富士急、5000形「トーマスランド」営業終了、75年から44年目

【銀座新聞ニュース=2019年2月20日】山梨県に本社を置く企業で売上高第4位の鉄道会社、富士急行(山梨県富士吉田市新西原5-2-1、東京本社・渋谷区初台1-55-7)は2月23日で5000形「トーマスランド号」の営業運転を終了する。

富士急行が2月23日に営業終了する5000形「トーマスランド号」。運転開始以来、44年目の退役となる。

現在、「トーマスランド号」として運行している5000形は1975年3月12日に営業運転をはじめ、冷房設備を備え、1976年7月11日に「鉄道友の会」よりローレル賞を受賞している。富士急ハイランドに2019年で開業20周年となる「トーマスランド」が誕生したことをきっかけに、1998年に「トーマスランド号」に改造されていた。

運行開始以来、44年になることから営業運転を終了し、4月以降は富士急行線下吉田駅ブルートレインテラスに車両を保存展示する。

ウイキペディアによると、富士急行5000形は1975(昭和50)年に3100形の事故廃車補充と将来の増備車の先行試作を兼ねて、2両編成1本が日本車輌製造により製造された。形式名の「5000」は、昭和50年に登場したことに由来する。2018年時点において富士急行が自社発注した最後の鉄道車両となっている。

車両長2万ミリ(20メートル)、最大幅2950ミリ(約3メートル)と地方私鉄としては大型の車体を採用した。衝突対策として高運転台構造を採用し、正面下部にはステンレス製のバンパーを装備、車体の裾を絞ったスタイルとしている点は115系などの国鉄の近郊形電車に類似し、フロントデザインは機能本位の独自のものとなった。

空調には富士急行の車両として初めて冷房装置を採用し、冷凍能力1万キロカロリー(11.6キロワット)の三菱電機製CU-121分散式冷房装置を屋根上に4基搭載し、車両当たりの定員は128人(座席72人)となっている。

地方私鉄の新製車としては意欲的な車両だったが、その後の増備は行われず、1編成のみに留まった。塗装は登場後、数度変更され、富士急ハイランドのイベントや新施設開業に合わせて、「ゲゲゲの鬼太郎」や「きかんしゃトーマス」のキャラクターをあしらったデザインに変更された。また、2007年には客室の内装も「きかんしゃトーマス」のデザインに変更され、2018年には「トーマスランド号」として運行されている。

富士急行は23日に営業終了のに伴い、現在、富士急行線各駅にて配布するぬりえカードに色付けしたものを、トーマスランド号の車内に掲示する「ありがとうトーマスランド号キャンペーン」を実施している。

23日の最終日は下り線が大月駅発13時11分、河口湖駅着14時16分、大月駅発16時15分、河口湖駅着17時22分の2本を運行する。上り線は河口湖駅発11時16分、大月駅着12時16分、河口湖駅発14時32分、大月駅着15時29分を運行する。