丸善日本橋で人間国宝陶芸展、金重陶陽ら37人、辞退の波山らも

【銀座新聞ニュース=2019年9月8日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は9月11日から17日まで3階ギャラリーで「歴代人間国宝陶芸展」を開く。

丸善・日本橋店で9月11日から17日まで開かれる「歴代人間国宝陶芸展」に出品される富本憲吉の「色絵茶碗」。

歴代の重要無形文化財保持者(人間国宝)の陶芸作家37人の作品をはじめ、近・現代を代表する陶芸作家の作品も集め、展示即売する。また、没後60年になる、保持者に指定されるも辞退した北大路魯山人(きたおおじ・ろさんじん、1883-1959)、没後56年になる、元百五銀行頭取で、50歳過ぎてから作陶をはじめ、3人の人間国宝を支援した川喜田半泥子(かわきた・はんでいし、1878-1963)の2人の作品も出品する。

今回、出品しているのは1955年に第1回重要無形文化財保持者に認定された富本憲吉(とみもと・けんきち、1886-1963)、同じく1955年に第1回保持者に認定された荒川豊蔵(あらかわ・とよぞう、1894-1985)、同じく1955年に第1回保持者に認定された石黒宗麿(いしぐろ・むねまろ、1893-1968)、同じく1955年に第1回保持者に認定された浜田庄司(はまだ・しょうじ、1894-1978)。

1956年に保持者に認定された金重陶陽(かねしげ・とうよう、1896-1967)、1961年に保持者に認定された加藤土師萌(かとう・はじめ、1900-1968)、1970年に保持者に認定された三輪休和(みわ・きゅうわ、1895-1981)、1976年に保持者に認定された中里無庵(なかざと・むあん、1895-1985)。

1985年に保持者に認定された清水卯一(しみず・ういち、1926-2004)、1985年に保持者に認定された金城次郎(きんじょう・じろう、1912-2004)、1986年に保持者に認定された藤本能道(ふじもと・よしみち、1919-1992)、1993年に保持者に認定された松井康成(まつい・こうせい、1927-2003)ら。

また、1955年に保持者に指定されるも辞退した北大路魯山人、1960年に保持者の候補となるも辞退した板谷波山(いたや・はざん、1872-1963)、川喜田半泥子、1952年に無形文化財有資格者に認定され、1961年に無形文化財有資格者の認定を取り消された加藤唐九郎(かとう・とうくろう、1897-1985)、加藤唐九郎の長男、岡部嶺男(おかべ・みねお、1919-1990)、文化勲章、重要無形文化財保持者、芸術院会員などへの推挙をすべて辞退した河井寛次郎(かわい・かんじろう、1890-1966)らの作品も出品される。

ウイキペディアによると、文化財保護法は1949年1月26日の法隆寺金堂の火災により、法隆寺金堂壁画が焼損したのをきっかけに、文化財の保護について総合的な法律が不可欠となり、議員立法により制定され、1950年8月29日に施行された文化財の保存、活用と国民の文化的向上を目的とした法律だ。

有形、無形の文化財を分類し、その重要性を考慮して、国の場合は文部大臣(現文部科学大臣)または文化庁長官、都道府県の場合は都道府県知事、市町村の場合は市町村長による指定、選択、選定、認定あるいは登録により、文化財の保護のための経費の一部を公費で負担することができるようにした。

その以前の国宝保存法、史蹟名勝天然紀念物保存法、重要美術品等ノ保存ニ関スル法律の3法を統合し、無形文化財、民俗資料、埋蔵文化財を新たに保護対象に加え、保護対象を「文化財」という新しい概念をもとに包摂するという文化遺産保護制度の総合立法とされた。

これにより有形文化財、無形文化財、記念物、埋蔵文化財という文化財の類型が定義され、国は有形文化財のうち重要なものを重要文化財に、記念物のうち重要なものを史跡、名勝、天然記念物に指定するとされたが、さらに重点保護を講じるための措置として、これらの中でも特に重要なものを国宝、特別史跡、特別名勝、特別天然記念物に指定できるとする2段階指定制度が取り入れられた。

1954年に改正され、無形文化財に関しては、重要無形文化財の指定制度と、重要無形文化財の保持者の認定制度が設けられた。重要無形文化財の保持者として認定された者は「人間国宝」と呼ばれる。民俗資料に関しては、重要民俗資料の指定制度と無形の民俗資料の記録保存の制度が設けられた。

埋蔵文化財に関しては、周知の埋蔵文化財包蔵地における土木工事の規制が盛り込まれた。改正法に基づく最初の重要無形文化財及び保持者の指定、認定が行われたのは1955年2月15日となっている。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。入場は無料。

注:「浜田庄司」の「浜」は正しくは旧漢字です。氏名などは原則として常用漢字を使用しています。