立川銀座で有田美津子「繍墨画」展、大僧正の儀式衣図も

【銀座新聞ニュース=2017年11月27日】ブラインドの最大手メーカー、立川ブラインド工業(港区三田3-1-12、03-5484-6100)は11月29日から12月3日まで銀座ショールーム(中央区銀座8-8-15、03-3571-1373)地下1階「タチカワ銀座スペース Atte」で有田美津子さんによる「ニューヨーク帰国展 有田美津子の世界 日本刺繍・繍墨画」を開く。

立川ブラインドの銀座ショールームで11月29日から12月3日まで開かれる有田美津子さんの「ニューヨーク帰国展 有田美津子の世界 日本刺繍・繍墨画」に出品される「一輪のカーネーション」。

刺繍(ししゅう)工芸家で、日本刺繍と日本画を合わせた「繍墨画(しゅうぼくが)」を確立する有田美津子(ありた・みつこ)さんが2016年にアメリカ・ニューヨークで個展を開き、その帰国展という形でニューヨークで発表した作品や新作を展示する。

これまでに制作した着物、袱紗(ふくさ)、額、タペストリー、バッグ、2008年より完成に5年かけた衲衣七条(のうえしちじょう、仏教の大僧正が儀式のときに召す衣)「一天万華(いちてんまんげ)」(真言宗智山派岩槻大師弥勒寺所有)の繍墨画など約30点を展示する。

同じく出品される「一天万華」。

有田美津子さんは東京都生まれ、江戸時代より続く刺繍商の叔父、秋元柳一郎(あきもと・りゅういちろう)に日本刺繍の手ほどきを受け、その後、叔父の甥、平野利太郎(ひらの・としたろう、1904-1994)に師事し、日本画を丹阿弥岩吉(たんあみ・いわきち、1901-1992)に、デザインを荒井健(あらい・たけし)さんに師事し、ニードルワーク日本展、日中友好10周年記念北京展、アメリカ巡回展などに参加した。

19歳で叔父の亡き後を継ぎ、2003年に日本刺繍と日本画を合わせた「繍墨画」という画風を確立し、その後、特許も取得している。2004年にフジテレビ系ドラマ「西遊記」で刺繍制作を指導し、1999年より日本刺繍教室を開講し、現在、朝日カルチャーセンター(立川教室)と東武カルチュアスクール(池袋校)で日本刺繍教室の講師を務めている。タヒチ文部大臣賞、ミネルヴァ賞、マルセル・タイ賞、アジア創造美術展大賞などを受賞している。

開場時間は10時から18時(最終日は16時)。入場は無料。

注:「一天万華」の「万」と「衲衣七条」の「条」はいずれも正しくは旧漢字です。