ヤマハ銀座でペイントピアノ展示、桑原あいライブ

【銀座新聞ニュース=2018年2月12日】大手楽器、ゴルフ用品メーカーのヤマハ(港区高輪2-17-11、03-5488-6611)とグループのヤマハミュージックジャパン(港区高輪2-17-11、03-5488-5443)は2月14日から3月12日までヤマハ銀座店(中央区銀座7-9-14)1階で「LovePianoo-ピアノをもっと身近に、そして楽しんでほしい」を開く。

ヤマハ銀座店で2月14日から3月12日まで開かれる「ラブピアノ(LovePianoo)」に展示されるペイントピアノ。

2017年秋に「ピアノをもっと身近に感じてほしい。そして楽しんでほしい。」という想いでヤマハが立ち上げたプロジェクト「ラブピアノ(LovePiano)」から生まれたカラフルにペイントされたピアノを「自由に弾けるピアノ」として展示する。

カラフルにペイントされたピアノは「ラブピアノ」をテーマにして、イラストレーターで、パフォーマーペインターとして知られる立川恵一(たちかわ・けいいち)さんがデザインし、御茶の水美術専門学校の4人の学生とともにヤマハアップライトピアノ「bシリーズ」に彩色を施し、2017年9月にJR新宿駅「スイカ(Suica)のペンギン広場」、12月に東京湾アクアライン「海ほたるパーキングエリア」に展示し、だれでも自由に演奏できるようにした。

これに次いで、ヤマハ銀座ビルで約1カ月で展示し、期間中はペイントピアノに近寄り、触れる、弾く、仲間とセッションする、聴く、見る、写真を撮るなど、自由に楽しめる。

ペイントピアノを使ってライブを開く桑原あいさん。

ウイキペディアによると、現在のピアノはトスカーナ大公子フェルディナンド・デ・メディチ(Ferdinando de’Medici、1663-1713)の楽器管理人であったイタリア・パドヴァ出身のバルトロメオ・クリストフォリ(Bartolomeo Cristofori di Francesco、1655-1731)が発明したとみなされている。いつ最初にピアノを製作したのかは明らかでないが、メディチ家の目録から1700年にはピアノがすでに存在していた。現存する3台のクリストフォリ製作のピアノは、いずれも1720年代に製作された。

当時、ピアノに先行する弦を張った鍵盤楽器としてはクラヴィコードとチェンバロが特に普及していた。クラヴィコードは弦をタンジェントと呼ばれる金属片で突き上げるもので、鍵盤で音の強弱のニュアンスを細かくコントロールできる当時唯一の鍵盤楽器であったが、音量が得られず、狭い室内での演奏に制限された。

一方のチェンバロは弦を羽軸製のプレクトラムで弾くものであり、十分な音量が得られたものの、ストップ(レジスター)の切り替えで何段階かの強弱を出せる他は自由に強弱をつけて演奏することは困難だった。これらの鍵盤楽器は数世紀にわたる歴史を通じて、ケース、響板、ブリッジ、鍵盤のもっとも効果的な設計が追求され、クリストフォリ自身がすぐれたチェンバロ製作家だったのでこの技術体系に熟練していた。

クリストフォリは、ハンマーが弦を叩くが、その後弦と接触し続けない、というピアノの基本機構を独自に開発した。クラヴィコードでは鍵を押している限りタンジェントが弦に触り続けるが、ハンマーが弦に触れ続ければ響きを止めてしまう。さらに、ハンマーは激しく弾むことなく元の位置に戻らなければならず、同音の連打にも堪えなければならない。

クリストフォリのピアノアクションは、後代のさまざまな方式のアクションの原型となり、細い弦を用いており、モダンピアノより音量はかなり小さいが、クラヴィコードと比較するとその音量は相当に大きく、響きの持続性も高かった。

クリストフォリの新しい楽器は、1711年にイタリアの文筆家サマーヴィル(スキピオーネ・マッフェイ、Scipione Maffei、1675-1755)がピアノを称賛する記事をベネチアの新聞に掲載するまでは広く知られていなかった。この記事には構造の図解も掲載されており、広く流通して、次世代のピアノ製作家たちにピアノ製作のきっかけを与えることとなった。

オルガン製作者として知られるゴットフリート・ジルバーマン(Gottfried Silbermann、1683-1753)もその1人で、ジルバーマンのピアノは、1点の追加を除いては、ほぼクリストフォリ・ピアノの直接のコピーであった。ジルバーマンが開発したのは、すべての弦のダンパーを一度に取り外す、現代のダンパー・ペダルの原型であった。

