中央の百貨店11月、高島屋以外は増、冬物衣料が堅調、外国客も

【銀座新聞ニュース=2017年12月2日】中央区とその周辺の主要百貨店の11月売上高(速報値、店頭ベース)は日本橋高島屋がマイナスだったが、ほかの日本橋三越、銀座三越、松屋銀座店、大丸東京店の4店がプラスだった。

11月の売上高で5カ月連続で前年実績を上回った松屋銀座店。

11月は土曜日が前年11月より1日少なかったものの、「比較的天候に恵まれ、この時期らしい気温推移だったこともあり、コートを中心とした防寒ニーズが堅調」(三越伊勢丹ホールディングス)なのに加えて、「免税売り上げの伸長と株高による資産効果の影響などにより、高額品をはじめ売り上げが好調に推移」(高島屋)したとしている。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比6.1%増(10月速報値3.7%減、確定値11.1%減の112億円、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む)と店頭ベースでは2カ月ぶりに前年を上回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同12.5%増(同速報値13.1%増、確定値13.1%増の73億円、但し空港型免税店の売り上げを除く)と8カ月続けてプラスだった。

10月に続いて、高額品が全体を牽引したことに加え、寒さを意識した気温対応アイテムへの関心が上昇し、コートが月を通して好調で、10月に苦戦した自社カードの顧客の売り上げも回復傾向がみられたという。また、訪日外国人観光客需要(免税売り上げ、インバウンド)も全店ベースで引き続き好調で、売り上げ規模は、勢いのあった2015年の実績を上回ったとしている。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同1.6%減(同速報値2.7%減、確定値3.1%減)と2カ月続けて前年を下回った。17店舗ベースの商品別では、リビングなどが前年を下回ったが、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子供服ホビー、食料品などが前年比プラスだった。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同8.9%増(同速報値7.5%増、確定値7.7%増)と15カ月続けてプラスとなった。全体では、婦人、紳士服ともにコートを中心に好調に推移し、化粧品、ラグジュアリーブランド、美術宝飾品も売り上げを伸ばすなど、すべてのカテゴリーで前年実績を上回ったとしている。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、10月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」などの家賃収入は同184.4%増だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同12.3%増(同速報値8.7%増、確定値8.7%増)と5カ月続けて前年を上回った。

銀座店は、婦人服においてコート、ジャケットなど防寒衣料に加え、ストール、ファーなどの防寒雑貨が好調に推移した。また、紳士服も防寒衣料を軸に好調を維持し、歳暮ギフトの売り上げも堅調だった。訪日外国人観光客需要も、化粧品やラグジュアリーブランドが好調なうえ、時計が前年の倍になるなど、海外客の売り上げも引き続き堅調だったとしている。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内80社226店舗(総従業員7万1273人)の10月売上高(店舗調整後)は前年同月比1.8%減少の4693億7276万円で、3カ月ぶりのマイナスだった。

国内93店舗の訪日外国人観光客需要(インバウンド)の10月の免税売上高は同87.3%増の約280億9000万円で、11カ月連続のプラス、単月としては過去最高を記録し、国内の百貨店に占めるシェアが6.0%としている。

このうち、一般物品売上高は同64.0%増の約166億円で、8カ月続けて前年を上回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同135.4%増の114億9000万円、購買客数が同56.4%増の約38万人と2013年2月から57カ月続けてプラスとなり、1人あたりの購買単価が同19.7%増の7万4000円で、6カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(12月から9月まで1位)、2位にはハイエンドブランド(12月2位、1月、2月4位、3月2位、4月4位、5月3位、6月2位、7月3位、8月と9月2位)、3位に婦人服飾雑貨(12月3位、1月2位、2月、3月3位、4月2位、5月2位、6月3位、7月2位、8月と9月3位)、4位の食品(12月4位、1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月3位、6月4位、7月から9月4位)、5位の婦人服(4月は6位以下、5月から9月5位)と5位まで前月と同じだった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(12月から9月まで1位)、2位に韓国(12月から7月まで4位、8月2位、9月4位)が上がり、3位に台湾(12月から7月まで3位、8月4位、9月3位)、4位に香港(12月から7月まで2位、8月3位、9月2位)が落ちた。

5位がタイ(12月6位、1月から9月まで5位)、6位がシンガポール(12月5位、1月から9月まで6位)、7位がマレーシア(12月から9月まで7位)だった。