銀座で秋祭り、6流派、芸大が茶席、パラ体験、子供歌舞伎も

【銀座新聞ニュース=2019年10月25日】全銀座会(中央区銀座4-6-1、銀座三和ビル、03-3561-0919)は11月3日まで銀座中央通りなどで「オータム・ギンザ(AUTUMN GINZA)2019」を開いている。

11月3日に泰明小学校で公演する「新富座こども歌舞伎の会」の子どもたち。画像は過去の公演風景。

銀座中央通りなどで茶会を開いたり、障害者スポーツの体験会、有楽町駅前で国産農産物チャリティー頒布会を開いたり、泰明小学校で新富座こども歌舞伎を催すなど、毎年恒例のさまざまなイベントが予定されている。

28日まで銀座三越9階銀座テラスで「学生創作茶席」を開いている。日本建築学会が主催する、日本建築学会建築文化週間・学生グランプリ2019「銀茶会の茶席」で学生による茶室のデザインを募集し、優秀作品を展示し、実際、茶席として使用する。

期間中、武者小路千家が26日13時30分と14時30分から茶席を開く。表千家が27日13時、13時30分、14時、14時30分、15時、15時30分の6回、茶席を開く。26日は12時30分と13時30分に、27日は12時10分、13時10分、14時10分に茶席券を配布する。

28日まで銀座・伊東屋10階「ハンドシェイク・ラウンジ(HandShake Lounge)」で「東京芸大イン(in)銀茶会2019」を開く。芸大工芸科の教員と大学院生が作品を展示する。

11月2日に落語会を開く柳家さん生さん。

27日13時から16時まで銀座通り1丁目から8丁目で「千家」など茶道6流派が参加する「銀茶会」を開く。2019年で18回目となる茶会で、12時から茶席券を配布する。参加するのは表千家、裏千家、武者小路千家、江戸千家、遠州流茶道、和敬茶道倶楽部。

表千家は千利休(せんの・りきゅう、1522-1591)を祖とする千家の家督を継いだ千家流茶道の本家であり、宗家は京都市上京区小川通寺之内通上るにある。千利休の孫で、3代・千宗旦(せんそうたん、1578-1658)の3男、千宗左(せん・そうさ、1619-1672)が千宗旦の隠居に伴い、継嗣として「不審庵(ふしんあん)」を継承し、「表千家」の家元となった。

「裏千家」は千宗旦の死後、「不審庵」の裏にある「今日庵(こんにちあん)」を4男の千宗室(せん・そうしつ、1622-1697)が受け継いで独立し、「裏千家」とした。宗家は京都市上京区小川寺之内上ルにある。

「武者小路千家」は千宗旦の次男、千宗守(せんの・そうしゅ、1595-1675)が養子先から戻ってきて、京都武者小路に「官休庵(かんきゅうあん)」を建て、起こしたのが「武者小路千家」だ。こうして表・裏・武者小路の「三千家」が成立した。宗家は京都市上京区武者小路通り小川東入にある。

「江戸千家」は川上不白(かわかみ・ふはく、1716-1807)に始まる茶道の流派で、家元は台東区池之端にある。

「遠州流」は小堀政一(こぼり・まさかず、1579-1647)に始まる小堀家本家に伝わる武家茶道の一派で、宗家は東京都新宿区にある。

「煎茶道」は江戸時代初期に禅宗の一つである黄檗宗(おうばくしゅう)を開いた隠元隆琦(いんげん・りゅうき、1592-1673)が開祖とされている。現在も全日本煎茶道連盟の事務局は京都の黄檗山万福寺内に置かれている。

26日13時から銀座料理飲食業組合連合会(中央区銀座4-10-6、銀料ビル、03-3541-7856)が数寄屋橋公園(銀座5丁目)で、「おいしい国産農産物チャリティー頒布(はんぷ)会」を開く。北海道、宮城、山形、岩手、新潟、福井、長野、群馬、埼玉、茨城、岡山、鳥取、広島、高知、大分、熊本の16道県が野菜、果物、新米などの農産物をチャリティーとして出品し、100円以上寄付すればもらえる。約2000人に配布し、収益金は中央区社会福祉協議会に寄付する。

27日13時から銀座通り2丁目の「三菱自動車 マイガーデンギンザ(MI-Garden GINZA)」で、「知って 体験 障害者スポーツ」を開く。体験できる種目は「ボッチャ」で、「王子ホールドスターズ」が講師を務める。また、パラリンピックについて紹介するパネルを展示する。

