日本橋三越、現代画廊をオープン、第1弾は日比野克彦展

【銀座新聞ニュース=2020年3月17日】国内最大手の百貨店グループ、三越伊勢丹ホールディングス(新宿区新宿5-16-10)傘下の三越伊勢丹(新宿区新宿3-14-1)が運営する日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は3月18日に本館6階に「MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY」をオープンする。

日本橋三越が3月18日に開店する「三越コンテンポラリーギャラリー(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY)」の画廊内部のイメージ図。

本館6階の美術フロアに、現代アート専門のギャラリーとしてオープンする。従来の価値観や先入観にとらわれない多様性のある作家の作品を紹介していく。第一弾として3月18日から30日まで現代美術家、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科教授で美術学部長の日比野克彦(ひびの・かつひこ)さんによる「日比野克彦展Xデパートメント 2020」を開く。

「三越コンテンポラリーギャラリー(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY)」は面積が193平方メートルで、建築家でイシダアーキテクツスタジオ代表の石田健太朗(いしだ・けんたろう)さんが設計した。

18日から30日まで「三越コンテンポラリーギャラリー」で開かれる「日比野克彦展Xデパートメント 2020」に出品される日比野克彦さんがラグビーボールをダンボールで制作した「ジャッカル(JACKAL)」(2019年制作、税込220万円)。

三越は美術については110年以上の歴史があり、日本画や近代絵画、工芸を中心に取り扱い、アメリカの画家、アンディ・ウォーホール(Andy Warhol、1928-1987)やアメリカの彫刻家、イサム・ノグチ(Isamu Noguchi、1904-1988)ら時代の最先端のアートも紹介してきた。三越は、これから100年先も時代を超えて受け継がれてゆくような、本物のアートを紹介し続けていくことが、百貨店としての使命として、専任担当をおいて、現代アートを本格的に紹介していく。

また、日本の美術品市場は、「日本のアート産業に関する市場調査2018」によると、古美術、洋画、彫刻、現代美術などの規模を2460億円と推計し、うち、国内画廊、ギャラリーが735億円、国内の百貨店(通販、外商含む)が644億円、アートフェアが253億円、インターネットサイトが180億円としている。

今回の展示は1991年に日比野克彦さんが関口敦仁(せきぐち・あつひと)さん、タナカノリユキさんとともに伊勢丹美術館で開いた「Xデパートメント 脱領域の現代美術」を参照し、約30年の年月を経て改めて「脱領域」すなわち「領域横断」について考えるものとしている。

同じく、展示されるリコーの新技術を使った版画「バウ(BOW)」(エディション120部、2020年制作、12万1000円)。

1991年の際は、多様な価値が同居する百貨店を舞台に作品が飾られ、今回はギャラリー空間だけでなく、百貨店の外のショーウィンドウでの展示や、アパレルを使った作品やコラボ商品など、日本橋三越のさまざまな場所で日比野克彦さんを販売する。

ウイキペディアによると、日比野克彦さんは1958年岐阜県岐阜市生まれ、多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科に進学、1年在学した後、東京芸術大学美術学部デザイン学科に再入学し、1982年に卒業、1984年に同大学大学院修士課程を修了、1986年にシドニー・ビエンナーレ、1995年にベネチア・ビエンナーレに出品している。

1995年から東京芸術大学美術学部デザイン学科助教授、1999年から同大学美術学部先端芸術表現科助教授・准教授を経て2007年10月より教授、2016年より美術学部長、現在、日本サッカー協会社会貢献委員長。2015年4月1日より岐阜県美術館の館長。

近年は、館内の展示だけでなく、地域の人々と共同制作を行いながら、受取り手の感受する力に焦点を当てたアートプロジェクトを展開し、社会で芸術が機能する仕組みを創出している。2003年に大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレにて「明後日新聞社文化事業部」を設立、「明後日朝顔プロジェクト」をはじめ、2005年に水戸芸術館で「ヒビノエクスポ(HIBINO EXPO)」などの個展を開いている。

2010年よりサッカーワールドカップ年に合わせ、「マッチフラッグプロジェクト」をはじめ、2014年のブラジル大会でワークショップを実施し、スタジアムをスポーツとアートの交流の場としている。1982年に第3回日本グラフィック展大賞、1983年に第1回日本イラストレーション展グランプリ、同年に第30回東京ディレクターズクラブADC賞最高賞、1990年に東京都屋外広告物優秀賞都知事賞、1999年に毎日デザイン賞グランプリ、2016年に芸術選奨文部科学大臣賞などを受賞している。

期間中、本館2メンズフロア、本館4階呉服フロアで、アート、ファッション、伝統、ジャンルを超えた横断型の作品や商品を展示販売する。

開場時間は10時(19日まで11時)から19時。