東宝17年映画、4年ぶりの600億円台に減、前年の反動

【銀座新聞ニュース=2018年1月18日】阪急阪神東宝グループで、映画の制作配給、演劇の興行などの大手、東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)は1月17日、2017年の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年比27.4%減の620億2311万円と、2013年以来4年ぶりに前年を下回ったと発表した。

現在、公開中の「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活」((C)LEVEL-5/映画「妖怪ウォッチ」プロジェクト 2017(C)水木プロ・東映アニメーション)。

過去の映画営業部門興行成績をみると、2013年が同9.2%減の673億2289万円、2014年が同8.4%増の729億6541万円、2015年が同0.3%増の731億5117万円、2016年が同16.8%増の854億2671万円と3年連続で700億円を超え、とくに2016年に「君の名は。」が大ヒットもあって歴代1位の800億円超をあげた。しかし、2017年は配給作品数が少ないこともあって、2013年以来の600億円台にとどまった。

12月を見ると、映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年比45.7%減の39億7351万円で、5カ月続けて前年同月を下回った。12月は例年、3月や8月と並んで観客動員数がもっとも多い需要期で、過去をみると、2012年に42億円だったが、2013年に99億円、2014年に102億円、2015年に67億円、2016年に72億円と2013年から60億円を超えて推移してきた。しかし、2017年12月はアニメ「君の名は。」の反動減や配給した作品数が少ないこともあって、2012年以来の40億円前後にとどまった。

新作は12月9日に公開された「デスティニ(DESTINY)鎌倉ものがたり」、16日公開の「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活」、23日公開の「未成年だけどコドモじゃない」の3作品だった。

一方、トーホー(TOHO)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館(678スクリーン)の12月の入場料収入(売店収入は除く)は同10.3%減の55億9296万円だった。2013年6月発表からトーホーシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員を公表するのを止めている。

12月の配給作品数は11月よりも1点少ない6作品だった。

興行通信社の映画興行ランキングによると、12月2日、3日の週は「火花」が2週目5位、「ラストレシピ‐麒麟の舌の記憶」が5週目9位と前の週と同じく10位以内は2作品だった。

9日、10日の週は「デスティニ(DESTINY)鎌倉ものがたり」が初週2位、「火花」が3週目9位と前の週と同じく2作品だった。

16日、17日の週は「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活」が初週2位、「デスティニ 鎌倉ものがたり」が2週目4位と前の週と同じく2作品だった。

23日、24日の週は「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活」が2週目2位、「デスティニ 鎌倉ものがたり」が3週目4位、「未成年だけどコドモじゃない」が初週5位と前の週より1点増えて3作品だった。

30日、31日の週は「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活」が3週目2位、「デスティニ 鎌倉ものがたり」が4週目4位、「未成年だけどコドモじゃない」が2週目7位と前の週と同じく3作品だった。

配給作品は「ラストレシピ‐麒麟の舌の記憶」、「火花」、「ミックス。」、「デスティニ 鎌倉ものがたり」、「未成年だけどコドモじゃない」、「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活」の6作品。