M84でB・ランス「密室」展

【銀座新聞ニュース=2020年1月28日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は1月27日から2月29日までベッティナ・ランスさんによる「密室No.4」を開いている。

アートギャラリーエムハッシー(Art Gallery M84)で1月27日から2月29日まで開かれるベッティナ・ランスさんの「密室No.4」に出品される「密室(Chambre Close)」((C) Bettina Rheims、税別7万7700円)。

フランスを代表する女性写真家のベッティナ・ランス(Bettina Rheims)さんは、 「シャネル(CHANEL)」のムービーを手掛けたり、「ヴォーグ」や「フィガロ」などの雑誌で活躍しており、アートギャラリーエムハッシー(Art Gallery M84)では4回目となる個展を開く。

フランスの作家、セルジュ・ブラムリー(Serge Bramly)さんの小説とのコラボにより、1990年から1992年に制作された、架空の男の視線を意識したフィクションの「秘密の部屋」にて、パリの女性たちを撮影したヌード写真集「シャンブル・クローズ(Chambre Close、密室)」で、女性のあられもないポーズが話題となり、ヨーロッパだけでなく、アメリカ、日本、韓国、オーストラリア、ロシアでも注目され、世界中にその名を広めたといわれている。

今回はベッティナ・ランスさんが世界的な写真家として名声を得るきっかけとなった作品など、アートギャラリーエムハッシー初展示の23点を含む約30点を展示する。

女性を撮影した作品を数多く発表してきたベッティナ・ランスさんは、一貫して女性たちが生まれながらにしてまとう華やかさと儚(はかな)さ、内面から湧き出る美や苦悩、憂いを力強く写してきた。女性たちはレンズの前で飾り気のない心情や濃厚な人間性を惜しげもなくさらしている。「瞬間に写し取られた本能的な女性たちの姿を捉えるベッティナ・ランスの魅力に迫りたい」としている。

ベッティナ・ランスさんは1952年フランス・パリ生まれ、1972年からアメリカ・ニューヨークで過ごし、その後、パリに戻り、1976年にモデル、写真家のアシスタントなどを経て、モデル、ストリッパー、アクロバット芸人や周りの友人を被写体として写真を撮りはじめ、1978年に雑誌「エゴイスト」に大道芸人やストリッパーのヌード写真を発表し、1982年にパリ・ポンピドーセンターで初個展、1983年に生と死を表現した動物のはく製シリーズを制作した。

1986年に雑誌「ヴォーグ」や「フィガロ」や広告用のポートレートを撮影、1990年に二重の性、転換する性、男性の妄想など混迷する現代の性をモチーフに作品を発表し、1990年に初めてカラー写真「シャンブル・クローズ」でヌード写真を披露し、1994年にパリ市写真大賞、1995年にフランス大統領公式カメラマンに抜擢され、1997年にレジヨン・ドヌール勲章を受賞した。

1998年に2年がかりでイエスの生涯を現代の設定で撮影した「I.N.R.I」を出版し、フランスのキリスト教サークルとのスキャンダルに発展し、2000年に小田急美術館で写真展「イエスの生涯」を開催し、2002年に中国でアバンギャルドな上海女性を捉えた上海シリーズを制作、2004年にフィンランド・ヘルシンキ市立美術館で初の回顧展を開いた。

2005年に「写真と彫刻の融合」をテーマにリメイクされたオートクチュールのビンテージドレスをまとった女性たちを、石の台座を小道具に撮影されたシリーズを発表し、2010年にセルジュ・ブラムリーさんと一緒に自叙伝的な物語を発表し、2012年にインタビューをして撮影した若い男女27人のポートレートを発表し、2013年に最新のパリのオートクチュールをまとった有名人のポートレートを発表、現在は雑誌、広告、ファッションの仕事を手掛けるとともに、個人プロジェクトに取り組んでいる。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)まで。入場料は700円。展示している作品はすべて販売する。