三重テラス、GINZA Kanse等で三重産伊勢えびメニュー

【銀座新聞ニュース=2019年10月8日】三重県(三重県津市広明町13、059-224-3070)は10月31日まで三重テラス(中央区日本橋室町2-4、浮世小路千疋屋ビル、03-5542-1035)などで「三重県産伊勢えびメニュー」を提供している。

10月31日まで三重テラスで提供されている「伊勢えびのパスタ」。

10月1日から三重県で伊勢えび漁の全面解禁に合わせて、三重テラスのレストラン(03-5542-1030)、10月11日までフランス料理「ギンザカンセイ(GINZA Kansei)」(中央区銀座7-12-1、藤高ビル、03-6264-3319)などで提供している。

ほかに、7日から12日まで「赤坂とだ」(港区赤坂3-16-5、ユタカ産業ビル、03-6459-1277)、14日まで「ウェスティンホテル東京」(目黒区三田1-4-1、03-5423-7790)の22階「鉄板焼き 恵比寿」でコース料理として用意している。

「三重テラス」のレストランでは、伊勢えびメニューは「伊勢えびのリゾット 芳香な香りのビスクとクリーム風味」(4500円)、「伊勢えびとチェリートマトのリングイネバジリコの香り」(4500円)、「伊勢えびと旬野菜のインパデッラ タイムの香り」(5000円)、「伊勢えびのグリル ソマカツオのカッチョビマヨネーズで」(5000円)の4種類がある。

同じく三重テラスで提供中の「伊勢えびのグリル」。

「ギンザカンセイ」では「三重県産伊勢えびのヴァプール ソースアメリケーヌ」があり、「シェフのおまかせコース」(1万2000円)の中の1品として提供している。

ウイキペディアによると、「伊勢えび」はイセエビ科に属するエビの1種で、広義にはイセエビ科の数種を指す。別名として「外房イセエビ」(千葉県産)、「志摩えび」(三重県産)、「鎌倉えび」(神奈川県産)などがあり、全国水揚げ量1位は千葉県と三重県で、両県で全国漁獲量の40%を占めている。

体長は通常20センチから30センチほどで、日本では2017年4月に体長38.5センチ、体重2.33キロという国内最大クラスの個体が三重県志摩市で水揚げされた。雌雄を比較すると、オスが触角と歩脚が長いのに対して、メスは腹肢が大きく、第5脚(一番後ろの歩脚)が小さな鋏脚に変化している。

繁殖期は5月から8月で、メスはオスと交尾した後に産卵し、小さな卵をブドウの房状にして腹脚に抱え、孵化(ふか)するまでの1、2カ月間保護する。孵化した幼生はフィロソーマ幼生 (Phyllosoma)、または葉状幼生と呼ばれる形態で、広葉樹の葉のような透明な体に長い遊泳脚がついており、親とは似つかない体型をしている。

フィロソーマ幼生は海流に乗って外洋まで運ばれ、プランクトンとして浮遊生活を送る。その期間はイセエビ類でも種によって異なるが、イセエビの場合は約300日間に及ぶ。形態や生態が親とはあまりにもかけ離れているうえ、期間も長いことから、19世紀に発見された当初は誰もイセエビ類の幼生とは思わず、エビ目の中に「フィロソーマ」という分類群が作られたという逸話がある。

孵化時には体長1.5ミリほどで、成長につれて30回ほど脱皮して、体長30ミリほどに成長し、フィロソーマ幼生からプエルルス幼生 (Puerulus) という形態に変態する。プエルルス幼生はガラスエビと俗称されるようにフィロソーマ幼生とは一転して親エビに似た外見となるが、体はまだ透明で、しかも大顎や消化管が一時的に退化し、餌をとらないという特徴がある。

また、フィロソーマ幼生の時に蓄えた脂肪をエネルギーにし、脚で水をかいて泳ぎながら沿岸部の岩礁をめざす。ただし、プエルルス幼生がどのようにして沿岸部の位置を知るのかはまだわかっていない。岩礁にたどりついたプエルルス幼生は約1週間で脱皮し、親エビと同じ体型の稚エビとなって歩行生活をはじめる。1年で体長10センチ、2年で15センチ、3年で18センチ程度になると言われており、体長12センチ前後で成熟期をむかえる。

伊勢えびの名称が初めて記された文献は1566年の「言継卿記」と考えられている。江戸時代には、浮世草子の作者、井原西鶴(いはら・さいかく、1642-1693)が1688年の「日本永代蔵」の4「伊勢えびの高値」や1692年の「世間胸算用」で、江戸や大阪で諸大名などが初春のご祝儀(しゅうぎ)とするため、伊勢えびがきわめて高値で商われていた話が記されている。

1697年の「本朝食鑑」には「伊勢蝦鎌倉蝦は海蝦の大なるもの也」と記されており、海老が正月飾りに欠かせないものであるとも紹介している。1709年の本草学者の貝原益軒(かいばら・えきけん、1630-1714)が著した「大和本草」にも、イセエビの名が登場する。

イセエビという名の語源としては、伊勢がイセエビの主産地の一つとされていたことに加え、磯に多くいることから「イソエビ」からイセエビになったという説がある。また、兜(かぶと)の前頭部に位置する前立(まえだて)にイセエビを模したものがあるように、イセエビが太く長い触角を振り立てる容姿が鎧(よろい)をまとった勇猛果敢な武士を連想させ、「威勢がいい」を意味する縁起物として武家に好まれており、語呂合わせから定着していったとも考えられている。

イセエビを正月飾りとして用いる風習は現在も残っている。地方によっては正月の鏡餅の上に乗せるなど、祝いごとの飾りつけなどに用いられている。また、三重県の県魚に指定されている(1990年11月2日指定)。伊勢えびの漁獲は通年可能だが、三重県では県漁業調整規則により5月1日から9月30日(鳥羽市離島地域以北の海域においては9月15日)までを禁漁とし、産卵期を保護している。

農水省の「漁業・養殖業生産統計年報」によると、「いせえび」(52番)の漁獲量は2017年が1100トン、2018年が1200トンとなっている。うち、2018年では三重県が300トン、千葉県が200トンを占めている。

「カロリーSlism」によると、伊勢えびの栄養素はカロリーが1尾の場合(可食部は60グラム)、55キロカロリー、たんぱく質が12.54グラム、脂質が0.24グラム、炭水化物がゼロとなっており、ビタミン・ミネラルでは銅とビタミンEの成分が高い。糖質もゼロ。

「旬の食材百科」によると、伊勢えびにはタウリンが豊富で、血圧を正常に保ち、血栓や心筋梗塞を予防する働きや血液中の悪玉コレステロール(LDL)を減らし、善玉コレステロール(HDL)を増やす働きがあるとされ、脳卒中、高血圧、心臓病の予防に有効とされている。また、疲労回復効果や視力回復に有効とされている。

さらに、伊勢えびには強い抗酸化力があるビタミンB1が100グラム中3.8ミリグラムも含まれている。ビタミンB1の抗酸化作用は活性酸素を抑え体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあるので、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つと考えられている。

ゆでると赤くなる色素成分は「アスタキサンチン」というもので、これにも強い抗酸化力があり、発がんを抑制し、血液をサラサラにする効果があると言われている。さらに、エビ特有の甘味は脂肪によるものではなく、たんぱく質に含まれるグリシンやアラニンなどのアミノ酸によるもので、高タンパク低脂肪としている。

伊勢テラスの営業時間は10時から20時。ギンザカンセイが昼が12時から14時、夜が18時から20時30分。