ヴァニラで欧米の殺人鬼、恐怖の映像・マンガ展、NH収蔵

【銀座新聞ニュース=2018年5月27日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は5月30日から7月1日までHNコレクションによる「悪・魔的コレクション-evil devil」を開く。

ヴァニラ画廊で5月30日から7月1日まで開かれるHNコレクションによる「悪・魔的コレクション-エビル・デビル(evil devil)」のフライヤー。

犯罪に関するさまざまな品物を収集しているHNさんのコレクションの中から選んで、今回は、人々を震撼させるシリアル・キラーのアートワークのコレクションをはじめ、映像、マンガ、深層心理の4つの視点から、それぞれの心の中に潜む「悪・魔」の形を展示する。

「シリアル・キラー・コレクション」では、「殺人ピエロ」ことジョン・ウェイン・ゲイシー(John Wayne Gacy、1942-1994)、「月夜の狂人」エドワード・ゲイン(Edward Theodore Gein、1906-1984)、「カルトキング」チャールズ・マンソン(Charles Milles Manson、1934年生まれ、終身刑)さん、凶悪な女殺人鬼たちなど彼らの人物像や数々の犯罪が、小説や映画のモデルにもなった、凶悪なシリアルキラー(連続殺人犯)たちの作品、セルフポートレート、手紙、資料等の貴重なコレクションを展示する。

展示される作品はジョン・ウェイン・ゲイシー、エドワード・ゲイン、チャールズ・マンソンさんのほか、ウェィン・ロー(Wayne Lo、1974年生まれ、終身刑)さん、ヘンリー・リー・ルーカス(Henry Lee Lucas、1936-2001)、オーティス・トゥール(Otis Toole、1947-1996)。

デビッド・バーコウィッツ(David Richard Berkowitz、1953年生まれ、終身刑)さん、ニコラス・クロウ(Nicolas Claux、1972年生まれ、2002年に釈放)さん、ハドン・クラーク(Hadden Clark、1952年生まれ、懲役70年)さん、ジョー・ロイ・メセニー(Joe Roy Metheny、1955年生まれ、無期懲役)さん、ハーバート・マリン(Herbert Mullin、1947年生まれ、終身刑)さん、ハーマン・ウェブスター・マジェット(Herman Webster Mudgett、1860-1896)。

ジョン・ヘイグ(John George Haigh、1909-1949)、ジェフリー・ダマー(Jeffrey Lionel Dahmer、1960-1994)、ダニー・ローリング(Danny Rolling、1954-2006)、アーサー・ショークロス(Arthur Shawcross、1945-2008)、キース・ジャスパーソン(Keith Hunter Jesperson、1955年生まれ、終身刑)さん、アイリーン・ウォーノス(Aileen Wuornos、1956-2002)。

ローズマリー・ウエスト(Rosemary West、1953年生まれ、終身刑)さん、ロナルド・”ロニー”・クレイ(Ronald “Ronnie” Kray、1933-1995)とレジナルド・”レジー”・クレイ(Reginald “Reggie” Kray、1933-2000)のクレイ兄弟、ヘンリー・ヒル(Henry Hill、1943-2012)、マーサ・ベック(Martha Beck、1920-1951)。

「奇妙なおとぎ話・映像の世界の魔的コレクション」では、映画、アニメの世界で語られる物語の中に、人々の想像を刺激してやまない魅力的なモチーフが溢れており、主に映画の世界や、アニメの世界の中から、妖しくも美しい登場人物たちや、監督たちの作品を紹介する。

展示される作品はレイ・ハリーハウゼン(Ray Harryhausen、1920-2013)、ティム・バートン(Tim Burton)さん、デヴィッド・K・リンチ(David K.Lynch)さん、エド・ウッド(Ed Wood=Edward D.Wood,Junior、1924-1978)、ドクター・スース(Dr.Seuss、1904-1991)、ハンナ・バーベラ・プロダクション(Hanna-Barbera Productions)、ルーニー・テューンズ(Looney Tunes)。

映画美術より「ハロウィン2」(ロブ・ゾンビ=Rob Zombie=監督、2009年)、「ジンジャー・デッドマン」(2012年)、「チャイルドプレイ2」(1990年)、「マッドマックス2」(1981年)、「フレディVSジェイソン」(2003年)、「デスプルーフ・イン(in)グラインドハウス」(2007年)、「マグノリア」(1999年)、「クリッター」(1986年)、「ピンク・フラミンゴ」(1972年)、「アダムス・ファミリー」(1991年)、「グレムリン」(1984年)など。

