丸善丸の内で岡田千晶、山福朱実ら絵本作家「おもちゃ」展、トーク、ワークも

【銀座新聞ニュース=2019年8月19日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は8月21日から27日まで4階ギャラリーで山福朱実さん、堀川理万子さんらによる「絵本作家のおもちゃ展 Picture Book Artists make Toys」を開く。

12人の絵本作家が触れて、遊べるおもちゃを作る、もうひとつの物語で、オブザーバーで絵本作家、絵本評論家の広松由希子(ひろまつ・ゆきこ)さんは「12人の絵本作家がつくる、おもちゃたちがやってくる。ふわふわ・ひらひら・ガチャガチャ・のそのそ・キコキコ・パクパク・てくてく・ドキドキ・ころころ・ぷらぷら・ゴロゴロ・ピカピカ……だれだ、おまえは?なんだ、これは?いっしょにあそぼ。」としている。

今回、出品しているのは、石井聖岳(いしい・きよたか)さん、岡田千晶(おかだ・ちあき)さん、おくはらゆめさん、かとうまふみさん、加藤休ミ(かとう・やすみ)さん、くまあやこさん。

こみねゆらさん、そのだえりさん、堀川理万子(ほりかわ・りまこ)さん、松田奈那子(まつだ・ななこ)さん、山福朱実(やまふく・あけみ)さん、わたなべさとこさん。

石井聖岳さんは1976年静岡県生まれ、1997年に名古屋造形芸術短期大学を卒業、同年、メキシコ・オアハカ州ルフィーノタマヨ版画工房にて個展を開き、2000年に学童保育でアルバイトしながら、子どもの本専門店メリーゴーランドの絵本塾に通い、「つれたつれた」で絵本作家としてデビューし、2007年に「ふってきました」(講談社)で第13回日本絵本賞、第39回講談社出版文化賞絵本賞、2009年に「おこだでませんように」(小学館)で第55回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選定されている。

岡田千晶さんは大阪府生まれ、高校卒業後に大阪の新聞広告デザイン会社に入社、その後、独立してイラストの仕事をし、セツ・モードセミナーを卒業、2010年に絵本「うさぎくんとはるちゃん」を刊行し、ボローニャ国際絵本原画展で入選している。絵本に「だいすきのしるし」や「ぽっつんとととは あめの おと」などがある。

おくはらゆめさんは1977年兵庫県生まれ、辻学園日本調理師専門学校を卒業、2005年に、MOE絵本・イラスト大賞で年間グランプリ佳作、2006年に第12回おひさま大賞最優秀賞、2007年に第8回ピンポイント絵本コンペ入選、「ワニばあちゃん」でデビュー、第1回モエ(MOE)絵本屋さん大賞新人賞、「くさをはむ」で第41回講談社出版文化賞絵本賞、その他「チュンタのあしあと」や「まんまるがかり」、「やきいもするぞ」などがある。

かとうまふみさんは1971年福井県生まれ、北海道育ち、北海道教育大学を卒業、ディスプレイの企画制作の仕事に携わり、28歳で上京し、絵本のワークショップ「あとさき塾」で学び、1996年に「アーバナート#6」で審査員賞、2001年に「ピンポイントギャラリー絵本コンペ」で優秀賞、同年に「ぎょうざのひ」で絵本作家としてデビューし、2004年に「えんぴつのおすもう」などを刊行している。

加藤休ミさんは1976年北海道生まれ、2010年に築地で「魚展」を開催している。2005年に「第5回装画を描くコンペテイション」で入選、2010年に「ともだちやま」で第11回ピンポイント絵本コンペ優秀賞を受賞し、受賞作をもとに新たに描き下ろしている。

くまあやこさんは神奈川県生まれ、中央大学ドイツ文学専攻を卒業、イラストレーション青山塾ドローイング科を修了、灘本唯人(なだもと・ただひと、1926-2016)塾で絵を学び、犬をモチーフにした絵を描き、アクリル絵具、色鉛筆などによる混合技法で制作している。2004年より銅版画(エッチング・アクアチント)でも制作している。

書籍のさし絵や装画などを手がけており、第4回TIS公募展で入選(第8回で入選し、網中=あみなか=いづる賞、メグホソキ賞、第9回で入選し、南伸坊=みなみ・しんぼう=賞、五月女ケイ子=さおとめ・けいこ=賞)、2005年にHBファイルコンペ2005で副田高行(そえだ・たかゆき)特別賞、装画を描くコンペティションで作田えつ子(さくた・えつこ)賞を受賞している。また、絵本「そだててあそぼう『マンゴーの絵本』」や「きみといっしょに」、詩画集「犬ト詩ウ」などを刊行している。

