーラ)の通販部門子会社として設立され、1986年に市場調査をはじめ、オイルカットスキンケア、ビタミン・ミネラル食品、機能性ボディウェアの3分野のテスト商品を完成し、通信販売のテストマーケティングを開始し、1987年5月に首都圏で事業を本格展開した。

1988年に全国展開へ拡大し、カタログ誌も創刊、1991年11月にカタログ情報誌「ラ(La)」を創刊、1999年に「オルビス・ザ・ネット」(ECサイト)をオープンし、2000年8月に「オルビス・ザ・ショップ1号店」をオープンし、2001年に韓国オルビスを設立、2005年に香港オルビス・ザ・ショップ1号店をオープンした。

2006年7月に台湾オルビスを設立し、2006年7月に株式会社ポーラ・オルビスホールディングスを設立した。2008年9月に北京オルビスを設立し、2009年4月にカタログ情報誌「ヒナミ(hinami)」を創刊、2010年2月に株式会社ポーラ・オルビスホールディングスとして東京証券取引所市場第1部に上場し、2013年7月にオルビスアジア太平洋地域統括本社を設立、2013年11月にシンガポールに「オルビス・ザ・ショップ1号店」をオープン、2017年4月にカタログ情報誌「シブロ(Sibro)」を創刊している。

開場時間は11時から20時。入場は無料。