中央の百貨店6月、全店がプラス、依然外国客が好調

【銀座新聞ニュース=2018年7月3日】中央区とその周辺の主要百貨店の6月売上高(速報値、店頭ベース)は日本橋高島屋がマイナス、日本橋三越が横ばいで、銀座三越、松屋銀座店、大丸東京店の3店がプラスだった。

6月の売上高で12カ月連続で前年を上回り、3か月連続で10%超を記録した松屋銀座店。

6月は18日に大阪府北部を震源とする地震による関西地区店舗への影響があったものの、早めの梅雨明けとなった天候や高い気温もあり、「引き続き好調な高額品や訪日外国人観光客(免税売上高、インバウンド)需要に加え、クリアランスセールが昨年より1日早い29日にスタートしたこともあり、前年実績を上回」(高島屋)った。また、6月末の梅雨明けを受けて「日傘をはじめ、UV関連アイテムへの関心度が高」(三越伊勢丹ホールディングス)いとしている。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比3.4%増(5月速報値0.0%、確定値7.7%減の106億円、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む)と店頭ベースでは4カ月ぶりに前年を上回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同17.3%増(同速報値10.1%増、確定値10.1%増の71億円、但し空港型免税店の売り上げを除く)と15カ月続けてプラスだった。

新宿伊勢丹本店を含む首都圏の基幹3店では、顧客関心度に合わせてスタートを見直したクリアランスセールが堅調で、梅雨明けを受けて、日傘をはじめ、UV関連アイテムへの関心度が高く、婦人雑貨や衣料品ではラグジュアリーブランドが好調だった、としている。

また、紳士ではビジネス雑貨、ラグジュアリー、クリエーターズブランドが好調に推移した。さらに、訪日客の増加に伴う来店客数の大幅な増加で訪日外国人観光客需要は引き続き好調に推移し、日本人顧客同様に化粧品や高額品への関心が高いとしている。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同0.0%増(同速報値5.6%減、確定値5.9%減)と横ばいだったが、9カ月ぶりに前年を上回った。日本橋店は店内改装の影響などにより前年比マイナスが続いていた。

17店舗ベースの商品別では、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品が大きく売り上げを伸ばし、紳士服、紳士雑貨、婦人服、子ども服ホビー・リビング、食料品などが前年比プラスとなった。訪日外国人観光客需要は前年同月比48.3%増だった。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同5.0%増(同速報値0.7%増、確定値0.8%増)と22カ月続けてプラスとなり、5月に0.7%増と1%を割った伸び率が大幅に回復した。

全体では、訪日外国人客を中心に化粧品、ラグジュアリーブランド、高級時計が引き続き好調だったとしている。訪日外国人観光客需要(速報値)は前年同月比46%増だった(客数同50%増、客単価同3%減)。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、5月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同10.0%増だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同19.7%増(同速報値10.4%増、確定値10.4%増)と12カ月続けて前年を上回り、3カ月連続で10%を超えた。

銀座店は、婦人部門において盛夏軽衣料中心に売り上げが好調に推移し、サングラス、傘などの婦人雑貨も伸ばし、中元ギフト商戦でも外商顧客需要が堅調だった。訪日外国人観光客需要についても引き続き、化粧品などの自家需要商材が好調に付き、売上高は前年を大幅に上回ったとしている。

また、夏のクリアランスセールが29日からスタートしたことにより、各部門において売上高は前年を上回った。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内80社220店舗(総従業員7万0142人)の5月売上高(店舗調整後)は前年同月比2.0%減の4505億9240万円で、3カ月ぶりにマイナスとなった。

5月は高額消費や訪日外国人観光客需要(インバウンド)は好調だったが、土曜日が1日減による入店客数への影響に加え、4月の高温による夏物需要前倒しと5月の気温低下が相まって盛夏商材の動きが鈍く、前年実績を割り込んだ。顧客別では、訪日外国人観光客需要(シェア6.4%)が49.0%増の約287億円と好調を維持しているが、その一方で、国内市場(シェア93.6%)は低調でマイナス幅が5月より2.7ポイント広がっている。

全国の百貨店の営業日数は前年同月より0.1日少ない30.8日、122店舗の回答によると、入店客は22店が増え、68店が減ったとし、うち90店舗の回答によると5月のGW、母の日の売り上げについては11店が増え、27店が減ったとしている。東京地区(13社25店)の4月の売上高は同1.3%増の1247億8895万円と4カ月続けてプラスだった。

国内93店舗の訪日外国人観光客需要の5月の免税売上高は同49.0%増の約287億7000万円で、18カ月連続のプラス、国内の百貨店に占めるシェアが6.4%としている。

このうち、一般物品売上高は同44.4%増の約160億円で、15カ月続けて前年を上回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同55.1%増の127億7000万円、購買客数が同49.3%増の約45.9万人と2013年2月から64カ月続けてプラスとなり、1人あたりの購買単価が同0.2%減の6万3000円で、13カ月ぶりに前年を下回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2016年12月から2018年4月まで1位)、2位にはハイエンドブランド(2016年12月2位、2017年1月、2月4位、3月2位、4月4位、5月3位、6月2位、7月3位、8月から11月2位、12月3位、2018年1月から4月2位)、3位が婦人服飾雑貨(12月3位、1月2位、2月と3月3位、4月と5月2位、6月3位、7月2位、8月から11月3位、12月2位、1月3位、2月4位、3月3位、4月5位)が5位から上がった。

4位に食品(12月4位、1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月3位、6月4位、7月から12月4位、1月4位、2月3位、3月5位、4月3位)が下がり、5位が婦人服(4月は6位以下、5月から2月まで5位、3月4位、4月4位)が4位から下がった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(2016年12月から4月まで1位)、2位が韓国(2016年12月から7月まで4位、8月2位、9月4位、10月から12月3位、1月4位、2月から4月2位)、3位に香港(2016年12月から7月まで2位、8月3位、9月2位、10月4位、11月から1月2位、2月4位、3月3位、4月4位)が上がった。

4位に台湾(2016年12月から7月まで3位、8月4位、9月3位、10月3位、11月4位、12月4位、1月と2月3位、3月4位、4月3位)が下がり、5位にタイ(12月6位、1月から11月まで5位、12月6位、1月から4月5位)、6位にシンガポール(12月5位、1月から11月まで6位、12月5位、1月から4月6位)、7位がマレーシア(2016年12月から4月まで7位)だった。