丸善丸の内で沢岡泰子「木のリトグラフ」展、矢後由実子も

【銀座新聞ニュース=2020年2月2日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は2月5日から11日まで4階ギャラリーで沢岡泰子さんによる「MOKURITO」を開く。

丸善・丸の内本店で2月5日から11日まで開かれる沢岡泰子さんの「MOKURITO」に展示される「記憶の風景-192」。

また、同期間中に4階ギャラリーで沢岡泰子さんの弟子、矢後由実子(やご・ゆみこ)さんも「木版リトグラフーモクリト(MOKURITO)-矢後由実子作品展」を開く。

日本で生まれた木のリトグラフ「モクリト(MOKURITO)」で30年以上も描いている版画家の沢岡泰子(さわおか・やすこ)さんはデザインの仕事から出発し、金属レリーフ作品を制作、木版とリトグラフを合体させた日本発の新技(モクリト)に出会い、以来、自身の作品制作、普及、指導に取り組んできた。

今回は自身の制作の足跡として金属レリーフ作品も展示し、木版リトグラフの作品を展観する。また、「海外でのワークショップ、授業が今日どのように広まっているかみていただ」きたいとしている。

また、矢後由実子さんは27年前に木版リトグラフに出会い、「その魅力と可能性、そして何より楽しさを知り今日まで続けて」きた。

木のリトグラフは、1936年東京都生まれ、東京芸術大学を卒業し、多摩美術大学教授(現在名誉教授)だった小作青史(おざく・まさし)さんが考案した技法で、木にリトグラフの方法で油性材料で描画したり、彫刻刀で彫りを入れたりして製版する。リトグラフの自由な描画と、木版ならではの木目を生かした絵が描けるのが特徴とされている。

矢後由実子さんの作品「石の花」。

通常のリトグラフ用インクよりも柔らかめのインクで刷ることができるため、木版プレス機で刷る以外にもバレンを使ったり、足で踏んで圧をかけて刷ったりできる。

沢岡泰子さんは1939年北海道旭川市生まれ、1962年に女子美術大学芸術学部を卒業、1962年から1969年まで日立製作所、松下電器産でプロダクトデザイナーとして、家電製品のデザインを手がけ、1971年からグループ展、個展に参加した。

1985年にアメリカ・ニューメキシコ工科大学で金属造形クラスを指導、ニューメキシコ市で個展、1992年にフランス・パリで個展、2004年と2005年にポーランド・ワルシャワで個展、2008年にイタリアで「木のリトグラフ25人展」に参加した。現在、日本美術家連盟会員、日本画協会会員。

会期中、毎日、11時から18時まで矢後由実子さんが在廊する。

開場時間は9時から21時(最終日は16時)まで。入場は無料。

注:「沢岡泰子」の「沢」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として常用漢字を使用しています。