大丸松坂屋画廊で永田哲也「和菓紙」木型展、和紙に再現

【銀座新聞ニュース=2018年1月11日】大手流通グループのJ.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は1月11日から17日まで永田哲也さんによる個展「群の記憶」を開く。

大丸松坂屋百貨店のアートギャラリー「アールグロリューギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)」で1月17日まで開かれる永田哲也さんの「群の記憶」に展示される「鶴亀の祝宴」。和菓子の木型を使って和紙に再現する。

「アールグロリューギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)」は「銀座シックス(GINZA SIX)」の中核企業の大丸松坂屋百貨店が直営する画廊で、今回は祝菓子としての和菓子の木型を収集し、日本の伝統的な手漉き和紙「西の内紙(にしのうちがみ)」を使ってつくる、「和菓紙」作家の永田哲也(ながた・てつや)さんが「和菓紙三昧」と題して、独自の「和菓紙」作品を展示する。

永田哲也さんは長年にわたり「記憶」という個人の心象風景や社会の辿った歴史など、それ自体としては目に見えないものを見えるものとして紙を媒体にして写し取る作品「キオクガミ(KIOKUGAMI)」を制作している。江戸時代中後期から昭和時代まで日本各地で使われていた和菓子の木型を収集し作品に使用し、各地の地域性や風習を反映した木型で作られた数々の「和菓紙」が新しいアートとして生まれかわっている。

永田哲也さんが収集している菓子の木型。

永田哲也さんは1959年大阪府生まれ、東京芸術大学大学院美術研究科修士課程を修了、1988年に第8回現代美術今立紙展で佳作賞、1990年にエンバ賞美術展で新人賞などを受賞している。主なテーマは「時間」と「空間」で、ものごとの現実的な表皮を和紙により採集し、そこに内包された記憶・イメージを視覚的、触覚的に表現することをコンセプトとして、三次元の立体もしくはエンボス作品を制作している。

最近は「日本の記憶」をテーマに、「和菓紙三昧」シリーズを手掛け、美術館やギャラリーでの作品発表をはじめ、日常に親しむアートを提案するため、インテリアやギフト、ファッションなどへの展開も試みている。

開場時間は10時30分から20時30分(最終日は18時)まで。入場は無料。