シネスイッチ「モリ場所」、山崎努、樹木希林ら挨拶

【銀座新聞ニュース=2018年5月14日】国内映画業界12位の日活(文京区本郷3-28-12、03-5689-1002)は5月19日からシネスイッチ銀座(中央区銀座4-4-5、旗ビル、03-3561-0707)で一般公開する「モリのいる場所」の初日に、山崎努さん、樹木希林さんらによる舞台あいさつを開く。

5月19日から一般公開される「モリのいる場所」((C)2018「モリのいる場所」製作委員会)。

19日12時20分の回上映終了後と14時40分の回上映前に監督の沖田修一(おきた・しゅういち)さんをはじめ、画家「熊谷守一」役の山崎努(やまざき・つとむ)さん、熊谷守一の妻「秀子」役の樹木希林(きき・きりん)さん、熊谷守一の姪で熊谷家の家事手伝い「美恵ちゃん」役の池谷(いけたに)のぶえさんが舞台に登場してあいさつする。

「モリのいる場所」は30年もの間、ほとんど家の外へ出ることなく庭の生命を見つめ、絵を描き続けたという画家、熊谷守一(くまがや・もりかず)=モリのエピソードをベースに、晩年のある1日を沖田修一さんがフィクションとしてユーモラスに描いた作品で、沖田修一さんが脚本も手がけ、ともに文学座に所属したことのある山崎努さんと樹木希林さんが初共演し、熊谷夫妻を演じている。

物語は1974(昭和49)年の東京・池袋が舞台で、守一が暮らす家の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が住み着いていた。それら生き物たちは守一の描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたる守一の日課であった。

妻の秀子との2人で暮らす家には毎日のように来客が訪れ、守一を撮影することに情熱を傾ける若い写真家(加瀬亮=かせ・りょう=さん)、守一に看板を描いてもらいたい温泉旅館の主人(光石研=みついし・けん=さん)、隣に暮らす佐伯さん夫婦、近所の人々、さらには得体の知れない男(三上博史=みかみ・ひろし=さん)まで、老若男女が集う熊谷家の茶の間はその日も、いつものようににぎやかだった。

沖田修一さんは1977年愛知県生まれ、2001年に日本大学芸術学部映画学科撮影・録音コースを卒業、2002年に短編作品「鍋と友達」が第7回水戸短編映像祭でグランプリ、2005年に「進め!」で黒沢明(くろさわ・あきら)記念ショートフィルム・コンペティション04-05にノミネートされ、2006年にオムニバス映画「ライフ・シネマティック 映画的人生1」の一編として上映された。

2006年に初の長編映画「このすばらしきせかい」を監督し、2009年に元南極観測隊員・西村淳(にしむら・じゅん)さんのエッセイを映画化した「南極料理人」で商業映画監督としてデビュー、新藤兼人(しんどう・かねと)賞金賞、2012年に「キツツキと雨」で東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞している。

チケットは劇場で販売しており、料金は一般1800円、大学生、高校生1500円、中学生・小学生・3歳以上1000円、シニア1100円。

注:「山崎努」の「崎」は正しくは「大」が「立」で、「黒沢明」の「沢」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として現代漢字(常用漢字)を使用しています。