丸善日本橋で西岡夫婦と天本菜穂子が「カンタとマクラメ」展

【銀座新聞ニュース=2018年9月2日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は9月4日から11日まで3階ギャラリーでアナンダ工房とアミーナによる「東と西、装いの手仕事、針仕事展-インド・ベンガルのカンタとルーマニアのマクラメ」を開く。

丸善・日本橋店で9月4日から11日まで開かれるアナンダ工房とアミーナによる「東と西、装いの手仕事、針仕事展-インド・ベンガルのカンタとルーマニアのマクラメ」の出品される「タッサーシルク生成りにカンタ手刺繍」(左、アナンダ工房オリジナル)と「マクラメ」(アミーナ)。

染織家の西岡由利子(にしおか・ゆりこ)さんと夫で織を手がける西岡直樹(にしおか・なおき)さんの主宰する「アナンダ工房」と、天本菜穂子(あまもと・なおこ)さんが代表取締役を務めるルーマニアの伝統工芸レース販売の「アミーナ(Amiina)」(福岡県福岡市中央区黒門2-5、092-517-4253)がコラボして、インド・ベンガルのカンタと、ルーマニアのマクラメを販売する。

丸善では「古今東西、手仕事・針仕事は、女性たちの生活と心の両面を支えてきました。伝承される手仕事によって生み出される、繊細な美しさと安らぎにも似た心地よさのある作品。それらを身にまとって楽しんで頂けるよう作り続ける二つの工房が挑む手仕事の魅力」を紹介するとしている。

タッサーシルクやウールの布を素材に、室内でも着られるジャケットやコート、ワンピース、スカート、ベストなど、軽くて暖い自然素材にこだわった衣類、オリジナル織りのジャケットや糸から紡いだオリジナルの「藕糸織(ぐうしおり、蓮の繊維を使った糸による織物)」ショールなどを出品する。

「タッサーシルク」とは野蚕(やさん)のひとつで、品種改良を受けていないために、家蚕(かさん)と比較して一般的に吐糸能力が低く、一つの繭から得られる絹糸は500メートルから800メートル程度にすぎず(家蚕では1500メートルから2000メートル)、希少品として流通している。

家蚕は桑を食べるが、タッサーは沙羅双樹(さらそうじゅ、日本名はナツツバキ)やアルジュンという樹の葉を食べる。絹は家蚕のものより光沢があり張度が強いが、緑がかった薄茶の繭ができ、繭の色がまちまちとされており、家蚕の糸より染色しづらいという問題がある。

タッサーの繭から採れる糸のうち一番多いのが生糸で、色は茶系統で、インドではそれを漂白して、オフホワイトの絹糸として用いられている。

このほかに、ガの出た後の出殻繭や、猿などに食われた穴開き繭など、クズ繭から紡がれる「ギッチャ糸」、タッサーの繭に果物の「へた」のような部分があり、黒褐色のこの部分をたくさん集めて長時間煮沸すると、繊維がほぐれ、糸が紡げ、焦茶色の糸が「ナーシ糸」で、ウールのような風合いの糸という。タッサーシルクは光沢があり、1本の繊維が太く、精練も途中で止めているので、丈夫という。

天本菜穂子さんによると、ルーマニアのマクラメ(結ぶという意味)はルーマニアを含めバルカンや東ヨーロッパで見られる珍しい手編みレースで、一般のレースが狩猟用の「網」が原型といわれ繊細さが特徴なのに対して、マクラメは、立体感が加わり、一線を画している。完成までに膨大な時間を必要とし、手間が大変かかるので、次第に作れる人が少なくなっている。

アナンダ工房は1970年代からインドのウエストベンガル州で、インドの職人である友人たちと一緒に手染と手織りの工房を運営し、その布でオリジナルの服を作っている。素材と色はできる限り自然のものを使っている。インドの樹染めは、沙羅双樹、パラミツ(常緑の高木の果樹)、菩提樹(ぼだいじゅ、インドボダイジュ、高さ20メートル以上に生長する常緑高木で、イチジク属)、アンマロク(別名はゆかんで、果実でハーブのひとつ)などの植物を使用している。

また、2012年2月に西岡直樹さんが文章を、西岡由利子さんがさし絵をてがけた「花みちくさ-身近な植物をめぐる210話」(平凡社)を刊行している。

天本菜穂子さんは熊本県熊本市生まれ、1985年に九州大学を卒業、1993年から3年間、ルーマニアで生活し、現地の手編みレースに触れて、1997年にルーマニアの伝統工芸レース販売の「アミーナ(Amiina)」を設立し、「マクラメ」などの販売を手がけている。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)まで。

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