資生堂でアートエッグ賞入選展、冨安由真、佐藤浩一、宇多村英恵

【銀座新聞ニュース=2018年6月6日】国内最大の化粧品メーカーの資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)は6月8日から8月26日まで資生堂ギャラリー(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル、03-3572-3901)で「第12回shiseido art egg展」を開く。

資生堂ギャラリーで6月8日から8月26日まで開かれる「第12回シセイドウ アートエッグ(shiseido art egg)展」で、6月8日から7月1日まで個展を開く冨安由真さんが2018年に北九州で行われた展示会に出品した作品。

「シセイドウ アートエッグ(shiseido art egg)」は資生堂が2006年からはじめた若手作家を対象にした公募展で、応募者の中から3人を選んで、例年は1月から3月にかけて、2018年は6月から8月にかけて個展を開き、最終的に「アートエッグ」賞(賞金20万円)を決める。

最終審査に挑む3人は東京芸術大学教授で資生堂ギャラリーアドバイザーの伊藤俊治(いとう・としはる)さん、美術評論家で資生堂ギャラリーアドバイザーの光田由里(みつだ・ゆり)さんと資生堂企業文化部の3人が決める。

また、「アートエッグ」賞は毎年変わる3人の特別審査員が決める。2018年は美術家の流麻二果(ながれ・まにか)さん、写真家の畠山直哉(はたけやま・なおや)さん、森岡書店代表の森岡督行(もりおか・よしゆき)さんが務める。

第12回目は2017年6月に募集し、350人の応募があり、その中から1983年東京都生まれ、2012年ロンドン芸術大学チェルシーカレッジ大学院ファインアート学科修了、2017年東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻修了の冨安由真(とみやす・ゆま)さん、1990年東京都生まれ、2015年に東京芸術大学美術学部先端芸術表現科卒業、現在、同大学大学院美術研究科修士課程に在籍している佐藤浩一(さとう・こういち)さん。

1980年茨城県生まれ、2004年ロンドン大学ゴールドスミスカレッジファインアート学科卒業、2010年ロンドン芸術大学チェルシーカレッジ大学院ファインアート学科修了し、現在、ドイツと東京に在住している宇多村英恵(うたむら・はなえ)さんが入選した。

8月3日から26日まで個展を開く宇多村英恵さんが2013年に制作した作品。

それぞれ、6月8日から7月1日が冨安由真さんによる「インスタレーション」、6月8日から7月1日が佐藤浩一さんによる「映像」、8月3日から26日が宇多村英恵さんによる「インスタレーション・パフォーマンス」を開く。

冨安由真さんは日々の生活における現実と非現実の狭間を捉えることに関心を寄せており、科学によっては必ずしもすべて説明できないような人間の深層心理や不可視なものに対する知覚を鑑賞者に疑似的に体験させる作品を追求している。今回の作品は複数の部屋からなる大型インスタレーションを展示し、そこに足を踏み入れた鑑賞者が自分自身の無意識の世界と出会うことができるかれしれないとしている。

佐藤浩一さんは人類学や植物学などへの関心から、境界線を自在に横断する多形的、かつ流動的な生の実践について考察している。映像や音響を主なメディアとして活用し、近年は植物と人間との関係をモチーフとしながら、ジェンダーやポストヒューマンなどをキーワードとした連作を構想している。今回は植物の生殖、造園、人間同士の交流をテーマに、映像、音響、立体、香りなどによるインスタレーションを展開する。

宇多村英恵さんは国や人種、異なる社会的立場を超え、個人と他者が対峙できる空間を生み出すことをめざし、映像やパフォーマンス、インスタレーションの作品を制作している。今回は特に身体性に重きをおいたインスタレーションを展示する。また、パフォーマンスの経験を展示のなかでどのように展開していくかという課題のもと、鑑賞者がパフォーマーとして参加することを通して、展示作品としてのパフォーマンスの可能性を模索するとしている。

開場時間は11時から19時(日曜日、祝日18時)、毎週月曜日が休み(祝日でも休み)。