「愛すべき恐怖・怪奇マンガの中の魔的コレクション」では、原稿用紙の上に広がる無限の恐怖世界を紹介するもので、「恐怖」といっても何が「怖い」のかは人によって千差万別で、「怪奇マンガ」という媒体は、普遍的であり、極個人的な恐怖という精神的、肉体的な感覚を、ありとあらゆるジャンルを通じ描かれてきたものを展示する。

出品される作家は楳図(うめず)かずおさん、水木(みずき)しげる(1922-2015)、日野日出志(ひの・ひでし)さん、杉戸光史(すぎと・こうじ)さん、谷(たに)ゆきお、男性マンガ家の白川まり奈(しらかわ・まりな)さん、島根(しまね)けんじさん。

「心の中に潜むもの-インナー・サイコロジカル・ワールド(inner psychological world)」では人は世界をどうとらえるか、残った作品から、その人の持つ精神世界から見えてくるものがあり、HNコレクションの中から4人の作品を展示する。

ルイス・ウェイン(Louis Wain、1860-1939)、ピエール・モリニエ(Pierre Molinier、1900-1976)、ダニエル・ジョンストン(Daniel D.Johnston)さん、エド・ロス(Ed Roth、1932-2001)。

このほかに、特別展示としてポスター&書籍コレクションを展示する。出品者はエド・ウッド、トビー・フーパー(Tobe Hooper、1943-2017)、ティム・バートン、エドワード・ゴーリー(Edward Gorey、1925-2000)、小栗虫太郎(おぐり・むしたろう、1901-1946)、栗田信(くりた・まこと、1925-1983)、江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ、1894-1965)。

HNさんについては、日本にいる「中島さん」というだけで、詳細は未公表。

ウイキペディアなどによると、シリアル・キラー(Serial killer)とは殺害行為を主目的に行う犯罪者、あるいは単独の連続殺人犯(連続殺人事件の犯人)に対して使われる言葉で、和名としては「殺人鬼」と称される。「シリアル・キラー」という単語は、アメリカの連続殺人犯テッド・バンディ(Theodore R.Bundy、1946-1989)を表現するために考え出されたもので、元FBI捜査官のロバート・K・レスラー(Robert Kenneth Ressler、1937-2013)が1984年9月に提唱した。

特徴や傾向としては、1)ほとんどが男性、2)両親の関係が悪化しており、身内に犯罪者やアルコール、麻薬などの中毒者がいる、3)幼児期に児童虐待や育児放棄など悲惨な体験をしていることが多い。特に何らかの傷害により、脳に傷害を負ったり、性的暴力を受けた者が顕著、4)差別などの社会的排除を長期間かつ過酷なまでに受け続けていた人。

5)成人までの成長過程で周囲から孤立し、友人が少ない。また、夜尿症をなかなか克服できない。動物虐待を好み、窃盗、放火などの犯罪に手を付け、ナイフや銃器に興味を抱くだけでなく、実際に所持する、6)人との交際で、正常な性交ができなかったり、通常の性交では満足できず、次第に性的倒錯が重度になり、被害者への(主に性的な)支配欲が強くなる。特に快楽殺人犯は早期に発覚、逮捕されなかった場合、その性向から連続殺人になりやすい。

7)知能指数は通常より劣り、簡便な仕事を選ぶ者が多い。一方で、少数派ではあるが知能指数が高く、社会的には成功している場合もあり、彼らは容姿や身なりがよく、名士として周囲から慕われるため、被害者も油断しやすい、8)犯罪に対する罪悪感が欠如している(反社会性パーソナリティ障害)ため、殺人以外にも罪を犯していることが多い。暴行や傷害、窃盗、強姦、死体遺棄・損壊が顕著とされる。

9)殺人の手口や被害者の特徴が共通しているため、別々に起きた殺人がほぼ同様の手口で行われている場合や、同じ傾向の人物が狙われている場合には、捜査上で連続殺人事件と判断する重要な根拠になる、などがある。

金銭目的で犯行に及んだ連続殺人犯は「シリアル・キラー」から除外されることもあるが、被害金額が少なかったり、拷問殺人が発覚した場合などは殺害に主眼が置かれているため、シリアル・キラーに含まれる。

開場時間は12時から19時(最終日は17時)で、入場料はパンフレット付で1700円。会期中は無休。高校生未満は入場できない。