築地すし好が19年豊洲初競りに参戦、東京駅店で解体ショー

【銀座新聞ニュース=2018年12月29日】江戸前寿司専門店の築地すし好(中央区築地6-16-1、築地616ビル、03-3546-0505)は2019年1月5日17時から「築地すし好和-Nagomiグランスタ丸の内店」(千代田区丸の内1-9-1、東京駅構内地下1階改札外)で初競マグロの解体ショーを実施する。

築地すし好は2019年1月5日に豊洲市場で行われる「初競り」に参戦し、当日、「築地すし好和-ナゴミ(Nagomi)グランスタ丸の内店」で解体ショーを実施する(画像は解体ショーのイメージ画)。

旧築地市場でのマグロの初競りは毎年1月5日に行われており、10月11日から取引をはじめた豊洲市場で2019年1月5日に行われる初めての「初競り」に、築地すし好も参戦することを決め、1月5日19時から「築地すし好和-ナゴミ(Nagomi)グランスタ丸の内店」で「駅ナカマグロ解体ショー」を行い、当日、購入した「極上天然本まぐろセット」(3個セットで税別1000円)を限定販売する。

築地市場でのマグロの初競りは寿司専門店「すしざんまい」をチェーン展開する「つきじ喜代村」の社長、木村清(きむら・きよし)さんが2012年から6年連続で最高値で落札してきた。

2012年の初競りで史上最高の5649万円(269キロ、1キロあたり21万円)、2013年の初競りで、さらに史上最高の1億5540万円(222キロ、同70万円)、2014年の初競りでは、736万円(230キロ、同3万2000円)で落札した。この年はキロあたりで最高値となるクロマグロ672万円(168キロ、同4万円)も木村清さんが競り落としている。2015年はもっとも安い451万円(180.4キロ、同2万5000円)、2016年は1400万円(200キロ、同7万円)、2017年は7420万円(212キロ、同35万円)だった。

2018年はマグロ専門の仲卸業者「やま幸(やまゆき)」(江東区豊洲6-5-1、6街区水産仲卸売場棟、03-6636-5527)と「鮨銀座おのでら」(中央区銀座5-14-14、サンリット銀座ビル2、050-3187-9490)が405キロの青森県大間産クロマグロを3645万円(同9万円)で落札した。ただし、木村清さんは大間産クロマグロ190キロを3040万円で競り落とし、1キロあたり16万円と単価はもっとも高かった。

築地すし好は成田仁孝(なりた・よしたか)さんが1984年に創業し、1991年に株式会社化した。天然の本マグロとインドマグロしか使わないことで知られている。とれたてのマグロは身が固くて血なまぐさく、味に深みがないので、氷温で3日以上の熟成期間が必要となる。しかし、時間がたつとすぐに黒く変色するので、鮮度の管理には特に気を使っているという。

グルメキャリーによると、成田仁孝さんは1957年神奈川県横浜市生まれ、12歳で会社経営者の父親が死亡し、会社が倒産し、18歳で寿司店で修業、1984年に築地に1号店をオープンした。京セラの創業者、稲盛和夫(いなもり・かずお)さんの「盛和塾」で学び、30年間、毎朝4時に起床し、自ら築地市場で仕入れを担当している。

また、1980年代の寿司店では、時価が一般的だった中で、「まぐろ一貫」の価格を明記する方式で、売り上げを伸ばした。

さらに、新卒採用も自ら東北の高校約200校に出かけ、会社説明会を開いて、採用している。築地すし好では、2つの育成プログラムがあるという。10年かけて成長していくための5段階の資格試験では5級からスタートし、1級に到達する過程で、ふぐの免許取得も入っており、調理から店舗運営までさまざまな能力を総合的に習得できるようにしている。

年に1度の「心を高める、技術を伸ばす大会」というイベントもあり、「謙虚で人間性のすばらしい人が握るから、すしはおいしい」という成田仁孝さんの独自の哲学を反映させている。

通常の営業時間は平日が7時(土・日曜日、祝日8時)から22時30分(土・日曜日、祝日22時)。立ち食い寿司コーナーは平日10時から22時30分(土・日曜日、祝日22時)。