立川銀座で「一墨会」が書展、井上一光、木村一東、中山二幸ら

【銀座新聞ニュース=2019年6月18日】ブラインドの最大手メーカー、立川ブラインド工業(港区三田3-1-12、03-5484-6100)は6月19日から23日まで銀座ショールーム(中央区銀座8-8-15、03-3571-1373)地下1階「タチカワ銀座スペースAtte」で井上一光さんと、主宰する「一墨会」会員による「書のときめき展 in 東京銀座」を開く。

立川ブラインドの銀座ショールーム「オッテ(Atte)」で6月19日から23日まで開かれる井上一光さんと、主宰する「一墨会」会員による「書のときめき展イン(in)東京銀座」に展示される井上一光さんの「8曲連作50作品」。

現代書芸家の井上一光(いのうえ・いっこう)さんは漢字のルーツとされている、3000年以上の歴史をもつ中国古代文字「甲骨文(こうこつぶん、亀甲や獣骨に刻まれた殷時代の文字)や、金文(きんぶん、青銅器に刻まれた周時代の文字)をモチーフとした多彩な書の創作活動を行っている。

今回は、井上一光さんが主宰する1992年に発足した「一墨会(いちぼくかい)」(福岡県福岡市中央区六本松3-16-56、092-751-9350)の会派展として1994年より展開している「書のときめき展」を東京で初開催し、2019年が27回目になる。井上一光さんの作品6点、会員選抜9人による作品27点、大+作から小品まで計33点の新作を発表する。

会員選抜9人は木村一東(きむら・いっとう)さん、中山二幸(なかやま・にこう)さん、河内二青(かわち・にせい)さん、和田四空(わだ・しくう)さん、川本六宙(かわもと・りっくう)さん、森六月(もり・むつき)さん、伊東参舟)(いとう・さんしゅう)さん、志柿伍京(しがき・ごけい)さん、岩佐吾泉(いわさ・いずみ)さん。

同じく出品される井上一光さんの「飛天・金文般若心経」。

ウイキペディアによると、甲骨文字(こうこつもじ)とは、古代中国の実在が確認されている最古の王朝、殷(いん、BC17世紀からBC1046年)時代の遺跡から出土する古代文字のことで、漢字の原初形態であり、現在確認できる漢字の最古の祖形を伝えている。

古代中国で生まれ発達してきた文字(漢字)と獣骨を用いる占卜(せんぼく)とが結びついて文字記録となったもので、殷後期の考古学資料が小屯村(殷墟)で大量に出土し、亀の甲羅(腹甲)や牛や鹿の骨(肩胛骨)に刻まれている。2017年にユネスコが主催する「世界の記憶」にも登録された。

甲骨文字は絵文字様であるが、文字としてすでに抽象性が高い段階に発達している。現在、確認できる最古の漢字であるため、甲骨文に現れた形から、なぜこのような字形になったかという字形解釈の典拠にされている。

金文(きんぶん)とは、青銅器の表面に鋳込まれた、あるいは刻まれた文字のこと(「金」は青銅の意味)。中国の殷、周(しゅう、BC1046年頃からBC256年までに存在した中国古代の王朝で、殷を倒して王朝を開いた)のものが有名とされる。年代的には甲骨文字の後にあたる。考古学的には、「青銅器銘文」と称されることが多い。

殷は青銅器文化が発達した時代であり、この文字を器の表面に鋳込む技術は現在でも解明されていない。金文は「史記」のような後世になって書かれた資料とは違い、完全な同時代資料であるため、この時代を研究する上で貴重な資料となっている。金文は拓本や模写によって研究されてきた。

石などに刻まれた文章は「石文」と呼ばれ、一緒にして「金石文」と呼ばれる。またこれらを研究することを「金石学」という。

井上一光さんは1947年福岡県福岡市生まれ、1970年に立命館大学を卒業、1992年に「一墨会」を発足、2009年より21世紀書画作家国際交流協会会長、字統文字研究所所長、福岡文化連盟会員。甲骨文や金文を主なモチーフとし、中国古代文字が内包する壮大な世界観、宇宙観を白川静(しらかわ・しずか、1910-2006)文字学に学びながら、書芸術のセッション「書の古典からアート・オブ・クリエイション(THE ART OF CREATION)」をテーマに、国内外で個展、会派展で活動している。現代空間にも調和する書と表装のコラボレーションにも取り組み、その可能性を探求し続けているとしている。

開場時間は10時30分から17時30分(最終日は16時)。入場は無料。