中央の百貨店12月、高島屋以外は増、冬物高額品が堅調、外国客需要も

【銀座新聞ニュース=2018年1月5日】中央区とその周辺の主要百貨店の2017年12月売上高(速報値、店頭ベース)は日本橋高島屋がマイナスだったが、ほかの日本橋三越、銀座三越、松屋銀座店、大丸東京店の4店がプラスだった。

店頭ベースでは2カ月続けてプラスとなる日本橋三越。全店舗の確定ベースになるとマイナスとなる苦戦が続いている。

日本橋高島屋を除く日本橋三越、銀座三越、松屋銀座店、大丸東京店の4店がプラスになるのは2カ月連続となる。

12月は気温が平年より低く推移したことにより、「婦人、紳士ともコートが活発に動き、クリスマス商戦ではアクセサリーや洋品雑貨も好調」(J.フロントリテーリング)だったという。各社ともクリスマス商戦により高額品が好調だった。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比4.9%増(11月速報値6.1%増、確定値1.7%減の165億円、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む)と店頭ベースでは2カ月続けて前年を上回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同6.1%増(同速報値12.5%増、確定値12.5%増の77億円、但し空港型免税店の売り上げを除く)と9カ月続けてプラスだった。

クリスマス前後の曜日合わせの影響もあり、客数が伸びなかった店舗があったものの、引き続きコートを中心とした防寒ニーズが堅調で、訪日外国人観光客需要(免税売り上げ、インバウンド)は引き続き好調だったが、基幹3店で売り上げが回復基調に入ったのが2016年12月だったこともあり、11月までと比較すると、売り上げの伸び率自体は鈍化したとしている。

基幹店では、中間層顧客まで含めて、コートやストールといった防寒対応アイテムへの関心が高く、クリスマスニーズも直近化傾向が強く、月後半からの伸びが顕著となり、全体的には高額品が売り上げを下支えした。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同3.7%減(同速報値1.6%減、確定値1.5%減)と3カ月続けて前年を下回った。17店舗ベースの商品別では、訪日外国人観光客需要や株高に伴う資産効果の影響などによる高額品の伸長に加え、コートや手袋、マフラーなどの防寒アイテムが好調に推移しとしている。紳士服、紳士雑貨、婦人服、子供服ホビー、リビングなどが前年を下回ったが、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、食料品などが前年比プラスだった。外国人観光客需要は前年に比べて26.0%増だった。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同5.7%増(同速報値8.9%増、確定値8.9%増)と16カ月続けてプラスとなった。全体では、クリスマス商戦がアクセサリーや洋品雑貨が好調だったほか、月を通じて化粧品、宝飾品、ラグジュアリーブランドも好調を持続したとしている。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、11月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」などの家賃収入は同207.8%増だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同3.1%増(同速報値12.3%増、確定値12.3%増)と6カ月続けて前年を上回った。

銀座店は、ストール、ファー、手袋などの防寒雑貨が好調で、コートやジャケットなどの防寒を軸とした衣料品も婦人、紳士ともに堅調に推移した。また、外国人観光客需要も化粧品や腕時計が大幅に売り上げを伸ばした。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内80社226店舗(総従業員7万1546人)の11月売上高(店舗調整後)は前年同月比2.2%増の5396億3636万円で、2カ月ぶりにプラスとなった。11月の気候は東・西日本では平均気温が低かったが、日照時間が多く、全国の百貨店の営業日数が0.1日減の29.9日、127店舗の回答によると、入店客は56店が増え、30店が減ったとしている。

東京地区(13社25店)の11月の売上高は同3.8%増の1495億2933万円と2カ月ぶりのプラスだった。

国内93店舗の訪日外国人観光客需要の11月の免税売上高は同74.5%増の約253億2000万円で、12カ月連続のプラス、単月としては過去最高を記録し、国内の百貨店に占めるシェアが4.7%としている。

このうち、一般物品売上高は同48.5%増の約143億2000万円で、9カ月続けて前年を上回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同126.2%増の110億円、購買客数が同55.1%増の約35.3万人と2013年2月から58カ月続けてプラスとなり、1人あたりの購買単価が同12.6%増の7万2000円で、7カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(12月から10月まで1位)、2位にはハイエンドブランド(12月2位、1月、2月4位、3月2位、4月4位、5月3位、6月2位、7月3位、8月から10月2位)、3位に婦人服飾雑貨(12月3位、1月2位、2月、3月3位、4月2位、5月2位、6月3位、7月2位、8月から10月3位)、4位の食品(12月4位、1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月3位、6月4位、7月から10月4位)、5位の婦人服(4月は6位以下、5月から10月5位)と5位まで前月と同じだった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(12月から10月まで1位)、2位に香港(12月から7月まで2位、8月3位、9月2位、10月4位)が10月の4位から上昇し、3位に韓国(12月から7月まで4位、8月2位、9月4位、10月3位)が下がり、4位に台湾(12月から7月まで3位、8月4位、9月3位、10月3位)が落ちた。

その一方で5位タイ(12月6位、1月から10月まで5位)、6位シンガポール(12月5位、1月から10月まで6位)、7位マレーシア(12月から10月まで7位)は前月と同じだった。