森林連が林業就職説明会、38自治体も参加、現場のトークも

【銀座新聞ニュース=2019年1月23日】全国森林組合連合会(千代田区内神田1-1-12、コープビル、03-3294-9711)は1月26日11時から東京国際フォーラム(千代田区丸の内3-5-1)B7ホールで「森林の仕事ガイダンス2019」を開く。

国森林組合連合会が1月26日に東京国際フォーラムで開く「森林の仕事ガイダンス2019」のフライヤー。

「森林(もり)の仕事ガイダンス」は新たな林業の担い手となる林業作業士(フォレストワーカー)の確保や育成を目的に、森林と林業に関心を持つ人を対象にした林業就業相談会で、北海道から九州までの都道府県の林業労働力確保支援センターや森林組合連合会が相談ブースを設け、各地の林業に関する情報、林業作業の内容や就業までの流れについて説明する。ただし、当日は具体的な就職斡旋は行わないとしている。

会場では、大型モニターを使って、日本の林業の現状や緑の雇用、林業への就業の流れなどについて説明する「オリエンテーションコーナー」や、総合相談コーナーとして北海道、青森、秋田、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、京都、奈良、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の都道府県の「全国森林組合連合会ブース」も38カ所設ける。

12時30分、15時30分の2回、現在、森林で働くフォレストワーカーの声が聞けるトークショーを開く。また、14時からフォレストリーダーによるトークショーを開く。

ウイキペディアによると、林業は森林に入り、主として樹木を伐採(ばっさい)することにより木材を生産する産業のことで、第1次産業のひとつで、その産業活動に付随して、森林資源を育成したり、森林の持つ公益的機能を保持する役割も担っている。

古代から木造建築をはじめ日用品の隅々に到るまで木製品が使われており、必要な用材を確保するため林業は古くから行われていたと考えられている。中世には寺社造営などに際して木材伐採を命じた文書が存在し、当時は山林資源の管理が行われていた。

戦国期には戦国大名の大名領国の成立に伴い、材木伐採や林産資源の採取、炭焼きや漆の採取、鉱山経営、狩猟など山における諸職人が領主権力に掌握され組織化し、戦国大名の本拠では居館を中心に城下町が形成され、城郭の普請や寺社の造営など、この時期には木材需要が増加し、山の民は領主権力から用益権を保証され、領主の必要とする資源や技術を提供した。

江戸時代には江戸幕府や藩によって御林が設定され、御林は明治維新後に新政府に引き継がれ、現在の国有林の原型となった。

戦時中には乱伐により山林が荒廃し、戦後は復旧造林が行われた。昭和30年代には高度経済成長に伴い林業が振興され、燃料消費構造の変革により利用価値の小さくなった薪炭林や老齢過熟の天然林が生産性の高いスギやヒノキなどの人工林に転換された。1956年に「森林開発公団」が発足し、1964年には林業生産の増大を定めた「森林・林業基本法」が制定された。

外材の輸入は国産材の不足分を補うための位置づけであったが、昭和40年代には石油に次ぐ輸入量となり、安い外材の増加による木材価格の低迷に加え、山村の過疎・高齢化、労賃の高騰などの影響を受け、日本の林業は打撃を受けた。一方で昭和40年代には都市環境の過密化や公害問題の発生から森林の公益的機能への関心が高まり、環境保全運動が流行した。

日本の木材自給率は2000年が18.2%と初めて2割を切ったが、2010年が26.0%、2015年が30.8%と回復傾向にある。国内の合板製造業で国産間伐材の利用が大きく増えた一方で、原木の輸入量が減少したことにより、国産材利用の割合が高まり、とくに、2007年から2008年にかけて、ロシアが針葉樹原木の輸出関税を引き上げたことも北洋材輸入量の減少になっている。ただ、総務省国勢調査によれば、1960年には約44万人存在した林業労働者が2010年には約5万人規模と大幅に減少している。

全国森林組合連合会によると、林業の仕事で1人前になるには3年から5年かかり、「緑の雇用」事業は、新規就業者に対し、未経験者でも林業の仕事に就き、林業で必要な技術を習得できるようOJTを含む3年間の研修を行っている。

