東宝11月映画、29%減の14億円、10年2月も下回る

【銀座新聞ニュース=2019年12月11日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)は12月10日、11月の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年同月比29.1%減の14億5059万円で、3カ月ぶりにマイナスだったと発表した。

11月1日から一般公開されている「マチネの終わりに」((C)2019 フジテレビジョン アミューズ 東宝 コルク)。11月の新作はこの1本のみで、11月の映画営業部門興行成績は20億円を割った。

11月は例年、9月、10月と並んで需要の端境期で、年間を通じて比較的観客が少ないため、売上高も30億円前後で推移することが多い。2012年が53億円、2013年が68億円、2014年が29億円、2015年が34億円、2016年が35億円、2017年が24億円、2018年が20億円だった。

2019年11月はアニメ「天気の子」がトップ10から外れた14週目以降も上映が続いているものの、新作が「マチネの終わりに」1本にとどまり、映画営業部門興行成績が20億円を割って、10億円台を記録したのは2010年2月の15億6262万円以来、9年9カ月ぶりとなる。また、単月の映画営業部門興行成績を公表している2009年1月以降では過去最低となる。

ただ、1月から11月の累計では738億4902万円と、2016年以来3年ぶりに年間の興行収入が700億円を突破している。

一方、トーホー(TOHO)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館(695スクリーン)の11月の入場料収入(売店収入は除く)は同10.9%減の48億9292万円だった。2013年6月発表からトーホーシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員を公表するのを止めている。

11月の新作は1日に公開された「マチネの終わりに」の1本だった。

興行通信社の映画興行ランキングによると、11月2日、3日の週は「マチネの終わりに」が初週で3位と、トップ10入りは前の週より1本減って1本だった。

9日、10日の週は「マチネの終わりに」が2週目で5位と、トップ10入りは前の週と同じく1本だった。

16日、17日の週は「マチネの終わりに」が3週目で5位と、トップ10入りは前の週と同じく1本だった。

23日、24日の週は「マチネの終わりに」が4週目で8位と、トップ10入りは前の週と同じく1本だった。

11月の主な配給作品は「マチネの終わりに」、「天気の子」、「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦」、「記憶にございません!」、「空の青さを知る人よ」など。