丸や呉服が室町で天平文化展、織りや染め等、和泉田仁美トークも

【銀座新聞ニュース=2018年2月9日】着物と帯の専門店「有限会社丸や呉服店」(大田区西蒲田7-48-7、03-3731-4189)は2月11日と12日の2日間、「COREDO室町」(中央区日本橋室町1-5-5)の3階「日本橋 橋楽亭」で「天平の光を求めて-染めと織りで綴る華麗なる天平文化の世界」を開く。

丸や呉服店が2月11日と12日の2日間、「コレド(COREDO)室町」で開く「天平の光を求めて-染めと織りで綴る華麗なる天平文化の世界」に出品される作品。

丸や呉服店によると、自然界に神秘を見ていた古代の人々は、植物がもつ美しい色や形を、染めや織りに映す技術を編み出し、「華麗なる天平文化」として完成させた。それらは1000年の時を経ても色褪(あ)せることのない染めの技術、人々の謙虚さや感謝の心を描いた文様が、今も大切に受け継がれており、古代の美しい色彩や文様を今に伝える名匠と工房の協力を得て、今回、現代によみがえる「華麗なる天平文化」として鑑賞できるとしている。

展示の見所としては、シルクロードを渡ってきた文様の美、フランス・シャネルの化粧品ディレクターだったドミニク・モンクルトワ(Dominique Moncourtois)さんも魅了した「古代の染め」、京都の老舗の矢代仁(やしろに)、帯屋捨松(おびやすてまつ)、京絞り寺田、服部綴工房(はっとりつづれこうぼう)、江戸古法友禅の染めの高孝(そめのたかこう)の5社との協力による、現代に甦る「華麗なる天平文化」のコーディネートを挙げている。

同じく出品される天平文化を象徴する作品。シルクロードの影響がみられる。

展示するのは、今や織ることが難しくなった、細かい螺鈿紫壇五絃琵琶文様(らでんしたんのごげんびわもんよう)、すくい織り(柄を織り出す色糸を横にすべて通さないで、下絵に従い必要な縦糸の間に通し、それを折り返していくことで柄を織り出す技法)の帯「正倉院文様(すくい帯)」、ササン朝ペルシア(226年から651年まで)に起源があり、日本では正倉院御物や種々の工芸品にみられ、松喰鶴(松の小枝をくちばしにくわえた鶴の模様)などの和様化した文様をも生んだ鳳凰(ほうおう)などの瑞鳥(ずいちょう)が花枝などをくわえた柄「花喰鳥(はなくいどり、付け下げ)」。

古代よりめでたい動物とされ、綴れ織りの起源をエジプトにもち、シルクロードを渡り日本に伝わった「麒麟(綴れ帯)」、昔、御所に出入りができた古代の染めの職人が紅師で、その技術は、古代から口伝により受け継がれ、その技術を伝承された数少ない染色家、和泉田仁美(いずみた・ひとみ)さんの「古代の染め」(朝廷に昔から伝わる草木の染めの名称)など計約40点を展示する。

丸や呉服店は1926(大正15)年3月1日に開店し、2018年で創業92年になる。母娘3人で運営されている店で、創業者の祖父の時代から現在の店長の谷加奈子(たに・かなこ)さんで3代目になるという。

ウイキペディアによると、天平文化とは8世紀の中頃までの奈良の都平城京(710年から784年まで、740年から745年までの一時期を除いて、政治の中心地)を中心にして華開いた貴族・仏教文化をいう。聖武天皇(しょうむ・てんのう、701-756)のときの元号天平を取って天平文化と呼ばれた。

当時は、遣唐使によってもたらされた武周(690年から705年までで、「周」が正確な王朝名だが、古代の周や北周などと区別するため「武周」と呼ばれる。武則天没後は「唐」に戻される)の武則天(ぶそくてん、624-705)や唐の玄宗(げんそう、685-762)の文化を積極的に取り入れ、これによって花開いたのが、天平文化である。

唐からの文化移入には大宰府の果たした役割が大きく、その一方で、国衙(こくが)、国分寺などに任命された国司(貴族)や官人、僧侶などによって地方にも新しい文物がもたらされた。このようにして、中国風(漢風)、仏教風の文化の影響が列島の地域社会へ浸透し、シルクロードによって西アジアから唐へもたらされたものが、遣唐使を通じて日本にやってきたりした。

平城京には碁盤の目のような条坊制が布かれ、そこには多くの官衙(役所)が建てられ、貴族や庶民の家が瓦で葺き、柱には丹(に)を塗ることが奨励された。また、飛鳥に建てられた大寺院が次々と移転された。

聖武天皇により諸国に僧寺(国分寺)・尼寺(国分尼寺)を建て、それぞれに七重の塔を作り、「金光明最勝王経」と「妙法蓮華経」を1部ずつ置かれた。その総本山と位置づけられる国分寺・総国分尼寺が東大寺、法華寺であり、東大寺大仏は、鎮護国家の象徴として建立された。この大事業を推進するには幅広い民衆の支持が必要であったため、行基(ぎょうき、668-749)を大僧正として迎えた。

11日13時から和泉田仁美さんによるギャラリートークを開く。古代の色彩を染める技法を探求している染色家の和泉田仁美さんが「古代の染めの世界-日本が生み出した色たちのルーツ」について話す。

和泉田仁美さんは1965年東京都生まれ、1989年に武蔵野美術大学工芸工業デザインインテリア専攻を卒業、芦原建築設計研究所に入所、1994年に建築設計研究所を退職し、イラスト、プロダクトデザインの仕事をしながら、京都などに通い、染色技術を学び、2004年に古代染色研究家の前田雨城(まえだ・うじょう、1922年生まれ)さんに師事し、染めの理論と歴史などについて学び、長野県安曇野市に工房を持ち、植物染講座も主催している。

開場時間は11日が12時から19時、12日が10時から17時。入場は無料。

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