銀座M84でJ・シーフベスト作品展

【銀座新聞ニュース=2018年8月13日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は8月13日から9月22日までジャンルー・シーフによる写真展「Best works」を開く。

アート・ギャラリー・エムハッシー(Art Gallery M84)で8月13日から9月22日まで開かれるジャンルー・シーフの写真展「ベストワークス(Best works)」に出品される「ベッドの上のお尻、1992年パリ(ドゥリエール・シュル・アン・リット=Derriere sur un lit, Paris 1992」((C)The Estate of Jeanloup Sieff/M84)。

フランスを代表する写真家、ジャンルー・シーフ(Jeanloup Sieff、1933-2000)の作品を妻のバルバラ・リックス(Barbara Rix)さんが中心になって、未発表作品を整理し、2008年に写真集「レジンディスクリート:フォトグラフィ・イネディット・ドゥ・ジャンルー・シーフ(Lesindiscretes.Photographies inedites de Jeanloup Sieff)」として出版され、同タイトルの写真展が世界を巡回し、日本でも2010年に東京都写真美術館で「アンシーン&ベスト・ワークス(Unseen&Best works)」が開かれている。

今回はジャンルー・シーフの作品を印刷してきたイヴ・ブレガン(Eve Bregan)さんによる伝説の暗室でプリントされた作品約33点を展示販売する。いずれも希少性の高いゼラチンシルバープリントによるモノクローム作品で、ゼラチンシルバープリントの銀塩粒子、バライタ印画紙の微妙なトーンによる力強く、格調高いシーフスタイルを表現している。「シーフ固有の力強い垂直画面と広角レンズの巧みな表現、時代が経過しても古臭さを感じない作品」がみられる。

ジャンルー・シーフは1933年11月30日パリ生まれ、両親はポーランド人で、スイスで写真を学んだ後、1954年にフリーのジャーナリストとして写真撮影 をはじめ、1954年に「マグナムフォト」に参加(1959年まで)、1955年にフランス「エル」誌の写真リポーターとしてデビューし(1958年まで)、世界各地でルポルタージュ写真を撮影し、1959年に「ニエプス賞」を受賞した。

1958年に「決定的瞬間」を求めるアプローチに共感できず、「保存された瞬間(Moments Preserved)」に共感し、1959年にフリーの写真家として、スイスの雑誌「レアリテ」に参加、1959年から1961年まで「ジャルダン・デ・モード」と契約、1961年から1965年までアメリカ・ニューヨークに在住し、アメリカの「ルック」をはじめ、「グラマー」や「エスクァイヤー」、「ハーパス・バザー」などに掲載し、ヨーロッパでも「ヴォーグ」をはじめ、「ツイン」や「クイーン」などと契約し、初めての広告写真「ロジー(Rosy)」を制作した。

1966年にパリに戻り、スタジオを開設、1970年代から1980年代には個人的な作品の方向性を見つけ、モノクロ写真と広角レンズを多用して、立体的な感じの風景、ヌード、ファッションを探求し、透明で乾いたエロチシズムを感じさせる作品で注目された。1972年にリヨンのフランス写真財団委員に任命され、フランス財団(旧名はローマ賞)の審査員、1980年にフランス写真財団理事を辞職し、「旅ジャーナル」シリーズのアートデレクションも辞退した。1984年にイタリア・パレルメでカプチン会修道院のカタコンブを発見、1980 年にシュバリエ芸術文化賞顕彰、1984年にフランスのレジオン・ドヌール・シュバリエ勲章を受賞した。

1990年から1991年にかけて 第2次世界大戦の戦場地ソンムの写真ミッションに参加し、1991年に第1回写真航海巡船プロジェクトの名誉招待作家となり、1992年に第1次世界大戦(1914年から1918年)の戦地、ヴェルダンでの写真レポートを完了し、2000年9月にがんのため活動中に急逝した。1967年に「ノヴァ」掲載ファッション写真がロンドンアート・ディレクターズ・クラブ銀メダル、1980年にシュバリエ芸術文化賞、1984年にフランスのレジョン・ドヌール・シュバリエ勲章、1992年にフランス文化省写真家芸術賞などを受賞した。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)まで。入場料は800円。日曜日は休館。