リコー画廊で角田和夫が白黒と「ゴッホ」カラー展、銀座終了

【銀座新聞ニュース=2020年1月17日】国内最大のOA機器メーカーのリコー(大田区中馬込1-3-6、03-3777-8111)グループのリコーイメージング(大田区中馬込1-3-6)が運営するギャラリー「リコーイメージングスクエア銀座」(中央区銀座5-7-2、三愛ドリームセンター、03-3289-1521)は1月22日から2月9日まで8階ギャラリーゾーン「A.W.P」で角田和夫さんによる「哀糸豪竹」を開く。

リコーイメージングスクエア銀座で1月22日から2月9日まで開かれる角田和夫さんの「哀糸豪竹」に出品される作品((C)Kazuo Sumida/Zeta Image)。

また、リコーイメージングは1月16日に「リコーイメージングスクエア新宿」(新宿区西新宿1-25-1、新宿センタービル、中地下1階、0570-006371)に「リコーイメージングスクエア銀座」を統合して4月2日から「リコーイメージングスクエア東京」として業務をはじめると発表した。

これに伴い、リコーイメージングスクエア銀座は2月29日をもって業務を終了する。また、リコーイメージングスクエア新宿は3月25日から4月1日まで改装のため休止する。

リコーイメージングスクエア東京は従来の「ギャラリー1」と「ギャラリー2」をそれぞれ「ギャラリーA」と「ギャラリーR」に改称し、「ギャラリーA」は企画写真展を主体にしたアートギャラリーとし、写真家で東京工芸大学名誉教授の内藤明(ないとう・あきら)さんがアドバイザーに就任、「新しい映像表現に挑戦している新進気鋭の作家を中心とした芸術性の高い作品を鑑賞」する場となる。

「ギャラリーR」は、リコーとペンタックス製品で撮影した作品を対象とした、アマチュアとプロ写真家の発表の場となる公募展を運営する。また、フォトスクール用のスペースを常設し、「写真を学べるスペース」としての機能を強化し、写真セミナーを開いていく。

今回は写真家の角田和夫(すみだ・かずお)さんが過去に撮影してきたモノクローム作品と、初めてのカラー作品となる「ゴッホ」によって構成した作品を「哀糸豪竹(あいしごうちく)」との題名で、ゼラチンシルバープリントのモノクロームとピグメントプリントによるカラー作品約40点を展示し、すべて販売する。

角田和夫さんはゴッホ(Vincent Willem van Gogh、1853-1890)とは不思議な繋がりがあり、アルル国際写真フェスティバルを訪れた時に南フランスの光と色に洗礼を受け、それは世紀を跨いでゴッホが、南フランスで出会った光と色に開眼したのと同じ、としている。不思議にもゴッホの人生と重なるものを感じ、角田和夫さんはアルルへ再び足を運ぶこととなったという。

角田和夫さんは「幼少の頃から対人関係に悩み、就職した職場で上司からのいじめに遭い、世界が苦悩の闇に覆われた。内に閉じこもり、生きているのか死んでいるのか分からない絶望の中、なんとか20歳を迎えた頃、兄から1台の写真機を手渡された」という。それが角田和夫さんの写真との出会いとなった。

角田和夫さんにとって「カメラは、外に出るための魔法の道具」で、30歳の時、「愛すべき父の死を経験したことで、写真家として世界に挑戦する覚悟を決める」。そうして撮影したものはすべてモノクローム作品、時間と手間を惜しまず注ぎ込み生み出す渾身の銀塩写真だった。

今回の展示は、デジタルによる撮影で、今までの暗室作業をパソコンへと変えている。角田和夫さんにとってプリントとは、実在してくれる生きもので、「いつ死んでもおかしくない時期に養った繊細な心優しさと、苦しみに耐え抜いて、それでも生き抜くと誓った強烈な意志、その両面が写真表現の中で重奏し、世界への慈愛になることを願って、今回の写真展の名前をつけた」としている。

角田和夫さんは1952年高知県高知市生まれ 、高知県立高知工業高校機械科を卒業、大阪写真専門学院を卒業、1988年にコダック フォトサロン(東京、大阪)で個展を開き、その後、ニコンサロン(東京)、富士フォトサロン、コニカプラザなどで個展を開催、1999年に文化庁派遣芸術家在外研修員として、ICP(国際写真センター)で研修(ニューヨーク)、2002年に第11回林忠彦賞を受賞、記念写真展を開き、写真集「シベリアへの旅路ー我が父への想い」を刊行、2004年にロシア沿海州招待撮影、2005年に個展「ウラジオストック デイタイム(Day Time)」をロシアで開いた。

2010年に英国・日本ADFアワード(UK-JAPAN ADF AWARD)2010」ファイナリストに選ばれ、2011年にフランスで個展、2013年にニューヨークで個展、2014年にフィリピンのラサール大学の教授に就任、2015年にアメリカの「シカゴ アート 国際写真祭」に出品、2017年にロサンゼルスで写真展、2018年と2019年にニューヨークの「IPAD フォトグラフィ・ショー(Photography Show)に出展している。現在、日本写真作家協会(JPA)会員。

24日18時30分から20時まで、角田和夫さんによるトークイベントを開く。入場料のみで、事前の予約も不要としている。

開場時間は11時から19時(最終日は16時)。火曜日が定休。入場料は520円(税込)。