シャネルでF・ホーヴァット「女性」展

【銀座新聞ニュース=2018年1月24日】フランスの総合ファッション企業「シャネル」の日本法人、シャネル株式会社(中央区銀座3-5-3、シャネル銀座ビルディング)は1月17日から2月18日まで4階シャネル・ネクサス・ホールでフランク・ホーヴァットさんによる写真展「Un moment d’une femme」を開いている。

2月18日までシャネル・ネクサス・ホールで開かれているフランク・ホーヴァットさんの写真展「アン・モマン・デュニュ・ファム(Un moment d’une femme)」に展示されている作品「クワ・デュ・ルーブル・カップル(Quai du Louvre,couple)」(1955年、フランス・パリ、(C)Frank Horvat)。ルーブル美術館の側の岸壁でキスしている二人を真上から撮影するという珍しいアングルだ。

イタリア出身の写真家、フランク・ホーヴァット(Frank Horvat)さんは1940年代にフォトジャーナリズムに触発された写真家として活動をはじめ、そのアプローチは人間主義的な視点を踏襲するもので、パキスタンやインド、英国と世界中を渡り歩きながら「パリ・マッチ」や「ピクチャー・ポスト」などの雑誌に寄稿し、1955年にはニューヨーク近代美術館で開かれた展覧会「ザ・ファミリー・オブ・マン(人間家族)」に選ばれている。

1950年代からファッション写真の表現に新風を吹き込み、1954年にフランス・パリに拠点を置き、ファッションの都と、ファッションをまとう女性たちに魅了され、モデルたちの突発的な、もしくは一風変わった配置や、たまたま居合わせた人物を被写体として取り込むなど、ルポルタージュ的な感覚を取り入れた斬新な表現を探求した。

また、女性を撮ることに虜(とりこ)となったその作品の主題は、衣服だけでなく、無防備でさりげない色気のある女性像へと向かい、世界でもっとも影響力のあるファッション写真家の1人となった。日本で本格的な初個展となる本展では「女性」を切り口に、代表作やジャーナリスティックな初期作、私的なプロジェクト作品などを展示している。

ファッション写真家の仕事は2015年発行の写真集「フランク・ホーヴァット(Frank Horvat):プリーズ・ドント・スマイル(Please don’t smile)」に見ることができ、人物や街、風景、彫刻をテーマにした写真集として2013年に「ハウス・ウイズ・15キー(house with fifteen keys)」を出版し、同名の回顧展を2014年にイタリア・セラヴェッツァ、フランス・ニース、2015年にドイツ・ベルリンで開いている。

ウイキペディアなどによると、フランク・ホーヴァットさんは1928年オパティヤ(当時はイタリア領、現クロアチア領)生まれ、第2次世界大戦中に家族とともにスイスに亡命し、戦争終了後、イタリアに戻り、1940年代半ばには写真の撮影をはじめ、1950年代初めからフリーの写真家として活躍し、報道系の写真からファッション系の写真へ重心を移し、「エル(Elle)」や「ヴォーグ」などに寄稿した。

1960年代に「ハーパース・バザー」へ移り、1970年代後半まで活躍した。1959年から1961年までは、マグナム・フォトのアソシエイトメンバー(associate member)でもあり、現在はフランスに在住している。

開場時間は12時から20時、入場は無料。期間中、無休。