国際フォーラム20周年記念で、6mの巨大イルカが60mの空間を遊泳

【銀座新聞ニュース=2017年12月15日】国際国際コンベンションセンターの東京国際フォーラム(千代田区丸の内3-5-1、03-5221-9000)は12月19日から26日までガラス棟地下1階ロビーギャラリーで「光のアクアリウム」を開く。

東京国際フォーラムで12月19日から26日まで開かれる「光のアクアリウム」のイメージ。6mの巨大なイルカが60mの空間を遊泳する。

1997年1月10日に開館した東京国際フォーラムが20周年になるのを記念して、専門家による「ロボティクス技術」を利用して、生物学的、工学的なアプローチにより、実際の泳ぎをリアルに再現したのが「光のアクアリウム」で、バルーンを疑似的な生命体に見せる技術を応用して、6メートル大のイルカの姿をつくり、映像と光、音響により幻想的な海に演出された60メートルの大空間を浮遊する。日本では初の演出としている。

世界大百科事典によると、ロボティクス(robotics)とは従来は、ロボットの設計、製作、制御に重点がおかれ、工場などで利用されている産業用ロボットとしての「ロボット工学」を指すことが多かったが、近年は産業面以外の応用の議論が盛んになり、ロボットに関連したさまざまな科学研究を総じて「ロボティクス(ロボット工学)」と呼び、主に大学や研究所などで「自律ロボット」を研究対象にしている。

ウイキペディアによると、語源としてはアメリカの作家、アイザック・アシモフ(Isaac Asimov、1920ー1992)が自著の一連のロボットが登場するSF小説のために、ロボット(robot)に物理学(physics)などに使われている語尾「-ics」を付けることで作った造語で、アシモフの小説内に出てくる「ロボット工学3原則」は、以降のロボット物SFに大きな影響を与え、現実のロボット工学においても研究上の倫理的指標のひとつとなっている。

「ロボット工学3原則」とは1950年に刊行されたアイザック・アシモフのSF小説短編集「われはロボット(I,Robot)」の中にある「2058年の『ロボット工学ハンドブック』第56版」にあるもので、第1条「ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない」、第2条「ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第1条に反する場合は、この限りでない」、第3条「ロボットは、前掲第1条および第2条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない」としている。

ただし、ロボット3原則が適用されるのは自律型ロボットに限られており、ロボットアニメに登場する搭乗型ロボットなど自意識や判断能力を持たない乗り物や道具としてのロボットに適用されない。現実世界でも、無人攻撃機などの軍用ロボットは人間の操作によって人間を殺害している道具であるが、自意識や判断能力を持たないため3原則は適用されない。

12月8日から26日まで東京国際フォーラム開館20周年記念としてロビーギャラリーで、マンガ家の松本零士(まつもと・れいじ)さんが描いた未来の東京の姿を元絵にしたフォトモザイクなどを展示している特別写真展「新たな船出」を開いている。

東京国際フォーラムは旧東京都庁舎跡地の再開発として1992年10月に着工され、1996年5月に竣工し、1997年1月10日に開館された国際コンベンションセンターだ。中心となる設計は国際コンペの結果、ウルグアイ・モンテビデオ生まれ、アメリカ・ニューヨーク在住の建築家、ラファエル・ヴィニオリ・ベセイロ(Rafael Vinoly Beceiro)さんに決まり(ラファエル・ヴィニオリ建築士事務所)、株式会社椎名政夫(しいな・まさお)建築設計事務所、株式会社現代建築研究所との共同設計の形をとり、ガラスの吹き抜けホール(ガラス棟)は「船」を題材にし、その巨大な外観と共に、構造を露出した内部が象徴となっている。

土地は2万7000平方メートル、建物が地上11階、地下3階で、延べ床面積が14万5000平方メートル。総工費は用地費を除いて1647億円。7つのホール、展示ホール、33の会議室、店、レストラン、相田みつを美術館、太田道灌(おおた・どうかん、1432-1486)の像などを備えている。運営は株式会社東京国際フォーラムで、株主は東京都、JR東日本、三菱地所、サントリー、電通、東京電力、NTT東日本、東京ガスの8社。

新たな船出の開場時間は10時から20時。