丸善日本橋で荒井美乃里、井上枝利奈、手塚美弥「器」展

【銀座新聞ニュース=2018年9月15日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は9月19日から25日まで3階スパインスペースで荒井美乃里さん、井上枝利奈さん、手塚美弥さんによる3人展「陶とガラスの器展」を開く。

丸善・日本橋店で9月19日から25日まで開かれている荒井美乃里さん、井上枝利奈さん、手塚美弥さんの3人展「陶とガラスの器展」のフライヤー。

ガラス工芸作家の荒井美乃里(あらい・みのり)さん、井上枝利奈(いのうえ・えりな)さん、陶芸作家の手塚美弥(てづか・みや)さんの3人がそれぞれのガラス技法や陶芸技法を使って制作した器やアクセサリーなどを展示販売する。

荒井美乃里さんはガラスの粉を石膏型に入れて構成する「パート・ド・ヴェール(フランス語でPate de verre、英語でPaste of Glass Technique)」やガラス板を溶着させるフュージングの技法を用いて器やアクセサリーを制作している。

ウイキペディアによると、「パート・ド・ヴェール」とは粘土やワックスなどの素材で作品の原型となる塑像を作り、それをもとに耐火石膏などで鋳型を作ってさまざまな色のガラスの粉に糊を加えて練ったものを詰め、そのまま窯の中で焼成して、冷えたあと鋳型から取り出し表面を研磨して仕上げる。陶磁器とガラス双方の長所を備えた中間的製法とされている。

「フュージング」とはガラスの表面が溶けた状態になるまで電気炉で熱を加え、ガラスとガラスを合わせる技法で、ガラスの間に銀はくなどをはさむことができる。

井上枝利奈さんは板ガラスにパウダー状の色ガラスを焼き付け、フュージング技法で、日常が楽しくなるような器を制作している。

手塚美弥さんはこれまでに旅で訪れた国をイメージし、その国の料理をテーマに、「象嵌(ぞうがん)」という技法を多様してテーブルコーディネートを意識した陶器を制作している。

「象嵌」とは「模様を彫り、その彫った部分に違う色の土を埋め込み、余分な部分を削り、彫った部分にだけ模様が入るという技法」(手塚美弥さん)という。

荒井美乃里さんは1983年埼玉県東松山市生まれ、2007年に武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科ガラス専攻を卒業、2008年から2010年まで武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科ガラス研究室教務補助員、2012年から「硝子企画舎」のシェアアトリエで制作している。2012年に埼玉伝統工芸会館で個展、2014年に東京都文京区で個展を開いている。

井上枝利奈さんは東京都生まれ、実践女子大学美学美術史学科を卒業、東京国際ガラス学院基礎科を卒業、夫で作家の井上剛(いのうえ・つよし)さんと「硝子企画舎」(墨田区押上3-6-1、03-3610-8255)を設立して制作している。

手塚美弥さんは1972年東京都生まれ、1996年に武蔵野美術大学陶磁コースを卒業、1998年に食と陶器を求めて東南アジアからヨーロッパまで約7カ月間の旅をし、1999年に埼玉県戸田市に工房を開設、2001年に渋谷東急東横店で個展、2003年に東京都中野区に工房を移転、神楽坂ギャラリーで個展(2006年、2008年も)、2007年に東京都豊島区に工房を移転し、現在、陶芸教室「ポティエ」を主宰している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)まで。