丸善日本橋で寺田豊、桝蔵順彦ら「着物と帯」展、落合邦子が演出

【銀座新聞ニュース=2020年3月7日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は3月11日から17日まで3階ギャラリーで「第3回着物と帯展 桜を染める 桜が香る」を開く。

丸善・日本橋店で3月11日から17日まで開かれる「第3回着物と帯展 桜を染める 桜が香る」のフライヤー。

4代目京絞り作家の寺田豊(てらだ・ゆたか)さんを中心に開く「着物と帯展」で、今回のテーマは「桜」の植物染めと「桜色」とし、初春、新緑、晩秋の桜の幹や枝、落ち葉とさまざまな桜色を織りと友禅、絞り染めで試作した作品を展示する。

今回、出品するのは「京絞り寺田」(京都府京都市北区紫野大徳寺町5、075-406-5571)の主宰者で作家の寺田豊さん、工房「染の高孝」(新宿区高田馬場3-9-1、03-3368-7388)を主宰する高橋孝之(たかはし・たかゆき)さん、「夢訪庵 桝蔵」(京都府京都市北区鷹峯藤林町1-16、075-493-4576)を主宰する帯作家の桝蔵順彦(ますくら・ゆきひこ)さん。

フラワー&アロマフレグランスデザイナーで、「アトリエオルタンシア」(都港区高輪4-24-36、03-3446-5371)を主宰する落合邦子(おちあい・くにこ)さんが会場のフラワーディスプレイを担当し、自作のアロマフレグランス「桜の精」を香らせるとともに、会場で販売もする。

寺田豊さんは1958年京都府京都市生まれ、1994年にフランス・パリ市主催フランスオートクチュール組合後援により「バガテル城美術館」の「燦功工房展」に招待出品、東京で個展を開催、1996年にフランス・パリ国立ギメ美術館が「雪に萩」を買い上げ、2002年に「布結人の会」を設立した。

イタリア・ミラノの美術学校と交流、2007年に歌舞伎役者の中村芝雀(なかむら・しばじゃく)さんの「人魚の恋椿」の衣装を制作し、2008年に京都絞工芸展で知事賞と近畿経済産業局長賞、源氏物語千年紀「夢浮橋」の几帳を作成している。

高橋孝之さんは1966年に戸塚工芸社に入社、父親より引き染ぼかしと一珍染、兄から江戸更紗を習得し、1974年に独立して工房「染の高孝」を開く。1983年に染織作家グループ「新樹会」を設立、以後年1回、作品展を開き、本格的に作家活動に入る。

1984年に第9回日本染織新人展覧会で「青い光」が意匠賞(1985年の第10回で技術賞)、1989年に第27回日本染織作品展で「竹林2」が技術賞、「墨流し」が佳作(1990年に第28回で日経奨励賞)、第29回伝統工芸新作展で「群翔」が入選(1991年に第30回で入選)、1991年に第14回日本染織作家展で「彩流」が奨励賞、「源流」が佳作(1992年の第15回で京都新聞社賞、1993年の第16回で佳作、1996年の第19回で名古屋三越賞、1999年に第22回でセイコきもの文化財団賞、2001年の第24回で京都新聞社賞、2009年の第32回で京都市長賞、2012年の第35回で京都市長賞)を受賞した。

1996年に第34回染芸展で三越賞(1999年の第37回で三越賞、2000年の第38回で商工会議所会頭賞と高島屋、西武百貨店賞、2001年の第39回で国際モード協会賞、2002年の第40回で東京産業貿易協会会長賞、2003年の第41回で染芸展賞、2004年の第42回で東京都立産業技術研究所所長賞、2005年の第43回で国際モード協会賞、2006年の第44回で田島比呂子=たじま・ひろこ=賞、2010年に第48回で新宿区長賞といち居賞、日本きもの文化協会会長賞、世界文化社きものサロン賞、2012年に第50回でコスモス賞、新宿区長賞、松屋賞、第50回記念人間国宝山田貢=やまだ・みつぐ=賞)を受賞した。

1997年に東京都優秀技能章、2001年に新宿区地場産業25年表彰を受ける。2002年に東京都伝統工芸士に認定され、2007年に東京都工芸染色協同組合理事長に就任、2008年に国の伝統工芸士に認定され、現在、東京都染色工芸組合理事長。染色作家グループ「新樹会」会長。

落合邦子さんは慶応義塾大学文学部仏文学科を卒業、日産自動車に入社、西アフリカフランス語圏への輸出営業を担当、その後、フラワーアレンジメントの世界に入り、1987年にフラワーショップ「アトリエオルタンシア」を設立し、フラワーアレンジメントスクールなどを運営している。

2010年にパリのパリ日本文化会館のブティックにて、「涼」をテーマに個展、2017年にパリの「サロン・デ・ボザール(Salon des Beaux Arts)展」で審査員特別賞を受賞している。

15日15時からの吉武利文(よしたけ・としふみ)さんによるギャラリートークは中止となっている。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)、入場は無料。