「牛角」でウルグアイ産牛肉、牧草飼育でかぶりつきで食べる

【銀座新聞ニュース=2019年7月12日】国内最大の外食グループ、コロワイド(神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1、ランドマークタワー)傘下で、焼肉レストランの「牛角」や「居酒家土間土間」などを運営するレインズインターナショナル(神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1、ランドマークタワー、0120-142-029)は9月1日まで「牛角八重洲店」(中央区八重洲1-7-10、八重洲YKビル、03-6202-1129)など全625店で「ウルグアイ産牛肉」メニューを提供している。

口蹄疫の発生により2000年10月以降、日本に輸出されていなかったウルグアイ産牛肉が2019年2月に対日輸出が解禁されたのを受けて、ステーキチェーンの「ブロンコビリー」が5月27日から中京地区を中心とした136店でウルグアイ産牛肉を使ったメニューを販売したのに続いて、「牛角」もこのほどウルグアイ産牛肉を使ったメニューの提供をはじめた。

国土の約8割が草原というウルグアイでは、 牛は放牧されて牧草を食べて育ち、エサとなるライグラスなどの良質な牧草を食べて育った牛は品質がよく、やわらかさと旨味の強さが特徴とされている。成長ホルモンを使用しない、自然環境の下で育てた牛は「グラスフェッドビーフ(牧草飼育牛)」と呼ばれている。

また、赤身は一般的に低カロリー高タンパク質といわれており、「牛角」ではウルグアイ産牛ヒレ肉を60日間熟成し、厚切りカットで提供している。

メニューはヒレ肉を厚切りカットし、ナイフで切らなくてもそのままがぶりついても食べられる「牛ヒレ肉のガリバタステーキ」(税別980円)、ご飯にガーリックチップ、フライドオニオン、ブラックペッパーをかけた「スタ★めし」(中サイズのみ、280円)に乗せると、「スタミナ牛ヒレ丼」になるという。そのほか、「牛ヒレ肉の切り落とし」(690円)など全7商品を提供している。

ジェトロ(日本貿易振興機構)によると、ウルグアイ産の牛肉は2000年に同国で口蹄疫が発生し、同年10月以降、日本に輸出されていなかった。これに対して、ウルグアイの要望を受けて、2018年3月に対日輸出を認めることで政府間合意に達し、同年11月に家畜衛生条件を締結し、12月に現地調査も終え、同月に首相の安倍晋三(あべ・しんぞう)さんと大統領のタバレ・バスケス(Tabare R.Vazquez Rosas)さんが、日本産牛肉とウルグアイ産牛肉の輸出を相互に解禁することで合意していた。

これを受けて、2019年2月7日に農水省が同国からの対日向け輸出の牛肉処理施設として、16カ所を指定し、19年ぶりの対日輸出が実現することになった。今回、19年ぶりの対日輸出に携わったのは、日本ハムが2017年4月に子会社化した大手食肉処理会社のブリーダーズ&パッカーズ・ウルグアイ社、ウルグアイ資本で国内大手のフリゴリフィコ・ラス・ピエドラス社、ウルグアイ資本のフリゴリフィコ・マタデロ・パンド社の3社だ。

ウルグアイ食肉協会(INAC)の統計では、2018年のウルグアイの牛肉輸出量(骨付きの重量)は、前年比5.06%増の46万9207トンで、主要輸出先国が中国の52.2%、次いでアメリカ(14.9%)、EU(11.4%)、ロシア(4.9%)、イスラエル(4.3%)となっている。

ウルグアイの農牧業は他国に比べ、農業従事者に対する保護(手当て、農業機械などの援助)が弱く、このため、ヘクタール当たりの収益が少なく、その分、生産された農牧産品は「有機(オーガニック)食」や「自然食」といった市場に適しているとされている。

また、日経新聞によると、2019年1月から4月の貿易統計では、ウルグアイ産牛肉の輸入量は5トン。最大はオーストラリア産の9万5316トン(前年同期比0.1%増)、2位がアメリカ産で9.8%増の7万8451トン、3位がカナダ産で86.4%増の1万1302トン、ニュージーランド産が83.5%増の7083トンとなっている。

中央区とその近隣では「牛角八丁堀八重洲通り店」(中央区八丁堀2-14-4、ヤブ原ビル、03-5541-6229)、「牛角八重洲店」(中央区八重洲1-7-10、八重洲YKビル、03-6202-1129)、「牛角新橋店」(港区新橋3-15-3、TKK第2新橋ビル、03-5408-3929)がある。

営業時間は八丁堀八重洲通り店が17時から24時、八重洲店が17時(土・日曜日、祝日は16時)から23時30分、新橋店が17時(土・日曜日、祝日は16時)から24時。