弥栄画廊で金子国義展、独自のエロティシズムの世界

【銀座新聞ニュース=2019年8月23日】弥栄画廊銀座店(中央区銀座7-10-8、第五太陽ビル、03-6263-9707)は8月23日から9月8日まで金子国義回顧展を開く。

弥栄画廊銀座店で8月23日から9月8日まで開かれる金子国義回顧展に出品される作品。

金子国義は1965年にフランス文学者の渋沢龍彦(しぶさわ・たつひこ、1928-1987)の知遇を得て、銀座の青木画廊で個展を開き、1974年にイタリアのオリベッティ社から絵本「不思議の国のアリス」を発刊した。

以降、フランス作家のバタイユ(Georges A.M.V.Bataille、1897-1962)の「眼球譚」(邦訳は1967年)や「マダム・エドワルダ」(邦訳は1967年)などを題材とした制作で独特のエロティシズムの世界を確立した金子国義(かねこ・くによし、1936-2015)の作品約10点を展示する。

ウイキペディアによると、金子国義は世紀末的・デカダンスな雰囲気を漂わせる妖艶な女性の絵を得意とし、活動・表現領域は幅広いが、一般には「富士見ロマン文庫」(富士見書房)、「ユリイカ」(青土社)をはじめとする多くの書籍・雑誌の装幀画、さし絵を手がけた。

金子国義は1936年埼玉県蕨市生まれ、1959年に日本大学芸術学部を卒業、歌舞伎舞台美術家の長坂元弘(ながさか・もとひろ)に師事し、卒業後、グラフィックデザイン会社に入社するも3カ月で退社し、フリーで活動、1964年から独学で油絵をはじめ、1965年頃より渋沢龍彦(しぶさわ・たつひこ、1928-1987)と交流をはじめ、1966年に「O嬢の物語」(渋沢龍彦訳)のさし絵を担当した。

1967年に初個展を開き、以降、伊勢丹美術画廊、西武百貨店美術画廊などで個展を開く。1974年にイタリア・オリベッティ社の依頼で絵本「不思議の国のアリス」を発刊し、以降、絵画制作と並行して作品集、版画集、写真集などを刊行し、2015年に逝去した。享年78歳。

開場時間は11時から18時30分。月・火曜日は休み。

注:「金子国義」の「国」と「渋沢龍彦」の「渋沢」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として常用漢字を使用しています。