キネ旬、19年度邦画1位「火口のふたり」、洋画が「ジョーカー」

【銀座新聞ニュース=2020年2月5日】映画批評雑誌の「キネマ旬報」を毎月2回刊行しているキネマ旬報社(中央区銀座5-14-8、銀座ワカホビル、03-6268-9701)は2月4日、「2019年第93回キネマ旬報ベスト・テン」を発表した。

キネマ旬報の2019年度ベスト・テンの邦画1位に選ばれた「火口のふたり」((C)2019「火口のふたり」製作委員会)。

それによると、日本映画ベスト・テン第1位は「火口のふたり」(監督:荒井晴彦=あらい・はるひこ=さん、配給:ファントム・フィルム)、外国映画ベスト・テン第1位は「ジョーカー」(監督:トッド・フィリップス=Todd Phillips=さん、配給:ワーナー・ブラザース映画)、文化映画ベスト・テン第1位は「i-新聞記者ドキュメント」(監督:森達也=もり・たつや=さん 配給:スターサンズ)。

読者選出日本映画ベスト・テン第1位は「半世界」(監督:阪本順治=さかもと・じゅんじ=さん、配給:キノフィルムズ)、読者選出外国映画ベスト・テン第1位は「ジョーカー」(監督:トッド・フィリップスさん、配給:ワーナー・ブラザース映画)が選ばれた。

個人賞は日本映画監督賞が「ひとよ」や「凪待ち」、「麻雀放浪記2020」の白石和弥(しらいし・かずや)さん、日本映画脚本賞が「半世界」の阪本順治さん、外国映画監督賞が「ジョーカー」のトッド・フィリップスさんが選出された。

主演女優賞は「火口のふたり」の滝内公美(たきうち・くみ)さん、主演男優賞が「宮本から君へ」の池松壮亮(いけまつ・そうすけ)さん、助演女優賞が「半世界」の池脇千鶴(いけわき・ちづる)さん、助演男優賞が「愛がなんだ」や「さよならくちびる」などに出演した成田凌(なりた・りょう)さんが選ばれた。

外国映画ベスト・テン第1位に選ばれた「ジョーカー」((C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM& (C) DC Comics)。

また、新人女優賞は「町田くんの世界」の関水渚(せきみず・なぎさ)さん、新人男優賞が「蜜蜂と遠雷」や「決算!忠臣蔵」の鈴鹿央士(すずか・おうじ)さん、読者選出日本映画監督賞が阪本順治さん、読者選出外国映画監督賞がトッド・フィリップスさん、読者賞が「2018年の森田芳光」を連載したライムスター宇多丸(らいむすたー・うたまる)さんと映画監督の森田芳光(もりた・よしみつ、1950-2011)の妻、三沢和子(みさわかずこ)さん。

特別賞に「映画の素晴らしさや愉しさを広く伝え、多くの映画ファンを育てた功績に感謝をこめて」として、2019年10月に亡くなった和田誠(わだ・まこと、1936-2019年10月7日)が選ばれた。

ウイキペディアによると、キネマ旬報は1919(大正8)年に東京高等工業学校(現東京工業大学)の田中三郎(たなか・さぶろう、1899-1965)ら学生4人でアート紙4ページ、毎月1日、11日、21日の月3回刊の外国映画専門誌として発刊した。1923(大正12)年に「キネマ旬報社」を設立したが、同年9月に発生した関東大震災により社屋が壊滅し、兵庫県芦屋市や西宮市香櫨園などの阪神間に編集拠点を移して刊行を続けた。

1940(昭和15)年12月をもって戦時統制を理由に終刊したが、大東亜戦争中は誌名を「映画旬報」に変更した。1946年3月に「再建」し、1950年10月に復刊し、毎月2回(5日・20日)発行の体裁で刊行した。例年2月下旬号(2月5日発売)は、キネマ旬報ベスト・テン発表の特別号で、同号には前年の映画業界の動向や今後の展望、興行成績の総括も含まれていた。

1991年にキネマ旬報社の全株式をセゾングループが取得し、同グループ傘下の「SSコミュニケーションズ」の子会社となった。2001年に角川書店がSSコミュニケーションズを買収、これによりキネマ旬報社が角川書店グループ入りした。2002年12月にギャガ・クロスメディア・マーケティングがキネマ旬報社の株式81%をSSコミュニケーションズから取得した。2006年9月に親会社のギャガ・コミュニケーションズが保有するギャガ・クロスメディア・マーケティングの株式を株式会社USENに譲渡し、USENの連結子会社となった。

2007年5月にUSENがギャガ・クロスメディア・マーケティング株式を株式会社カピトリーノに譲渡(MBOによる独立)、同年9月に株式会社ギャガ・クロスメディア・マーケティングが株式会社カピトリーノと合併して、株式会社フットノートに社名変更し、株式会社キネマ旬報社を完全子会社としたが、2008年1月に株式会社キネマ旬報社を存続会社とし、親会社の株式会社フットノートを吸収合併した。

2018年3月に同年1月設立の(新)株式会社キネマ旬報社に主力事業を移管し、(旧)キネマ旬報社は「株式会社ケージェイ」に商号変更した上で2017年末に約7億4000万円の負債を抱えて解散、同年3月20日に東京地方裁判所から特別清算開始決定を受けた。同年3月に中央映画貿易が新キネマ旬報社を100%子会社化している。

「キネマ旬報ベスト・テン」は1924(大正13)年度からはじまり、当初は編集同人のみによる投票で、「芸術的に最も優れた映画」と「娯楽的に最も優れた映画」の2部門(外国映画部門のみ)だった。1926(大正15)年に日本映画の水準が上がったことから、現在と同じ、日本映画と外国映画の2部門に分け、ベスト・テンに変更した。戦争による中断があったものの、大正年間から継続的にベスト・テンは選んでおり、2019年度のベスト・テンで93回を数える。また、1972年度から読者選出ベスト・テン(日本映画、外国映画)も始まった。

ベスト・テンという形で、その年を代表する日本映画、外国映画、文化映画を10本、さらに日本映画と外国映画には読者選出部門があり、それぞれ10本を挙げている。さらに、日本映画監督賞、外国映画監督賞、日本映画脚本賞、日本映画主演女優賞、日本映画主演男優賞、日本映画助演女優賞、日本映画助演男優賞、日本映画新人女優賞、日本映画新人男優賞、読者選出日本映画監督賞、読者選出外国映画監督賞、キネマ旬報読者賞を選んでいる。

各部門の選出は映画を多く見ている者に限定され、しかも選考者数が多く(2019年度はのべ120人以上)、その年齢、所属の幅(映画評論家、ジャーナリストなど)も広いことから、当年の映画界の実勢を反映し、「もっとも中立的で信頼に足る映画賞」(キネマ旬報)としている。

注:「白石和弥」の「弥」と「滝内公美」の「滝」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として常用漢字を使用しています。

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