キリン、サッポロがホップ「ソラチ」誕生35年イベント

【銀座新聞ニュース=2019年9月4日】アルコール系飲料と清涼飲料など飲料の国内総合首位、キリンホールディングス(中野区中野4-10-2、中野セントラルパークサウス、03-6837-7000)グループのキリン(同上、03-6837-7001)傘下のキリンビール(同上、03-6837-7002)と、飲料業界第4位のサッポロホールディングス(渋谷区恵比寿4-20-1)グループのサッポロビール(渋谷区恵比寿4-20-1、0120-207-800)は9月5日から16日まで、ホップ「ソラチエース」の誕生35周年を記念して、共同で「ソラチエース誕生祭-こちらでソラチ、そちらでもソラチ」を開く。

キリンビールとサッポロビールが9月5日から16日まで共同で実施する「ソラチエース」の誕生35周年記念「ソラチエース誕生祭-こちらでソラチ、そちらでもソラチ」で提供される「ブルックリン ソラチエース」(左)と「ソラチ(SORACHI)1984」。

1984年に北海道空知郡上富良野町にある、サッポロビールの原料試験場(現バイオ研究開発部北海道原料研究センター)で開発されたホップ「ソラチエース」の誕生35周年を記念して、キリンビールグループの運営する店とサッポロビールグループが運営する店で、それぞれビールとセットした「ソラチエースペアリングセット」(税込1500円)を提供する。

キリンビール系の店舗は銀座ソニービル(中央区銀座5-3-1)地下4階にある「ビア・トゥ・ゴー・バイ・スプリング・バレー・ブリュワリー(“BEER TO GO” by SPRING VALLEY BREWERY、BTG)」で、サッポロビール系の店舗は「ビヤケラー東京(Bier Keller Tokyo)新橋店」(港区新橋2-19-10、新橋マリンビル、03-3569-6088)。

メニューはキリンビール系がアメリカのブルックリン・ブルワリー社の「ブルックリン ソラチエース」(瓶1本)とペアリングデリー2種で、デリーは季節野菜のカレーマリネ、スパイシーチポトレチキン、サーモンマリネ ディルグリーンソース、レモンとビーツのフムスの4種から選べる。「ブルックリン ソラチエース」のみは750円。デリー単品は各500円。

サッポロビール系が主にアメリカ産ソラチエースを使った「ソラチ(SORACHI)1984」(樽生1杯)とクリームチーズとドライクランベリー、秋刀魚のマリネ、2種のハム、自家製フォカッチャをセットで提供する。

サッポロビールによると、ソラチエースは1984年に北海道空知郡上富良野町にある、サッポロビールの原料試験場(現バイオ研究開発部北海道原料研究センター)で開発されたホップで、ヒノキや松、レモングラスを思わせるかなり個性的な香りを放つのが特徴となっている。

当時、日本国内ではピルスナースタイルのビールが主流で、マイルドなホップ香のアロマホップが好まれ、「ソラチエース」の強烈な個性を受け入れられず、その後、試験醸造にとどまり、長い間バイオ研究開発部の品種保存圃場に保存された。

「ソラチエース」は1994年にアメリカのオレゴン州立大学とのホップ遺伝資源交換のため、アメリカに渡ったが、その後も注目されず、一部の醸造所でビール醸造に使用されるのにとどまった。2002年ころにアメリカの有名なホップ産地、ワシントン州のヤマキ地方で農業を営む、ホップ農場マネージャーのダレン・ガメシュ(Darren Gamache)さんが、「ソラチエース」と出会い、多くの醸造所に「ソラチエース」を使ったビールの製造を頼んだ。

実際に醸造した醸造家から「製品の仕上がりがよくなる」や「深みがでる」、あるいは「レモン、ディル、松の香味などのバランスが絶妙」などといった評価を得た。当時のアメリカはクラフトビール(地ビール)ブームの芽が出始めていたころで、クラフトビールには欠かせない、「違いを作るホップ」として注目され、ワシントン州などで「ソラチエース」の栽培が盛んになっている。その後、アメリカ国内のほかヨーロッパでも「ソラチエース」が放つ個性的な香りが話題となっている。

2016年にサッポロビールが「イノベーティブ・ブリュワー(Innovative Brewer)」ブランドから「ソラチエース」を使用したクラフトビール「クラフト・ラベル・ザッツ・S・ホップ・伝説のソラチエース(Craft Label THAT’S HOP 伝説のSORACHI ACE)」を商品化した。

さらに、サッポロビールが今年4月に「イノベーティブ・ブリュワー」ブランドから「ソラチ(SORACHI)1984」(ゴールデンエール)を販売した。一方、キリンビールは「ソラチエース」を使用したアメリカの代表的なクラフトビールメーカー、ブルックリン・ブルワリー社の「ブルックリン ソラチエース」を2月から販売している。

「リカーページ」によると、ビールに使われるホップには、主に爽やかな香りを付けるアロマホップ、苦み付けのビターホップ、アロマホップよりも香りと苦味が穏やかで上品な味わいのファインアロマホップの3種類がある。ビールは主に大麦麦芽(モルト)と水、ホップと呼ばれる植物(ハーブの一種)からできており、その中でホップはビールの風味において重要で、どのホップを使用するかによって、できあがるビールの風味は違ってくる。

ホップには、ビールの濁りを取り除き、クリアな色合いにする役割、雑菌の繁殖を抑える働き、さらにもっとも重要な苦味や独特の香り付けという役割がある。は主に3種類のうち、どの種のホップを使用するかにより苦味や香りが変わる。

5日17時からいずれかの店舗で「ソラチエース」関連商品を注文すると、アンケート用紙をもらえ、回答したアンケートを、同日中にもう一方の店舗で渡すと、「ソラチ」のビールを1本もらえる。

営業時間はBTGが月曜日から土曜日が11時から23時(日曜日、祝日は22時)、ビヤケラーが月曜日から木曜日が17時(土・日曜日、祝日15時)から23時(金曜日23時30分、土曜日22時、日曜日、祝日は21時)。