こみねゆらさんは1956年熊本県熊本市生まれ、東京芸術大学絵画科を卒業、同大学大学院を修了、1985年にフランス政府給費留学生としてフランスに留学し、エコール・デ・ボザールで学び、絵本、人形の仕事をはじめ、1994年に帰国し、フランスにいた1992年に絵本「レ・デュ・スール(Les deux soeurs、ふたりの姉妹)」でデビューした。

2004年に「さくら子のたんじょう日」で日本絵本賞、2012年に「ともだちできたよ」で日本絵本賞を受賞した。2015年に「オルゴールのくるくるちゃん」で講談社出版文化賞絵本賞を受賞した。

そのだえりさんは1981年生まれ、昭和女子大学住居建築学科を卒業、東洋美術学校グラフィック・デザイン科を卒業、2007年にイタリア・ボローニャ国際絵本原画展で入選し、2009年に最初の絵本「セルビス・デュ・ヌイ(Service de nuit)」をフランスで出版、「こわくないもん」を刊行し、現在世界26カ国96人の作家によるイラスト展「ブルー・ブック・グループ(Blue Book Group)展2010年」のメンバーで、日本児童出版美術家連盟会員。

堀川理万子さんは1965年東京都生まれ、東京芸術大学美術学部デザイン科を卒業、同大学、院を修了、絵本に「ぼくのシチュー、ままのシチュー」や「おへやだいぼうけん」、「げんくんのまちのおみせやさん」、「権大納言とおどるきのこ」などがある。

松田奈那子さんは1985年北海道生まれ、2009年に札幌大谷大学短期大学部専攻科美術専攻を卒業、2011年に多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程(修士)絵画専攻を修了した。2004年から2009年まで道展に毎回出展(2004年に新人賞、2006年に協会賞、2008年に会友賞)、2007年に第16回青木繁(あおき・しげる)記念大賞展に出品、北海道新聞文化面のカットを連載した。

2009年から2013年(2012年除く)まで三菱商事アート・ゲート・プログラムに入選、2009年に第73回新制作展で新作家賞(2010年、2012年入選)、2011年に第49回モエ(MOE)イラスト・絵本大賞で入賞、2012年に第1回白泉社モエ(MOE)絵本グランプリでグランプリを受賞している。また、2015年から2017年の2年間、北アフリカのモロッコで暮らしている。

山福朱実さんは1963年福岡県北九州市若松区生まれ、18歳で上京し、東京演劇アンサンブルの俳優養成所を卒業、1986年頃に映画監督の本橋成一(もとはし・せいいち)さんが率いる映画館「ポレポレ東中野」、カフェ「ポレポレ坐」の立ち上げに参加し、数々のイベントを担当し、1987年頃より、屋号「猫柳あけみ」として、店舗ロゴやイラストルポ、雑誌のカットや装画、ポスターなどのイラストの仕事をはじめる。

2000年ころに屋号「ネコヤナギジムショ」として、絵描きグッズを制作販売するほか、メキシコやバリでツアーを企画主催、2004年より木版画の制作をはじめ、同年に初個展を開き、2005年に小川未明(おがわ・みめい、1882-1961)原作の「砂漠の町とサフラン酒」(架空社)の木版画絵を担当し、2007年に初の創作絵本「ヤマネコ毛」(パロル舎)を刊行し、2016年に石牟礼道子(いちむれ・みちこ)さん原作の「水はみどろの宮」で木版画と紙版画を組み合わせた約50点のさし絵を描いた。2010年から屋号「樹の実工房」としている。

わたなべさとこさんは1961年京都府生まれ、1983年に京都精華大学造形学部洋画科を卒業、和菓子メーカーの企画室勤務を経て、1989年よりフリーのイラストレーターになり、2012年から「手から手へ・絵本作家から子どもたちへ3.11後のメッセージ」展に参加している。2012年に「第9回ポンツゥーン(PONTOON)装画コンペティション(vol.9)」で大賞、2015年にボローニャ国際絵本原画展で入選している。

広松由希子さんは1963年アメリカ・ロサンゼルス生まれ、ちひろ美術館学芸部長を経て、2000年にフリーになり、絵本の研究、評論、執筆のほか、展示企画、講座やワークショップを展開している。国際アンデルセン賞国内審査員などを務めている。2006年にNHK「わたしの絵本-夢の続き」で、絵本ソムリエとして出演した。

24日15時からトークイベントを開く。出演するのは山福朱実さん、石井聖岳さん、加藤 休ミさん、そのだえりさん、広松由希子さん、堀川理万子さん。

25日15時からワークショップをJ開く。岡田千晶さんが「ゆれるちょうちょをつくろう」、おくはらゆめさんが「動物つみき」、かとうまふみさんが「かんたん 指人形作り」、くまあやこさんが「紙人形をつくろう!」、松田奈那子さんが「糸を引くとグングン登る、のぼり人形」、わたなべさとこさんが「立体絵合わせパズル」をつくる。

開場時間は9時から21時(最終日は16時)、入場は無料。イベントはいずれも事前の予約が必要。終了後にサイン会を開く。