岡山県が新橋館で備前焼「ぐい呑み」で雄町米の地酒

【銀座新聞ニュース=2018年1月22日】岡山県(岡山県岡山市北区内山下2-4-6、086-224-2111)は1月25日、26日の2日間、「とっとり・おかやま新橋館」(港区新橋1-11-7、新橋エンタープレイス、03-3571-0092)2階催事スペースで「備前焼で愉しむ雄町米の地酒BAR」を開く。

岡山県が1月25日、26日の2日間、「とっとり・おかやま新橋館」で開く「備前焼で愉しむ雄町米の地酒バー(BAR)」のフライヤー。

今回は、岡山県の幻の酒米「雄町(おまち)」を使った地酒を、岡山県の伝統工芸品「備前焼」のぐい呑みと瀬戸内のつまみで味わえるイベントで、1868(慶応4)年創業の「利守酒造(としもり・しゅぞう)」(岡山県赤磐市西軽部762-1、086-957-3117)、1915(大正4)年創業の「宮下酒造」(岡山市中区西川原184、086-272-5594)、1688(元禄元)年創業の「室町酒造」(岡山県赤磐市西中1342-1、086-955-0029)の3蔵元が参加する。

「利守酒造」は「赤磐雄町 荒走り(季節限定)」、「宮下酒造」が「極聖 純米吟醸 高島雄町」、「室町酒造」が「純米吟醸 佐近」を提供する。支払いはチケット制(1000円)で、ぐい呑み1杯(60ミリリットル)200円、おつまみ1皿200円。チケットを購入した先着500人に備前焼のぐい呑みをプレゼントする。

つまみは鰆(さわら)、ままかり、かき(牡蠣)、湯葉(ゆば)、岡山県産の肉のみを使用したソーセージを用意している。

ウイキペディアによると、備前焼は岡山県備前市周辺を産地とする陶器で、日本の瀬戸焼(愛知県瀬戸市)、常滑焼(愛知県常滑市)、越前焼(福井県丹生郡越前町)、信楽焼(滋賀県甲賀市)、丹波立杭焼(兵庫県篠山市今田町立杭)と並んで「六古窯(ろっこよう)」のひとつに数えられている。備前市伊部地区で盛んであることから「伊部焼(いんべやき)」という呼び方もある。

平安時代に作られた須恵器(すえき、古墳時代から平安時代まで生産された陶質土器のこと)から発展し、鎌倉時代初期には還元焔焼成(かんげんえんしょうせい、炭素が多く酸素の欠乏した不完全燃焼の火焔で焼成すること)による焼き締め陶が焼かれる。

当日、提供される酒米「雄町」を使った地酒と備前焼「ぐい呑み」。

鎌倉時代後期には酸化焔焼成(さんかえんしょうせい、窯内に多く酸素を供給し、完全燃焼の火焔で焼成すること)による現在の茶褐色の陶器が焼かれる。当時は水瓶やすり鉢など実用本位のものが多く、「落としても壊れない」といわれ、当時の作品は「古備前」と呼ばれて珍重されている。

室町時代から桃山時代にかけて茶道の発展とともに茶陶として人気が高まるが、江戸時代には茶道の衰退とともに、安価で大量生産が可能な磁器も出てきて衰え、備前焼は再び水瓶やすり鉢、酒徳利など実用品の生産に戻っている。

明治、大正期に入ってもその傾向は変わらなかったが、昭和に入り、1956年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された金重陶陽(かねしげ・とうよう、1896-1967)が桃山陶への回帰をはかり、芸術性を高めて人気を復興させ、金重陶陽の弟子の中からも人間国宝を輩出し、備前焼の人気は不動のものとなった。

備前焼はゆう薬を使わず「酸化焔焼成」によって堅く締められた赤みの強い味わいや、「窯変」によって生み出されるため、同じ模様にはならないのが特徴とされている。現在は茶器、酒器、皿などが主に生産されている。

「雄町米」は1859(安政6)年に備前国上道郡高島村雄町(現岡山市中区雄町)の岸本甚造(きしもと・じんぞう)が伯耆大山参拝の帰路にて珍しい品種の米を発見し、二穂を譲り受け、雄町に持ち帰って栽培し、1866(慶応2)年にこの新種に「二本草」と名付けた。

その後、雄町に良い酒米があるとのうわさが広まり、分けて欲しいという希望者が殺到し、岡山県南部をはじめ一帯で栽培されるようになり、米の名前もいつしか雄町の名をとり「雄町米」と呼ばれるようになった。

しかし、大粒で心白が大きく軟質で、昭和初期には品評会で上位入賞するには雄町米で醸した吟醸酒でなければ不可能とまで言われたが、丈が1.8メートルと他品種に比べて高いため台風に弱く、病虫害にも弱かったため、栽培に手間がかかり、次第に生産量が減少し、雄町を改良した品種である山田錦に取って代わられた。

このため、昭和40年代には栽培面積がわずか6ヘクタールに落ち込むなど絶滅の危機に陥ったが、岡山県の酒造メーカーを中心にしたグループが栽培を復活させ、雄町を使用した清酒が再び生産されるようになり、これらの清酒が評価を受け、作付面積も増加傾向にある。

現在においても、岡山県南部(備前地方)で栽培されており、総称して「雄町」と呼ばれ、最高品質とされるのは旧軽部村(現赤磐市の一部)産のもので、軽部産を含めた備前雄町は地元酒造メーカーとの契約栽培が多く、他県の酒造メーカーには供給されない。また、瀬戸内海を隔てた香川県でも栽培され、こちらは「讃州雄町」、隣の広島県で栽培されるものは「広島雄町」と呼ばれる。

時間は17時から20時30分。