東映「鉄道員」20周年記念上映、大竹しのぶ、広末涼子ら挨拶

【銀座新聞ニュース=2019年10月23日】大手映画配給会社で、国内映画業界第2位の東映(中央区銀座3-2-17、03-3535-4641)は11月9日に丸の内TOEI(中央区銀座3-2-17、03-3535-4741)で「鉄道員(ぽっぽや)」の公開20周年記念上映会を開く。

1999年6月5日から公開された「鉄道員(ぽっぽや)」のフライヤー((C)「鉄道員(ぽっぽや)」製作委員会)。

9日15時30分に開演し、映画「鉄道員(ぽっぽや)」で主人公・幌舞の駅長、佐藤乙松の妻「静枝」役の大竹(おおたけ)しのぶさん、佐藤乙松の娘で高校生「雪子」役の広末涼子(ひろすえ・りょうこ)さん、佐藤乙松の同僚で美寄駅の駅長「杉浦仙次」役の小林稔侍(こばやし・ねんじ)さん、撮影を担当した木村大作(きむら・だいさく)さんが舞台に登場してあいさつする。

「鉄道員」は作家の浅田次郎(あさだ・じろう)さんの短編小説で、「小説すばる」(集英社)に1995年11月号に掲載され、後に同名の短編集にまとめられ、1997年4月に集英社から刊行され、第117回直木賞を受賞し、140万部を売り上げるベストセラーとなった。

映画版は1999年に降旗康男(ふるはた・やすお、1934-2019)が監督を務め、岩間芳樹(いわま・よしき、1929-1999)と降旗康男が共同脚色し、撮影を木村大作(きむら・だいさく)さんが担当し、高倉健(たかくら・けん、1931-2014)が主演して映画化され、2000年の第23回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀主演男優賞など主要9部門をほぼ独占し、ウイキペディアによると、興行収入が20億5000万円だった。

物語は主人公の佐藤乙松(高倉健)、北海道の幌舞線(ほろまいせん)の終着駅幌舞の駅長の姿を描いている。乙松は、鉄道員(ぽっぽや)一筋に人生を送ってきた男で、幼い一人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、彼はずっと駅に立ち続けてきた。だが、その幌舞線も今度の春で廃線になることが決まっていた。

その最後の正月、かつて乙松と共に機関車を走らせていた同僚で、今は美寄駅の駅長の杉浦仙次(小林稔侍=こばやし・ねんじ=さん)が乙松を訪ねて幌舞駅へやってきた。彼は、今年で定年になる乙松に一緒にリゾートホテルへの再就職を勧めにやってきた。しかし、鉄道員一筋の乙松はその申し出を受け入れようとしない。

やがて、終電が終わるとふたりは酒を酌み交わし、懐かしい想い出話に花を咲かせた。数々の出来事が、乙松の脳裡に蘇っていく。一人娘の雪子(幼少時は山田=やまだ=さくやさん、小学校6年生は谷口紗耶=たにぐち・さやか=さん、高校生が広末涼子=ひろすえ・りょうこ=さん)の誕生と死、炭坑の町として幌舞が賑わっていた頃のこと、機関士時代の苦労、愛妻・静枝(大竹=おおたけ=しのぶさん)の死。

そんな乙松の前に、ひとりの少女が現れる。どうやら、正月の帰省で都会からやってきた子どもらしい。乙松は、あどけない少女に優しく話しかけながら、その少女に雪子の面影を重ねていた。その夜、昼間の少女が忘れていった人形を取りに来たと言って中学生の姉が駅舎を訪れた。

乙松は、彼女を歓待してやるが、彼女もまた人形を忘れて帰ってしまう。さてその翌日、杉浦が美寄に帰った後に、またしてもふたりの少女の姉と名乗る高校生がやってきた。17歳の彼女は鉄道が好きらしく、乙松の話を聞いたりして楽しい時間を過ごした。だが、実は彼女は17年前に死んだ乙松の子供・雪子だった。

チケットはチケットぴあを通じて発売中で、料金は1500円均一。収益の一部は「幌舞駅」が根室本線の幾寅駅を改造して撮影されたことから、現在も「幾寅駅」にロケセットが置かれており、その維持費として南富良野町に寄付される。