丸善丸の内で中嶋紫都「漆ファッション」展

【銀座新聞ニュース=2018年6月9日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は6月13日から19日まで4階ギャラリーで中嶋紫都さんによる「漆ファッション展」を開く。

丸善・丸の内本店で6月13日から19日まで開かれる中嶋紫都さんによる「漆ファッション展」のフライヤー。

「漆(うるし)」を使って、漆織と漆染めのファッショングッズを制作している中嶋紫都(なかじま・しず)さんが、京都西陣織の漆箔を主とした「織」と、布に直接漆を「染」める独自に開発した方法によるオリジナルなテキスタイルを使用して、制作した実用的なウェアやバッグ、財布、スカーフなどを展示販売する。

中嶋紫都さんによると、西陣では「引箔(ひきはく)」という技術で、漆の美しい光沢を持った生地を作る。渋柿でにじみ止めをした和紙に本漆を幾重にも塗り重ね、その上から色漆で彩色を施し、深みのある色を作り出す。その上から、漆を接着媒体として本金の切箔、切金などを貼り付け、最後は温度が一定に保たれた部屋で乾燥させ、漆を熟成させることで美しい光沢を作り出している。中島紫都さんはこの技術をもとに新しい発想を加えて、現代的な工房独自の織物にしている。

ウイキペディアによると、「漆」はウルシ科のウルシノキ(漆の木、Poison oak)やブラックツリーから採取した樹液を加工した、ウルシオールを主成分とする天然樹脂塗料で、塗料としては漆工などに利用されるほか、接着剤としても使われる。

空気中の水蒸気が持つ酸素を用い、生漆に含まれる酵素(ラッカーゼ)の触媒作用によって、常温で重合する酵素酸化、空気中の酸素による自動酸化により硬化する。硬化すると極めて丈夫なものになるが、二重結合を含んでいるため、紫外線によって劣化する。

また、マンガン化合物を含む「地の粉」と呼ばれる珪藻土層から採取される土を混ぜると、厚塗りしても硬化しやすくなり、螺鈿(らでん)に分厚い素材を使う際にこれが用いられる。金属などに塗る場合、110度以上に加熱することで焼き付け塗装することもできる。

もっとも一般的な用途は塗料として用いることで、漆を塗られた道具を「漆器」という。黒く輝く漆塗りは伝統工芸としてその美しさと強じんさが評価され、食器や高級家具、楽器などに用いられる。漆は熱や湿気、酸、アルカリにも強く、腐敗防止、防虫の効果もあるため、食器や家具に適している。一方、紫外線を受けると劣化するし、極度の乾燥状態に長期間さらされると、ひび割れたり、はがれたり、崩れたりする。

塗料としての漆の伝統的な色は黒と朱であり、黒は酸化鉄粉や煤(すす)、朱漆には弁柄や辰砂などが顔料として用いられ、黒漆と朱漆を使って塗り分けることもある。昭和以後は酸化チタン系顔料(レーキ顔料)の登場により、赤と黒以外の色も出せるようになった。

江戸時代には、漆は接着剤として用いられ、小麦粉と漆を練り合わせて、割れた磁器を接着する例があった。硬化には2週間程度を要し、接着後、接着部分の上に黒漆を塗って乾かし、さらに朱漆を塗り、金粉をまぶす手法を金継ぎといい、鑑賞に耐えられる、工芸的価値を高めるものとして扱われてきた。

また、漆の新芽は食べることができ、味噌汁や天ぷらにすることもある。これは漆塗りの職人が漆に対する免疫をつくろうとして食べたのが始まりとされる。採取する際は、樹の幹の表面に切り込みを入れ、染み出す樹液を缶などを使って溜め、切り込みの溝にも樹液が溜まっているので、これも合わせてかき集め、集めた樹液を「あらみ」と呼ぶ。

「あらみ」には、樹皮やゴミなどが混ざっており、少し加熱して流動性を上げてから濾過(ろか)をする。現在は、綿を加えた上で、遠心分離器で分離する方法も使われている。濾過が終わったものを「生漆(きうるし)」と呼ぶ。生漆を精製し、その過程で油分や鉄分などを添加すると、精製漆となる。

生の漆が肌につくとかぶれるが、これはウルシオールによるアレルギー反応で、漆器になるとかぶれることはほとんどない。まれに、作られて間もない場合、かぶれることもあるが、これは重合され残ったウルシオールが揮発するためとされている。漆にかぶれた場合は、ワラビの根を煎じた汁、煮た沢ガニの汁、ほう酸水などを患部に塗る民間療法がある。

中嶋紫都さんは1961年に京都市立美術大学工芸科ビジュアルデザイン専攻を卒業、「早川良雄(はやかわ・よしお)デザイン事務所」に勤務、1968年に「中嶋紫都染色工房」を設立、1975年から東京や大阪で「中嶋紫都創作きもの展」を開き、1987年にアメリカ・ハワイ大学で講義し、1989年に1989ジャパンデザインコンペティション石川「21世紀の塗・染展」で金賞、同年にニューヨーク州立ファッション工科大学パーソンズ(美術大学)で講義した。

1992年に「メード・イン・キョウト(Made in KYOTO)」ベストデザイン大賞で銅賞、1994年にうるし織バッグとうるしレースが「京都デザイン優品」に選定され、1999年に「1999国際漆デザイン展」で奨励賞、2008年と2009年にフランス・パリの「メゾン&オブジェ(Maison&Objet)2008、2009」に出展、2016年に漆プリント(うるし染)パリPVアワードにノミネートされている。

開場時間は9時から21時(最終日は16時)。

コメントは受け付けていません。