ピアノ製作は18世紀後半にウィーンを中心に盛んとなり、ドイツ・アウクスブルクのヨハン・アンドレアス・シュタイン(Johann Andreas Stein、1728-1792)、その娘でウィーンのナネッテ・シュトライヒャー(Nannette Streicher、1769-1833)、同じくウィーンのアントン・ワルターなどが活躍した。ウィーン式のピアノは、木のフレームに1音2弦の弦を張り、革で覆ったハンマーをもつ。また現代のピアノとは黒鍵と白鍵の色が逆のものもある。

1790年から1860年頃にかけて、ピアノはモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart、1756-1791)の時代の楽器から、いわゆるモダンピアノに至る劇的な変化を遂げる。この革新は、作曲家や演奏家からのより力強く、持続性の高い響きの尽きない要求への反応であり、高品質の弦を用いることができ、正確な鋳造技術により鉄製フレームを作ることができるようになるといった、同時代の産業革命によって可能となったことであった。

時代を追って、ピアノの音域も拡大し、モーツァルトの時代には5オクターブであったものが、モダンピアノでは7と3分の1オクターブか時にはそれ以上の音域を持っている。初期の技術革新の多くは、イギリスのブロードウッド社の工房でなされた。ブロードウッド社は、開発を重ねて次第に大型で、音量が大きく、より頑丈な楽器を製作し、初めて5オクターブを越える音域のピアノを製作した。

1790年代には5オクターブと5度、1810年には6オクターブの楽器を作っている。フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn、1732-1809)とルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン(Ludwig van Beethoven、1770-1827)にも楽器を送り、ベートーベンはその後期の作品で、拡大した音域を利用して作曲している。

1820年代になると、開発の中心はパリに移り、エラール社の楽器はフレデリック・ショパン(Frederic Francois Chopin、1810-1849)やフランツ・リスト(Franz Liszt、1811-1886)が愛用した。1821年にエラール社の創業者、セバスチャン・エラール(Sebastien Erard、1752-1831)は、「ダブル・エスケープメント・アクション」を開発し、鍵が上がり切っていないところから連打できるようにした。

この発明によって、素早いパッセージの演奏が容易となり、ダブル・エスケープメント・アクションの機構は改良を経て、グランドピアノの標準的なアクションとなり、今日生産されているグランドピアノは基本的にこのアクションを採用している。

日本にフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(Philipp Franz Balthasar von Siebold、1796-1866)によって初めてピアノがもたらされたのもこの時期で、山口県萩市の熊谷美術館には1823年にシーボルトより贈られた日本最古のピアノが現存する。現代のアップライト・ピアノおよびグランド・ピアノは、19世紀末に現在の形にたどり着いた。その後も製造工程や細かい部分の改良は依然として続いている。

3月4日15時と17時からヤマハ銀座ビル1階ポータルでジャズピアノ奏者の桑原(くわばら)あいさんによる「ラブピアノ(LovePiano)」を使ったライブを開く。入場は無料。会場でCDを購入すると、サイン会に参加できる。

当日、テレビ朝日系「サタデーステーション」と「サンデーステーション」のオープニングに採用されている「ディア・ファミリー(Dear Family)」をはじめ、「サムデイ・マイ・プリンス・ウイル・カム(Someday My Prince Will Come)」などを演奏する予定。

桑原あいさんは1991年生まれ、洗足学園高校音楽科ジャズピアノ専攻を卒業、ヤマハエレクトーンコンクール全日本大会で金賞、2004年に雑誌「アエラ(AERA)」に「天才エレクトーン少女」として掲載され、中学生後半よりピアノに転向し、高校卒業後の2010年4月に最初のライブを開き、2011年にヤングアメリカンズ・ドイツ公演に参加、大泉洋(おおいずみ・よう)さんの「大泉ワンマンショー」の全国ツアーにピアノ奏者として参加した。

2012年に最初のアルバムを発売し、2013年に2枚目のアルバムを発売し、タワーレコードジャズチャート1位を獲得、ジャズ・ジャパン・アワード(JAZZ JAPAN AWARD)2013のアルバム・オブ・ザ・イヤー:ニュー・スター部門、第26回ミュージック・ペンクラブ音楽賞ポピュラー部門ブライテスト・ホープ賞などを受賞し、第12回東京ジャズ(JAZZ)フェスティバルにも出演し、アメリカで初の海外ツアーを開いた。

2014年に3枚目のアルバムを発売し、ブルーノート東京、名古屋で公演した。2014年にモントルー・ジャズ・ソロ・ピアノ・コンペティション・イン・かわさきで優勝、2015年に4枚目のアルバムを発売し、スイスのモントルージャズフェスティバルソロピアノコンペティションに出場し、2017年に5枚目のアルバムを発売し、国内ツアーを行っている。

開場時間は11時から19時30分。