また、就業年数(5年以上、10年以上)に応じた研修があり、林業就業者としてのキャリアアップに向けた技能を身につけられる体系的な研修プログラムを用意している。「緑の雇用」事業により2017年度までの15年間で1万8000人を超える新規就業者が誕生しているという。また、新規就業者のうち、「緑の雇用」事業における研修修了者については、3年後も林業に従事している人が7割を超えているとしている。

全国森林組合連合会は日本全国の森林組合の連合会などの連合組織で、1946年に任意団体として設立され、1951年に「改正森林法」が公布され、1952年に「全国森林組合連合会」が設立され、1956年に森林共済事業をはじめ、1958年に森林組合振興3カ年計画を策定、1961年に第2次森林組合振興3カ年計画、1964年に森林組合拡充強化5カ年計画、1970年に国際協同組合同盟(ICA)ヘ加盟、1974年に組合林業株式会社を設立した。

1978年に「森林組合法」が公布され、1983年に長期育林共済が発足し、1989年に森林共済セット保険の扱いをはじめ(2001年に停止)、改正森林組合法及び改正森林組合合併助成法が公布、施行された。2002年に森林組合改革プランの策定と改革の実践に向けて決議している。

林野庁によると、日本の国土面積(3780万ヘクタール)の約7割(2508万ヘクタール)が森林で、その約4割(1029万ヘクタール)は人工林が占めている。スギやヒノキなどの人工林は、人の手で守り育てていかないと荒れてしまうし、整備された森林は、二酸化炭素吸収、水源のかん養、土砂流出の防止などさまざまな効用があるとされている。

現在、林業従事者の高齢化(高齢化率21%)と後継者不足などから手入れ不足の山が増えており、森林・林業の再生に向け多くの人材が必要とされている。林業への新規就業者は、緑の雇用事業実施以前は平均約2000人で推移してきたが、2003年度以降は平均約3400人に増えており、35歳未満の若者層の割合は増加傾向にあるとしている。

「緑の雇用サイト」によると、森林の作業とは1人前になるのに3年から5年かかる仕事で、夏、秋では、植付けされた苗木の成長を妨げる植物を除去する「下刈り」、くず、藤などのつる性植物が木に絡まったものを除去する「つる切り」、植えた木が成長し、下刈り終了後の3年から5年たったときに、目的樹種以外の植物を中心に、形質の悪い木を除去する「除伐」。

枯れ枝やある高さまでの生き枝をその付け根付近から除去する「枝打ち」、混みすぎた森林を、適切な密度で健全な森林へ導くために行う「間伐」、刈払機やチェーンソーのメンテナンス、刃の目立てなどを行う「道具の手入れ」などを行う。

冬、春では、苗木を寒冷期の凍害から防ぐために、土中に埋める「寒伏せ」と春先には埋めた苗木を土中から出す、寒伏せ起こしの作業、雪圧によって倒れた幼齢木を起こし、縄などで固定し、木を垂直に育てる「雪起こし」、伐採時期を迎えた木を伐り収穫し、次世代のための土地再生を行う「主伐」。

材地に散在している伐倒木や造材した丸太を林道端などの1カ所に集める「集材」や集材された木材をトラックなどに積み込み、木材市場や貯木場に運ぶ「運材」、伐採した森林に次の苗木を植えるため、整地をする「地ごしらえ」、地ごしらえを終えた場所に、苗木を1本ずつ植付ける「植付け」や植付けした苗木が、鹿などの動物に食べられてしまわないように周囲に防護ネットを張り巡らせる作業や重機のメンテナンスなどがある。

作業員は1年目が30日間の研修と最大130日の実践研修、2年目が25日間の研修と最大90日の実践研修、3年目が20日間の研修と最大90日間の実践研修があり、5年以上経つと15日間の研修を経て、現場管理責任者となり、10年以上になると、10日間の研修を経て統括現場管理責任者になれる。

当日は11時から17時で、参加費は無料。事前の申し込みは不要。問い合わせは森林の仕事ガイダンス事務局(03-6225-0258)まで。