11月2日12時から17カ所の画廊が参加する「アフタヌーン・ギャラリーズ」を開く。参加するのは柴田悦子画廊、宝満堂、ギャラリーアートもりもと、銀座柳画廊、日動画廊、ザ・ギンザ スペース、ヒロ画廊、創英ギャラリー、至峰堂画廊銀座店、アールグロリュー、ギャラリー広田美術、ギャルリーためなが、ギャラリー林、銀座黒田陶苑、門司ファインアートギャラリー、資生堂ギャラリー、東京画廊+BTAPの17画廊だ。

2日11時30分から12時20分まで三井住友銀行銀座支店で柳家さん生(やなぎや・さんしょう)さんによる落語会を開く。すでに募集は締め切っている。

4日11時から12時まで銀座会議室で「画廊とアートQ&Aレクチャー」を開く。参加費は無料で、希望者はメール(info@ginza-galleries.com)で申し込む。29日締め切り。

3日13時30分から中央区立泰明小学校(中央区銀座5-1-13)の校庭特設舞台で、「新富座こども歌舞伎の会」(中央区新富1-17-10、03-3551-2893)が公演する。小学生が口上と「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)大川端庚申塚(おおかわばたこうしんづか)の場」と、「白浪五人男(しらなみごにんおとこ)」の「稲瀬川勢揃の場(いなせがわせいぞろいのば)」を演じる。

「三人吉三」は1860年正月に江戸市村座で初演された歌舞伎の演目で、「三人吉三廓初買(さんにんきちさ・くるわのはつがい)」が正式な名称で、世話物(江戸時代の庶民の日常そのものである市井の話題や風俗などを扱った演目)、白浪物(盗賊を主人公とした一連の世話物の演目の通称)で、2代目河竹黙阿弥(かわたけ・もくあみ、1816-1893)作の全7幕だ。

和尚吉三(おしょう・きちさ)、お嬢吉三(おじょう・きちさ)、お坊吉三(おぼう・きちさ)と名乗る3人の盗賊「吉三郎(きちさぶろう)」を中心に、彼らを取り巻く者たちの複雑な人間関係を描く、物語性の高い演目で、100両の金と短刀「庚申丸(こうしんまる)」をめぐる因果応報の末に、差し違えて死ぬところで幕引きとなる。

特に有名なのが「大川端庚申塚の場」で、節分の夜、大川端庚申塚で夜鷹(よたか)を川に突き落とし、小判100両を奪ったお嬢吉三が朗々と唄いあげるかのようにまわすセリフで、最後に「こいつぁ春から 縁起がいいわえ」という「厄(やく)払い」と呼ばれる独白(どくはく)が、歌舞伎の名セリフ中の名セリフとして知られている。

そこにお坊吉三が現れ、その金をよこせと無理をいい、斬り合いはじめた2人に割って入ったのは和尚吉三で、この3人が意気投合し、梅の木の下で義兄弟の契りを結ぶ場面で、序幕の圧巻とされている。初演時は評判にならず、30年ほど経って吉原遊郭を舞台にした部分を省略し、「三人吉三巴白浪」という外題で再演されると、評判となり、以後歌舞伎の代表的な作品のひとつとして、今日もよく上演されている。

「白浪五人男」は「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」が正式名称で、1862年に江戸市村座で初演された歌舞伎の演目だ。通称が「白浪五人男」、世話物(白浪物=盗賊が活躍する歌舞伎狂言の総称)で、2代目河竹黙阿弥(かわたけ・もくあみ、1816-1893)作で、全3幕9場で構成されている。

「稲瀬川勢揃いの場」は2幕目第3場で、「志らなみ」の字を染め抜いた番傘を差して男伊達の扮装に身を包んだ5人男の名乗りが名高い。花道を堂々と登場後、舞台に来て捕り手を前に5人組が勢揃いし、1人ずつ「渡り台詞」で見得を切り、縁語や掛詞を駆使した七五調のリズミカルな「連ね」で名乗る姿には歌舞伎の様式美が凝縮されている。

期間中、三井住友トラスト・ホールディングス(千代田区丸の内1-4-1、03-6256-6000)傘下の三井住友トラストクラブ(中央区晴海1-8-10、トリトンスクエアX棟)が運営する「ダイナースクラブ」が11月3日まで「銀座レストランウィーク2019オータム(Autumn)」を開いている。参加店で事前に予約すると、ランチ3300円(サービス料、税込)、ディナー1万1000円(同、食前酒付)で提供する。会員以外でも利用できる。ネット(https://www.diners.co.jp/ja/event/evt_ginzarestaurant2019autumn.html)から確認して店舗に予約する。

また、11月3日まで銀座のバーが参加する「オータム・ギンザ・ナイト」を開いている。参加14店がギムレット、ネバダ、バラライカ、サイドカー、マルガリータの5種のカクテルについて、1杯1500円(税別)で提供する。ただし、ほかにテーブルチャージがかかる。