丸善丸の内で「画強」の天明屋尚「版画」展

【銀座新聞ニュース=2018年12月25日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は12月26日から31日まで4階ギャラリーで「美しい畸形-画強 天明屋尚 版画展」を開く。

丸善・丸の内本店で12月26日から31日まで開かれる「美しい畸形-画強 天明屋尚 版画展」に出品される「獏図」。

「画聖」と呼ばれた雪舟(せっしゅう、1420-1506)、「画狂」といわれた葛飾北斎(かつしか・ほくさい、1760-1849)、自ら「画鬼」と称した河鍋暁斎(かわなべ・ きょうさい、1831-1889)に続くべく、自ら「画強」と名乗る美術家の天明屋尚(てんみょうや・ひさし)さんが日本の文化軸と歴史軸を直結させ、美術史をダイナミックに改変する独自のコンセプトにより制作した版画作品を展示する。

天明屋尚さんは1966年東京都生まれ、レコード会社のアートディレクターなどを経て、現代美術家として活動している。日本の伝統絵画を現代に転生させる独自の絵画表現を「ネオ日本画」と称し、南北朝期(1336年から1392年)の婆娑羅、戦国末期の傾奇者といった華美(過美)で、覇格(破格)な美の系譜をローマ字で「ばさら(BASARA)」と称している。

絵画、インスタレーション、雑誌、新聞、ポスター、映画美術など多様な形態で作品を発表し、2006年のサッカーワールドカップドイツ大会公式アートポスターでは、日本代表作家として唯一選出され、同年6月にドキュメンタリー映画「≒天明屋尚」(ニア・イコール・てんみょうや・ひさし)を公開し、2008年に「RX-78-2 傾奇者 2005 バージョン(Version)」が、香港で開かれたクリスティーズのオークションで481万香港ドル(約6400万円)で落札された。他の作品も数千万単位で落札され、国際的に高い評価を得ている。

ウイキペディアによると、「ばさら(BASARA)」は、天明屋尚さんが2010年に提唱した美術概念で、侘(わ)び、寂(さ)びや禅の対極にあり、粋で男伊達(おとこだて)な美学と位置づけた。個人の内面の吐露に終始しがちな日本の現代美術の弱点とは一線を画して、日本の歴史の文脈を美術に積極的に導入しようという試みがなされている。

そのため、「縄文式火焔土器」から始まり、「祭りの山車」や「変わり兜」、あるいは「織部茶碗」や「浮世絵」、さらに「劇画」、現代の「刺青」や「グラフィティ」、「デコトラ」までをも網羅している。

岡本太郎(おかもと・たろう、1911-1996)や橋本治(はしもと・おさむ)さんらが提唱した「弥生的」や「縄文的」と言われる日本美術(文化)の2分法を継承しつつ、「縄文的」なるものを発展的に拡充し、古代から現代までをつなぐ試みが「ばさら」といえる。その根本には、繊細、優美な「弥生的」に対し、豪快で斬新な「縄文的」が下位に置かれがちという、伝統的な日本美術の歪んだ美意識に対する問題提起があるとしている。

開場時間は9時から21時(最終日は16時)。

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