リコー画廊で見目夏樹、芦谷淳ら「白黒」展

【銀座新聞ニュース=2018年9月4日】国内最大のOA機器メーカーのリコー(中央区銀座8-13-1、03-6278-2111)グループのリコーイメージング(大田区中馬込1-3-6)が運営するギャラリー「リコーイメージングスクエア銀座」(中央区銀座5-7-2、三愛ドリームセンター、03-3289-1521)は9月5日から10月14日まで8階ギャラリーゾーン「A.W.P」で芦谷淳さん、金城真喜子さんらによる「ベスト・オブ・モノクローム2018-珠玉の作品を生み出す作家たち」を開く。

リコーイメージングスクエア銀座で9月5日から10月14日まで開かれる「ベスト・オブ・モノクローム2018-珠玉の作品を生み出す作家たち」に出品される永嶋勝美さんの作品((C)Katsumi Nagashima)。

永嶋勝美(ながしま・かつみ)さん、見目夏樹(けんもく・なつき)さん、金城真喜子(きんじょう・まきこ)さん、芦谷淳(あしや・じゅん)さんの4人の写真家によるモノクロームプリント約40点を展示する。展示作品は購入できる。

現在、モノクロームの表現手法は多岐にわたり、フィルムで撮影し、印画紙にプリントする銀塩本来の手法、撮影からプリントまでをデジタル処理する手法、フィルムとデジタルを融合させた新分野などさまざまで、作家ごとに独特のプロセスがあるという。

今回はアナログからデジタルまで造詣の深い永嶋勝美さんが銀塩の真骨頂であるスチルライフをファインプリントで構成する。見目夏樹さんは「風姿花伝」に代表される独特の美意識をもつ写真家・須田一政(すだ・いっせい)さんのプリントを担当しており、アメリカ・ニューヨークに在住し、作品制作に取り組んでいた時のキャンディットフォト、独特のプリント手法には興味深いものがあるとしている。

同じく出品される金城真喜子さんの作品((C)Makiko Kinjo)。

エッセイストで写真家の金城真喜子さんはフィルムで撮影し、スキャンしたデジタルデータの作品とデジタルカメラで撮影した作品をインクジェットプリントで、花をモチーフに心象的な世界観を形成している。

芦谷淳さんは風景に主観的なコンセプトを組み込むことにより、モノクロームならではの明快な主張が心に響くという。

永嶋勝美さんは1953年東京都生まれ、1980年にデザイナー、アートディレクターを経て写真家に転向し、ファッション、エディトリアル、静物を主とした広告写真を手掛け、1985年より海外を歩きまわり作品を撮り始め、1989年よりフランス・パリを拠点に、雑誌・広告などを手掛け、作品「散歩の途中で」シリーズを撮り始め、1992年に帰国、写真作家活動とオリジナルプリント制作などの活動に専念し、多くの白黒写真技法に携わり、本格的にデジタルフォトにも取り組む。

1996年よりOHPフィルムを使ったデジタルネガの可能性を感じ、研究開発にも取り組み、2011年に「DGSMプリント(Print)」として公開し、APIS国際シンポジウムなどで開発者として発表した。現在は写真作家活動を主に、DGSM Printに関連してのプロジェクト、開発等の技術協力、講演・セミナーなど。公益社団法人「日本広告写真家協会」理事、公益社団法人「日本写真協会」会員、一般社団法人「日本写真学会」会員。

これまでに、フランスのトネル市文化交流賞、日本印刷産業連合会会長賞、APAアワードなどを受賞している。

見目夏樹さんは1958年生まれ、日本写真学園を卒業、2000年初頭より須田一政さんに師事し、横浜赤レンガ倉庫、目黒美術館、ニコンサロン、大阪などで写真展を開催する。モノクロプリンターとしても須田一政さんの作品を手掛け、日本ブリンダー協会会員。

金城真喜子さんは1951年東京都生まれ、1974年に青山学院大学文学部日本文学科を卒業、1975年に国立小児病院附属視能訓練士学院を卒業、1984年に第2回コダック広告写真塾に参加、1985年から写真家として活動し、1996年に日本写真作家協会に入会し、1998年から2002年まで社会福祉法人「共生社あじさい学園」の芸術専門技術指導員として勤務し、2002年から2007年まで写真芸術学会会員、2006年に「フォトマスターEX(総合)」を取得、2010年から詩人としても活動している。現在、「日本写真家協会」会員、「日本写真協会」会員、「日本作家クラブ」会員など。

芦谷淳さんは1971年東京都生まれ、1992年に東京工芸大学短期大学部写真学科を卒業、フォックスタルボット賞2席を受賞、1993年に同大学部映像コミュニケーション研究生を修了、1993年から都内数カ所のスタジオでアシスタントカメラマンとして活動し、2007年に山野美容芸術短期大学「写真技術」非常勤講師、2010年に「スタジオ(STUDIO)VO」を設立、2013年に木村伊兵衛(きむら・いへえ)賞にノミネートされている。「日本商業写真家協会」会員。

開場時間は11時から19時(最終日は16時)。毎週火曜日が定休。入場料は510円(税込)。