資生堂ギャラリーでチュンとマエダが選ぶドゥラート、ルギヨンら「脱皮」展

【銀座新聞ニュース=2019年10月18日】国内化粧品業界首位の資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)は10月18日から12月22日まで資生堂ギャラリー(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル地下1階、03-3572-3901)でジェイ・チュンさんとキュウ・タケキ・マエダさんのセレクションによる展覧会「Surface and Custom」を開く。

資生堂ギャラリーで12月22日まで開かれているジェイ・チュンさんとキュウ・タケキ・マエダさんのセレクションによる展覧会「サーフェイスとカスタム(Surface and Custom、表面と習慣)」に出品される作品。左からピエール・ルギヨンさん、竹岡雄二さん、クララ・リーデンさん。

ドイツ・ベルリンを拠点に活動するジェイ・チュン(Jay Chung)さんとキュウ・タケキ・マエダ(Q Takeki Maeda)さんの2人組が今年4月にドイツのケルン・クンストフェラインで行われた個展「オーラティック・ナレイティブ(The Auratic Narrative)」で、資生堂のビジュアル・イメージを再構成したスライドショー「マウルティング(Moulting)」を発表した。

「マウルティング(Moulting)」とは脱皮や羽化を意味し、日本が近代化する過程において西欧の美学が果たした役割に興味を持った彼らは、資生堂がその先駆的存在として、西欧のモダンアートを積極的に取り入れていたことに注目し、資生堂の広告や前出の印刷物の中からモダンアートやファッション、ディスプレイシステム、都市の生活様式、社会的観念などのテーマに沿ってイメージを抜き出し、ビジュアル・ポエトリーを制作したという。

そこで、今回は「マウルティング」で扱われるテーマをもとにジェイ・チュンさんとキュウ・タケキ・マエダさんの2人が選んだ5人の現代美術の作家、ベルギー人のサーラ・ドゥラート (Sara Deraedt)さん、フランス人のピエール・ルギヨン(Pierre Leguillon)さん、スウェーデン人のクララ・リーデン((Klara Liden)さん、アメリカ人のカリッサ・ロドリゲス(Carissa Rodriguez)さん、日本人の竹岡雄二(たけおか・ゆうじ)さんの作品を展示する。

資生堂ギャラリーによると、サーラ・ドゥラートさんは 目の前で起こっている展覧会という状況に関心を持ち、観客をありのままに存在する作品に直面させることを意図しており、今回は未発表の作品を展示する。

「ミュージアム・オブ・ミステイクス(The Museum of Mistakes、間違い美術館)」を設立、運営するピエール・ルギヨンさんはアートがどのように社会に受け入れられるか、そのシステム自体をわれわれに再考することを問いかけている。彼の作品には、布が頻繁に起用され、今回は久留米絣の織元、下川強臓(しもがわ・きょうぞう)さんと共同制作したペインティング「メリダ(ペインティング・フォー・セール、バイ・ザ・メーター(Merida、Painting for Sale,by the Meter、ペイントはメートル単位で販売)」を展示し、会期中に販売する。

クララ・リーデンさんは、都市のインフラストラクチャーと社会構造を一つの道具とし、そのフレームの中で自身の身体やその存在を発動させる。彫刻やインスタレーション、 自発的に見せる方式で、街が提供するもの、例えば、公共のゴミ箱やATM、標識、フェンスなどの素材を利用し、東京に滞在して制作した新作を発表する。

カリッサ・ロドリゲスさんは、自らを他の分野からアートにやって来たアートへの不法侵入者だと定義しており、アート活動を職業として認識し、いつでも次の世界に行くことができるように、自身の内的、外的、意識的、無意識的な状態を統合しており、作品や展覧会はその企てのための「証拠」と考えている。今回は昨年、ニューヨークのスカルプチャーセンターの個展で発表した映像作品「メイド(The Maid)」を紹介する。

竹岡雄二さんは1970年代に「もの」を現象として考察することから始め、試行錯誤の末、台座そのものを作品とする「台座彫刻」という形式を考案し、作品と共にある空間に意識を向けた「空間の呈示」、さらには「空間ディスポジション(転移・転換)」という概念でアートを実践している。今回は1986年にデュッセルドルフのコンラッドフィシャー・ギャラリーの初個展で発表したドローイングを展示する。

ジェイ・チュンさんは1976年米国マディソン生まれ。キュウ・タケキ・マエダさんは1977年愛知県生まれ、ドイツ・フランクフルト・シュテーデルシューレ大学で出会って以来、共にベルリンに在住し、2002年からコラボを開始し、ベルリンを拠点に活動し、主にヨーロッパ各地やアメリカで展覧会を行っている。日本では2018年に「第10回恵比寿映像祭」、同年に「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」などの展覧会に参加している。

サーラ・ドゥラートさんは1984年ベルギー・リーデケルケ生まれ、ブリュッセルに在住している。

ピエール・ルギヨンさんは1969年フランス・ノジャン・シュル・マルヌ生まれ、ブリュッセルに在住し、2013年に「間違い美術館」をブリュッセルに設立している。

クララ・リーデンさんは1979年スウェーデン・ストックホルム生まれ、ベルリンに在住している。

カリッサ・ロドリゲスさんは1970年アメリカ・ニューヨーク生まれ、現在、ニューヨークに在住している。

竹岡雄二さんは1946年京都府京都市生まれ、現在、デュッセルドルフに在住している。

20日14時からシセイドウ・ザ・ストア(SHISEIDO THE STORE、中央区銀座7-8-10、03-3571-7735)4階のシセイドウ・ザ・テーブル(SHISEIDO THE TABLES)で、ジェイ・チュンさん、キュウ・タケキ・マエダさんと、出品している作家によるギャラリートークを開く。定員は30人で、参加費は無料。

開場時間は11時から19時(日曜日、祝日は18時)。月曜日は休み。

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