丸善日本橋で小磯良平展、ピカソや彼末宏らも

【銀座新聞ニュース=2019年3月29日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は3月27日から4月2日まで3階ギャラリーで「没後30年小磯良平版画展」を開いている。

丸善・日本橋店で4月2日まで開催中の「没後30年小磯良平版画展」に出品されている「椅子にかけるバレリーナ」(エッチング)。

2018年12月に没後30年を迎えた文化勲章受章の近代日本洋画家を代表する小磯良平(こいそ・りょうへい、1903-1988)は東京芸術大学を卒業するとパリにわたり、その空気の中で画家としての礎を築いた。生前に制作した貴重なオリジナル版画約50点を中心に、小磯良平の油彩やパステル、竹ペンで描いた作品のほかに、近代洋画を代表する巨匠が遺した作品、現代洋画界を盛り上げる作家の新作も併せて展示販売している。

出品しているのは、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso、1881-1973)やシャガール(Marc Chagall、1887-1985)、ラウル・デュフィ(Raoul Dufy、1877-1953)、モーリス・ユトリロ(Maurice Utrillo、1883-1955)、ベルナール・ビュッフェ(Bernard Buffet、1928-1999)、ジャン・ピエール・カシニョール(Jean Pierre Cassigneul、1936年生まれ)さん、コタボ(Andre Cottavoz、1922-2012)。

バラの絵で知られる洋画家、中川一政(なかがわ・かずまさ、1893-1991)、孤高の洋画家で自宅の虫や花を描き続けた熊谷守一(くまがい・もりかず、1880-1977)、古い民家の絵を描き、「民家の向井」と呼ばれた洋画家の向井潤吉(むかい・じゅんきち、1901-1995)、幻想的な女性像で知られる洋画家の東郷青児(とうごう・せいじ 、1897-1978)、洋画家の香月泰男(かづき・やすお、1911-1974)。

洋画家の彼末宏(かのすえ・ひろし、1927-1991)、原色を多用し、絵具を擦り付けた、力強い筆致の重厚な画風で知られる洋画家の森田茂(もりた・しげる、1907-2009)、岡野博(おかの・ひろし、1949年生まれ)さん、油彩画家の坂口紀良(さかぐち・のりよし、1943年生まれ)さん、有田巧(ありた・たくみ、1952年生まれ)さん。

広田稔(ひろた・みのる、1959年生まれ)さん、島村信之(しまむら・のぶゆき、1965年生まれ)さん、島中俊文(しまなか・としみち、1965年生まれ)さん、松沢真紀(まつざわ・まき)さんら。

ウイキペディアによると、小磯良平は1903年兵庫県神戸市生まれ、1928年に東京美術学校(現東京芸術大学)西洋画科を卒業、在学中の1925年に「兄妹」で帝展入選、1926年に「T嬢の像」で帝展特選、卒業後の1928年にフランスに留学、1936年に帰国、「新制作派協会」(現新制作協会)の結成に加わり、1938年から1年間、陸軍省嘱託の従軍画家として中国に渡り、帰国後戦争画を描いた。

1941年に群像画「娘子関を征く」(第1回芸術院賞)と「斉唱」を相次いで発表、群像を書くため精力的に戦争画に取り組むが、戦後は画集に収録しなかった。戦後は東京芸術大学教授を務め、定年退官後に、迎賓館(赤坂)大広間の壁画「絵画」と「音楽」を制作した。1992年に創設された「小磯良平大賞展」は国内最高賞金の公募展となっている。1979年に文化功労者、1982年に日本芸術院会員、1983年に文化勲章などを受賞している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)まで。入場は無料。

注:「島中俊文」の「島」は正しくは旧漢字です。