ヴァニラ画廊でエロ画集展、沖渉二、木村了子、多賀新ら、伊藤晴雨も

【銀座新聞ニュース=2017年12月4日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は12月6日から28日まで「綺譚標本-画集『偏愛蒐集』出版記念」展を開く。

ヴァニラ画廊で12月6日から28日まで開かれる「綺譚(きたん)標本-画集『偏愛蒐集』出版記念」展のフライヤー。

12月13日にエロティック集「偏愛蒐集(へんあいしゅうしゅう)」(玄光社、3000円)が刊行されるのを記念して、国内外の作家による「多様化するエロティックアート」に焦点をあてた作品を展示する。絵画、版画、写真作品、コミックアートなど「多岐にわたる表現から、人間の肉体や性を通じて、私たちは真にいかなるものであるか、観るものの深層へと問いかけ」る展示会としている。「偏愛蒐集」の掲載されている30人のうち、25人の作品を展示する。それと、3人の作品を特別展示する。

出展している作家は墨絵師の東学(あずま・がく)さん、「伝説の緊縛絵師」と呼ばれるSM画家で、2017年に95歳を迎えた沖渉二(おき・しょうじ)さん、「男の子」を描いているカネオヤサチコ(かねおや・さちこ)さん、銅版画家の蒲地清爾(かまち・せいじ)さん、オーストラリア出身で、緊縛師で写真家のガース・ナイト(Garth Knight)さん。

写真家の北村ケイ(きたむら・けい)さん、男性を描く木村了子(きむら・りょうこ)さん、オカルト、ホラー、スプラッターを愛するイラストレーター、画家で、さし絵やゲームイラスト、CDジャケット、フライヤー、Tシャツデザインなどを手がけるゲンキ(GENk)さん、切り絵を制作し、時代小説を中心に装画、装丁を手がけている小宮山逢邦(こみやま・ほうぼう)さん、グロテスクで耽美系のイタリアの画家、サトゥルノ・ブット(Saturno Butto)さん。

マンガ家の沙村広明(さむら・ひろあき)さん、ポーランドの「闇から謎の吸血鬼ユニット」といわれる、ピョートル・ヴェグジンスキ(Piotr Wegrzynski)さんとシルヴィア・ライビグ(Sylvia Lajbig)さんの2人組「スカオフ(SUKA OFF)」、銅版画家の杉本一文(すぎもと・いちぶん)さん、銅版画作家の多賀新(たが・しん)さん、写真家の谷敦志(たに・あつし)さん。

マンガ家でゲイ・エロティック作家の田亀源五郎(たがめ・げんごろう)さん、成人向けマンガ家のダーティ・松本(だーてぃ・まつもと)さん、写真家の中島圭一郎(なかしま・けいいちろう)さん、マンガ家の畑中純(はたなか・じゅん、1950-2012)、ボーイズラブ(BL)のマンガ家、はらださん。

豊満な女性に虐げられる男性をモチーフにしたM性作品の鉛筆書き作家の春川ナミオ(はるかわ・なみお)さん、SM雑誌編集者だった美濃村晃(みのむら・こう、本名・須磨利之=すま・としゆき、別名・喜多玲子=きた・れいこ、1920-1992)、ブルガリアの作家、ミラ・ネディヤコバ(Mira Nedyalkova)さん、1960年代から1990年代にかけて活躍した画家、椋陽児(むく・ようじ、1928-2001)、ボーイズラブのマンガ家のルネッサンス吉田(るねっさんす・よしだ)さんの25人。

また、特別出展として、ドイツ・カトヴィッツ(現ポーランド領カトヴィツェ)生まれで、絵画、写真、人形、グラフィックなどで活躍したハンス・ベルメール(Hans Bellmer、1902-1975)、わいせつな蔵書票で知られるオーストリアのデカダン派の画家、フランツ・フォン・バイロス(Franz von Bayros、1866-1924)、昭和SM文化の開祖といわれる伊藤晴雨(いとう・せいう、1882-1961)の作品も出品される。

開場時間は12時から19時(土・日曜日17時)まで。入場料は500円。

注:「東学」の「学」は正しくは旧漢字です。原則として名詞は現代漢字(常用漢字)を使用しています。