立川銀座でタイポ協会「背守り刺繍」展、安藤真理ら子供の魔よけ

【銀座新聞ニュース=2018年2月6日】ブラインドの最大手、立川ブラインド工業(港区三田3-1-12、03-5484-6100)は2月6日から11日まで銀座ショールーム(中央区銀座 8-8-15、03-3571-1373)地下1階「タチカワ銀座スペースAtte」で日本タイポグラフィ協会会員による「子どもの魔よけ 背守り刺繍展」を開いている。

日本タイポグラフィ協会(中央区日本橋小舟町3-12、バルコ日本橋ビル、03-6661-7627)の会員のグラフィックデザイナー41人がブラザー工業のデジタルミシンを使ってタイポグラフィックにデザインした、江戸時代から伝わる背守り刺繍を施した子ども服40点以上を展示している。

立川ブラインドが2月11日まで銀座ショールーム「タチカワ銀座スペースオッテ(Atte)」で開いている「子どもの魔よけ 背守り刺繍展」に展示される作品。

出展者は相沢竹夫(あいざわ・たけお)さん、アオキジュニヤさん、安藤真理(あんどう・まり)さん、大石麻阿弥(おおいし・まあや)さん、大崎善治(おおさき・よしはる)さん。

小川航司(おがわ・こうし)さん、笠井則幸(かさい・のりゆき)さん、片岡朗(かたおか・あきら)さん、勝田亜加里(かつた・あかり)さん、神谷利男(かみたに・としお)さん。

木龍歩美(きりゅう・あゆみ)さん、金田一剛(きんだいち・こう)さん、工藤強勝(くどう・つよかつ)さん、小玉歌峰(こだま・かほう)さん、小林茂二(こばやし・しげじ)さん、佐藤敦司(さとう・あつし)さん。

茂村巨利(しげむら・なおとし)さん、清水雄介(しみず・ゆうすけ)さん、白滝真之(しらたき・まさゆき)さん、新海宏枝(しんかい・ひろえ)さん、新谷秀実(しんがい・ひでみ)さん。

杉崎真之助(すぎさき・しんのすけ)さん、関根祐司(せきね・ゆうじ)さん、高田雄吉(たかだ・ゆきち)さん、高橋善丸(たかはし・よしまる)さん、田代卓(たしろ・たく)さん。

竹内紀子(たけうち・のりこ)さん、寺島響水(てらしま・きょすい)さん、登坂昭夫(とさか・あきお)さん、永井弘人(ながい・ひろと)さん、中島安貴輝(なかじま・あきてる)さん。

中山典科(なかやま・のりか)さん、南部真有香(なんぶ・まゆか)さん、畠山敏(はたけやま・さとし)さん、樋口清孝(ひぐち・きよたか)さん&静野(しずの)あゆみさん、平嶋英樹(ひらしま・ひでき)さん。

平山政根(ひらやま・まさもと)さん、福村衣里子(ふくむら・えりこ)さん、松本朋也(まつもと・ともや)さん、宮野一男(みやの・かずお)さん、八十島博明(やそじま・ひろあき)さん。

ウイキペディアによると、日本では、縫い目に呪力が宿るとされ、そのため、大人の着物に比べ、縫い目の少ない子どもの着物には悪いモノが寄り付きやすいと考えられ、子どもを守るために着物の背中に「背守り」と呼ばれる刺繍を施す風習があった。
「FUNmily by fotowa」によると、「背守り」とは、お宮参りの際に赤ちゃんに着せる「産着」や「お祝い着(初着)」の背中部分に施す刺繍をいう。江戸時代から昭和初期にかけて「子どもの健やかな成長を願う魔除け」として知られ、古くから「人の魂は背中に宿っており、着物の背筋にある縫い目が『目』として忍び寄る魔を見張り、身を守ってくれる」という迷信があった。

お宮参りの産着は「一つ身」と呼ぶが、「背筋に縫い目のない着物」のことを指している。「背守り」はななめに縫ったものを「糸じるし」、絵や模様を模した刺繍を「背紋飾り」、お祝い着の表側に「付け紐」を縫い付ける際に、縁起のよい図柄の刺繍を施したものを「紐飾り」という。

産着に、江戸時代より飾り縫いを施す風習があり、「糸じるし」は「縦の縫い目」と「ななめの縫い目」があり、産着の場合は、針を12回(12カ月、1年を意味している)入れて仕上げる。男児と女児で縫い方に違いがあり、男児なら「雄針で縦・左ななめに小刻みに縫う」、女児なら「雌針で縦と右ななめに大刻みで縫う」ようにする。
糸の端は、10センチほど残して切ったままにしておく、あるいは結ぶなど、さまざまなパターンがあり、糸の色は紅白、または5色(青、黄、赤、白、黒)の糸を使用する。

「背紋飾り」はエリの後に模様や絵柄を縫ってある。明治時代の女学生は、学校で背紋飾りの縫い方を習ったという。「背紋飾り」としては縁起がよいとされる吉祥文様(きっしょうもんよう)の「亀」や「コウモリ」といったデザインも用いられている。また、背紋飾りには「災害にあった際に、神さまが布、紐を引き上げて助けてくれる」との言い伝えもあるとされている。

お宮参りのお祝い着(打ち掛け)には、表側に布の紐が付いており、この紐を飾り縫いにした縫い目部分が「紐飾り」で、紐飾りも、熨斗(のし)や扇子といったさまざまな絵柄、模様を主に紅白の糸で刺繍する。付け紐を縫い付ける際には、男児は下向きに縫い、女児は上向きに縫い付ける。

日本タイポグラフィ協会は、1964年に結成された「日本レタリングデザイナー協会」を母体として、広義のタイポグラフィの発展を願って1971年に名称変更して生まれた。グラフィック・デザイナーのほかに、タイプフェイス・デザイナー、研究者、教育者など200人を越える国内外の個人会員と法人会員で構成されている。

会員有志により結成された委員会を主体に、日本タイポグラフィ年鑑の発行、雑誌「タイポグラフィックス・ティー」(年4回刊)の発行、海外交流、セミナーや展覧会の開催、タイポグラフィに関する研究、タイポグラフィ博物館設立の運動など幅広く活動している。2001年に協会は特定非営利活動法人(NPO)の公益法人として活動している。2017年5月現在、個人会員が152人、法人会員が16社、OB会員が36人としている。

開場時間は10時から18時(初日と最終日は15時)で、入場は無料。

注:「相沢竹夫」の「沢」、「白滝真之」の「滝」、「髙橋善丸」の「高」は正しくは旧漢字です。原則として名詞は現代漢字(常用漢字)を使用しています。