ヴァニラで立花奈央子らアイドル女子レスラー展

【銀座新聞ニュース=2018年3月12日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は3月13日から25日まで合同写真展「アイドル×レスラー展」を開く。

女子プロレスラーと写真家のコラボ写真展で、女子プロレスは兼業アイドル、声優、格闘技出身者、異業種からの転身者など「さまざまな背景を持った個性的なレスラーがぶつかりあい、怒涛の盛り上がりを見せて」(ヴァニラ画廊)いるという。

この女子プロレス「ブーム」は、「日本社会の日常風景として定着したアイドルブームとひじょうに親和性がよく、二つの異なる社会現象の相乗効果で、レスラーたちの個性はさらに輝きを増して」いるとしている。

こうした肉体と精神を切磋琢磨しつづける若手女子レスラーたちに、気鋭の6人の写真家が密着し、「その知られざる側面に迫り、モデルの魅力を最大限に引き出し撮影した」作品を展示する。

写真家はカツミリナさん、鈴木ゴータ(すずき・ごーた)さん、鈴木武(すずき・たけし)さん、女装写真家の立花奈央子(たちばな・なおこ)さん、浮花(ふうか)さん、山本華漸(やまもと・かざん)さん。

今回、モデルとなったのは全員が現役の女子プロレスラーで、「プロレスリングウェーブ(WAVE)」所属の飯田美花(いいだ・みか)さん、フリーの伊藤麻希(いとう・まき)さん、「プロレスリングウェーブ」所属の桜花由美(おうか・ゆみ)さん。

「プロレスリングウェーブ」所属の大畠美咲(おおはた・みさき)さん、プロレス団体無所属だが、「東京女子プロレス」に参戦しているフリー(芸能事務所「スターレイプロダクション」所属)の上福(かみふく)ゆきさん、「魔界(MAKAI)」所属の志田光(しだ・ひかる)さん。

「アイスリボン」所属のジュリア(じゅりあ)さん、「アイスリボン」所属のテキーラ沙弥(てきーら・さや)さん、「東京女子プロレス」所属ののどかおねえさん、「アイスリボン」所属の藤本(ふじもと)つかささん、

「東京女子プロレス」所属の山下実優(やました・みゆう)さん、「アイスリボン」所属の雪妃真矢(ゆきひ・まや)さん、「プロレスリング我闘雲舞」所属の里歩(りほ)さん。

ウイキペディアによると、女子プロレスはアメリカでは1930年代末には女性プロレスラーが存在して男性プロレスラーによるプロレス興行の中で試合を行っていたといわれている。

日本においては1948年2月に東京都三鷹市の小さな道場にて進駐軍相手の興行としてはじめられており、力道山(りきどうざん、1924-1963)がプロレスを始める前には存在している。

当時の女子プロレスは主な試合会場が芝居小屋やキャバレーやストリップ劇場などで、試合も対戦相手のガーター(下着)を奪い合う(ガーターマッチ)と言った、お色気を強調したものであり、現在の女子プロレスとはかなり違うので、これを「プロレス」と呼ぶべきかは意見が分かれている。

また、「ガーターマッチ」を女子プロレスと定義した場合、日本人最初の女子プロレスラーはボードビリアンのパン猪狩(ぱん・いがり、1916-1986)とコメディアンのショパン猪狩(しょぱん・いがり、1926-2005)のきょうだい、猪狩定子(リリー猪狩、いがり・さだこ、1916-1986)といわれている(猪狩定子は全日本女子プロレスの記念興行で「日本人最初の女子プロレスラー」とされることから女子プロレスの殿堂入りとして表彰されている)。

しかし、力道山の「プロレスは女にできるものではない」という意向で圧力がかかり、1950年に警視庁から禁止令を出されている。1954年11月19日に在日米軍慰問のために訪れた世界チャンピオンの女子プロレスラー、ミルドレッド・バーク(Mildred Burke、1915-1989)、メイ・ヤング(Johnnie Mae Young、1923-2014)ら当時の全米トップ女子選手を招いて蔵前国技館を始めとした大会場にて興行を行い、満員の観衆を集め大反響を呼んだ。

それまでのお色気を強調したものから現在の女子プロレスに近い形ができあがった。1955年9月10日と11日、両国メモリアルホールで「全日本女子プロレスリング王座決定トーナメント」が開かれてパン猪狩&田山勝美(たやま・かつみ)組が女子タッグ初代王者となる。また記録映画として「赤い激斗」が制作された。

これを機に複数の団体が乱立したが、これらは「日本女子プロレス」に統合され、最終的には現在の興行形態を作った「全日本女子プロレス」(1968年設立、2005年に解散)が女子プロレス団体として勝ち残り、後に「ビューティ・ペア」(ジャッキー佐藤=じゃっきー・さとう、1957-1999=とマキ上田=まき・うえだ、1959年生まれ=さんのペアで、1976年から1979年まで活動)の登場により女性ファンの人気を集め、それ以降も「クラッシュ・ギャルズ」(長与千種=ながよ・ちぐさ=さんとライオネス飛鳥=らいおねす・あすか=さんによるペアで、1984年に結成し、1990年まで活動)などスター選手が女性の人気を得た。

1990年代に入り「ユニバーサル・プロレスリング」や「ウィング(WING)プロモーション」と業務提携を結んだ全日本女子が提供試合をしたことで、男性ファンから注目を集めて「FMW女子部」と全日本女子の対抗戦が契機となり全日本女子を中心に団体対抗戦が東京ドームなど大会場で行われるほどの人気を得、クラッシュ・ギャルズ以来の女子プロレスブームが起こり、女子プロレス単体でゲームソフトが発売されるほどだった。しかし、現在は女子単独団体の場合、後楽園ホールでの興行がビッグマッチとなる程度の規模にまで縮小しているという。

会期中、女子プロレスラーと写真家によるトークイベントを開く。作家とモデルによる作品の解説やみどころ、撮影秘話まで語る。トーク後は会場限定ブロマイドへのサイン会を開く。参加費はいずれもワンドリンク付で2000円。ヴァニラ画廊のHPから申し込む。

16日19時30分から山本華漸さんと伊藤麻希さんが対談する。

21日17時30分から立花奈央子さん、里歩さん、「プロレスリング我闘雲舞」の代表、さくらえみさんが出演する。

23日19時30分からカツミリナさんと山下実優さんが対談する。

開場時間は12時から19時(土・日曜日、祝日は17時)まで。入場料は500円。会場では展覧会限定カタログを販売する。