日本橋三越で棟方志功「富山・福光時代」展、孫の石井頼子ら対談

【銀座新聞ニュース=2018年12月24日】国内最大手の百貨店グループ、三越伊勢丹ホールディングス(新宿区新宿5-16-10)傘下の三越伊勢丹(新宿区新宿3-14-1)が運営する日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は12月26日から2019年1月7日まで新館7階催物会場で「棟方志功の福光時代展-信仰と美の出会いー」を開く。

日本橋三越で12月26日から2019年1月7日まで開かれる「棟方志功の福光時代展-信仰と美の出会い」に出品される「騎象普賢の柵(きぞうふげんのさく)」(左)と「騎獅文殊の柵(きしもんじゅのさく)」(1949年、雪梁舎美術館寄託)。

1945年から疎開のため富山県西砺郡福光町(現南砺市福光)に移住し、1954年まで在住した、日本を代表する板画(版画)家で、20世紀の美術界を代表する棟方志功(むなかた・しこう、1903-1975)の福光時代の作品を展示する。

棟方志功は福光の地の自然をこよなく愛し、居を構えて約7年生活し、この間に多くの作品を残した。この時代を経て、棟方志功は東京に戻り、1956年にベネチア・ビエンナーレに「湧然する女者達々」などを出品し、国際版画大賞を受賞するなど、「世界のムナカタ」と称された。

福光時代に制作した数々の作品は、富山県外では紹介されてなく、今回展示される作品は、板画(はんが・版画)の他、倭画(やまとが・肉筆画)、油画、書といった福光の地以外ではほとんど見ることができない作品を中心に紹介する。

ウイキペディアによると、棟方志功は1903年青森県青森市生まれ、1924年に東京へ上京、帝展や白日会展などに油絵を出品するも、落選が続いた。1928年に第9回帝展で「雑園」(油絵)が入選、1930年から文化学院で美術教師を務め、1932年に日本版画協会会員となる。

1936年に国画展に出品した「大和し美し」が出世作となり、1945年に戦時疎開のため富山県西砺郡福光町(現南砺市)に移住、1954年まで在住し、1946年に富山県福光町栄町に住居を建て、自宅を「鯉雨画斎(りうがさい)」(現在、南砺市立福光美術館の分館)と名付けた。1956年にベネチア・ビエンナーレに「湧然する女者達々」などを出品し、国際版画大賞を受賞、1970年に文化勲章を受章し、1975年9月13日に東京で永眠した。同日付で贈従三位。

1月4日11時から本館6階美術特選画廊で、棟方志功の長女・けようの長女で、棟方志功研究家の石井頼子(いしい・よりこ)さんと歴史マンガ「テルマエ・ロマエ」で知られるマンガ家で随筆家、棟方志功ファン歴45年以上というヤマザキマリさんとギャラリートークを開く。

また、同じ期間限定で、本館6階美術特選画廊で「生誕115年 板聖 棟方志功展」を開き、約30点を販売する。

開場時間は10時から19時(最終日は18時)。ただし、12月31日、1月2日は18時まで。1月1日は休み。3日から5日は19時30分まで。美術特選画廊は最終日は17時まで。